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キラーアント

 エリカが帰って来た。さあ! 出発だ! エリカの腰には2本の剣がある。意外と気に入った様だ。似合ってるよ! エリカ達と海に流れ出ている川を探してそこから登って行く。アランが言うにはこの海には幾つかの川が流れ込んで来るようだが、ここが一番大きな川になると教えてくれた。


「ここを上がって行くの?」


 ミュラーは嫌そうに言う


「そうねえ、歩いて行くと時間かかりそうだからグリフォンを呼ぶわ」


 エリカ達はグリフォンに乗って川の上流を目指す。エリカはキラーアントが居ないか目を凝らして見ている。僕はミュラーの肩に乗ってローレライを探す。


 そこで、見つけたのはキラーアントだった。誰かが追われていた。グリフォンから飛び降りその場所へ向かう。追われていたのは商人のようだった。


「た、助けてくれ‥‥‥」


 そこにエリカとミュラーが現れキラーアントの前に出る




「ここは、私達に任せて逃げて!」


「あなた達は!」



「私達は冒険者です。このキラーアントを討伐に来ました。だから、任せて下さい! 早く!」


 その言葉を聞いて商人は逃げるように走り去っていった。




「ああ、なんて事してくれたんだ、せっかくここまで追い詰めたのに」


 と物陰から誰か出て来た。


「貴方は誰? 何故こんな事をするの? ‥‥‥貴方も冒険者よね、テイマーかしら」


「当たり! 凄いね、良く解ったねえ」


「だって貴方からは剣士のそれを感じない、自分から相手をしないって顔をしている。従えているモンスターにやらせているのよね」


「俺はテイマーだ。剣は必要ない‥‥‥ヤレ! キラーアント!」


「僕は認めない! テイマーだって自分の身は自分で守らないと! そうか‥‥‥モンスターを盾に使ってきたんだな」


「その為のモンスターだ。使い捨てでいい、潰れたらまたティムすればいいのさ」


 この人間は、人間を信じていない。何があったのか知らないが、ミュラーが怒っているのは解る。

キラーアントがエリカ達を襲う。だがエリカの剣でキラーアントはあっさり倒された。


「くそ! 所詮ただのアリはアリか‥‥‥なら! これではどうだ! これだけの数には対抗できまい」


 どこから出て来たのか無数のキラーアントが現れた。エリカはふっと笑う。



「どれだけの数が居ても、私達には問題ないし負けないわ」



「偉い自信だな、二刀流か? ‥‥‥珍しいな。ふん! いつまでそうやって余裕かましていられるかな?」


 キラーアントの大きな群れがエリカ達を囲む。黒い塊の様なそれは2人を飲み込む。


「やれ――!! キラーアント!! 殺せ!」


 一斉にその大群が襲いかかる。エリカとミュラーはそれに立ち向かう。それは圧倒的にエリカ達の方が強かった。キラーアントは次第にその数を減らして行く。


「何だ! 何なんだお前達! ‥‥‥それじゃあこれならどうだ」


 そこには、キラーアントの女王クイーンアントの姿があった。その身体は大きさは他のキラーアントの倍以上はある。口から吐き出される毒液は周囲の木々を枯らす。僕はそれを見ていて悲しくなった。森が‥‥‥泣いている‥‥‥止めて‥‥‥


「ミュラー! アリーナを!」


「解った!」


「アリーナー! おいで! 君の出番だ!」


 魔法陣からドラゴンになってその姿を現す。


「な、なに? ドラゴン! ‥‥‥それも赤のドラゴンだなんて!」


「ここにいるモンスター達を焼き払っていいよ」


 ミュラーの言葉を聞いたアリーナは、ミュラーの言葉が終わるより早く炎を吐く。一瞬でキラーアント達は灰になった。クイーンを残して‥‥‥


「そんな‥‥‥ドラゴンって‥‥‥ティム出来るものなのか‥‥‥」


 その人物は今、目の前にいるドラゴンを信じられないという目で見ている。


「もう、どんなモンスターを召喚してもドラゴンのオーラで戦闘不能になるね。それでもまだ、僕達とやり合うつもり?」


 ミュラーはその人物を睨みつけて言う。


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