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ゴブリン討伐依頼

 眠そうにしていたミュラーを見て、エリカは言う。


「寝ましょうか?」


「僕はドライアドの所に行くね」

 と窓から出た。


「隣の部屋は貴方が使って、私は二階に行くから」


「うん、そうする」

 と、ミュラーは部屋に入った。


 僕はドライアドの枝で眠る。すると風の妖精達が集まってくる。


 ダイアウルフが近くまで来ていると言う。ダイアウルフって冬に来るやつだよね。まだ、冬は来ていない。新種か? そんな話しは聞いた事が無い。仲間の妖精も何かおかしいと言っている。

「教えてくれてありがとう! 気を付けるように言っておくよ」


 朝、家の中に入る。食事の用意も出来ていた。エリカとミュラーも起きて来て食事を一緒に食べる。僕用に小さな器に果物が入っている。食べ終わると、昨夜聞いた話しをする。


「ダイアウルフって、冬に来るはずよね。何故今頃? 冬になるにはまだ早いわ。ギルドに行って確認しないと行けないわね。ミュラーも行くわよ」


 

 エリカの装備はピカピカだ。皆着替えて出て行く。


 僕はミュラーの肩に乗る。道行く人達は僕を見て驚く。声をかけたくてもエリカの存在が皆をそうさせにくくしているようだ。

 

 ギルドに来た。貼られている依頼を見る。そこにはダイアウルフについては載っていない。エリカは受付にいる人に声をかける。いつものお姉さんは居ないや?


「ダイアウルフについて、何か知らないかしら?」


「それなのですが‥‥‥ギルドマスターから、エリカ様にお話しがあると言われています。明日、この街にマスターが来られます」


「分かりました。明日出直して来ます。簡単な依頼なら見ても構わないかしら? このミュラーに任せてみたいと思っているのだけれど」


「それなら、ゴブリン討伐の依頼が来ていますよ。近くの村で農作物を荒らすと困っているようです」


 ゴブリンかあ、まだ見た事ないや、ゲ―ムではよく見たけど。ん~冒険者って感じだあー!

そんな僕を見ていたエリカが


「そんなに面白い?」

 ミュラーが首を傾げる


「だって、そんなにキラキラしていたら分かるわよ。本当に変わった妖精ね。魔物は怖くないの? ワイバーンの時もそうだったけど」

 ミュラーが目を丸くする。


「ワイバーン!」


「このシルフィー、ワイバーンを討伐したのよ。あの時は驚いたわ」

 ミュラーが僕を降ろして見つめる。


「どんな魔法を使ったの?」


「僕は風の妖精だからね。魔法? なのかな分からないけど風の妖精達が力を貸してくれたんだ。魔物は会った事が無いからよく分からない!」

 と、キッパリ言う。ゴブリンかあ~楽しみだなあ~キラキラさせる。


 ワイバーンも立派なモンスターなんだけど。エリカはくすっと笑う。僕達はゴブリン討伐に向かう。


「この辺よね」

 と、エリカが依頼書を見る。村人だろう人が居たので話しを聞こうと近づく、僕は森へ飛ぶ。


「あの、ゴブリンが出て困っていると言う村はここですか?」


「そうだ、作物を持って行くので困っている。退治してくれるんだろう? あんた達は冒険者なんだから」


 僕は森から戻ると村人を見て言った。


「その人、嘘をついている」

 村人は反論する。


「何故そんな事が分かる! 本当に困っているんだ」


 僕を見てもさほど驚かない。僕はもう一度聞く、

「それ、ほんとにゴブリン?」


「夜にそんな事をするのはゴブリンに決まっている。それじゃあ、誰がやっているって言うんだ」


 僕はそう言うその村人の目を見つめる。視線を避ける‥‥‥嘘をついているのは分かる。作物が荒らされているのは本当だろう。


「エリカ僕は森にもう少し居るよ。エリカ達はギルドホールで待っていて」


 僕は他の妖精達からも話しを聞く。‥‥‥やっぱりだ。僕はギルドホールへ向かう。エリカとミュラーはそれほど大きくはないギルドホールに居た。


「エリカ達、何か分かった?」


「おかしいのよ、誰も依頼なんて出してないって言っている。ここに依頼書があるのに。だからゴブリンを討伐しても依頼料の報酬は払えないって言われたわ」


「エリカ帰ろう」

 と、僕はそのギルドホールから飛んで出る。エリカ達もそこを後にした。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ほんわかとした感じで話が進んでいくのがいいですね。 定番のゴブリン狩りと思いきや、何やら裏がありそう。 シルフィーの予測が正しいなら、どんな嘘か気になります!
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