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港町

「私はいつも貴方を見守っていますよ‥‥‥エリカ」


 エリカは顔をあげヴィヴィアンを見つめる。その顔は覚悟を決めた凛々しい顔になっている。

「私は、これからも冒険者を続けて行きます。もし、続ける事が出来なくなったら‥‥‥ヴィヴィアン貴方の元に帰ってもいいですか?」


 ヴィヴィアンは笑顔で

「もちろんよ、安心して帰って来て。何処の湖にいてもその時が来たら貴方を迎えに行くわ」


「‥‥‥ヴィヴィアン。ありがとう」

 エリカの嬉しそうな顔を見ていたら僕まで嬉しくなった。


「さあ! 皆行きましょう。海を目指して!」

 エリカは何かが吹っ切れたみたいだ。それに言いたかった事が伝えられて良かったね。ずっと気にしていたから‥‥‥(私は何も言えていない)あの時は辛そうだった。


♢   ♢   ♢


 ヴィヴィアンと別れ僕達は旅を続ける。


 空を飛んでいるとトンステールが海が近いよと教えてくれる。

「もうすぐ海の街が見えて来るはずだよ」


 風の向きが変わった。これは‥‥‥潮風‥‥‥海の香りだ。ミュラーも何かを感じたようだ。

「シルフィーこの風に乗って来る香りは、海の香り?」

 と僕に聞いているのだろう。


「そうだよ! 潮風だよ」

 その言葉にミュラーもアリーナも期待に胸を躍らせているのだろう。もうすぐ見えてくるはずだから、         

 


 僕等の次の冒険の始まりの街だよ。


 街が見えて来た。ここは港街だ、沢山の船が海の上に浮かんでいる。人間達も忙しそうに仕事をしている。

 僕達はその街へ入る。ここはギルドはあるのかな?エリカが近くの人達にギルドは何処にあるのか聞いていた。


「ああ、冒険者の人だね。ギルドはあそこさ」

 と指を指す。へえ~変わった看板だ!船と魚のデザインがされたオシャレな看板だ。ギルドに入る。いつもと同じ様に受付のお姉さんに登録証を見せる。


「エリカ様ですか! ようこそ! 港街へ。肩に乗っているのは、噂の妖精さんですね!」

 

 僕はカウンターまで飛んでお姉さんの前まで行く。

「僕風の妖精シルフィー宜しくね」


「なんて可愛らしいのかしら」


 うん! いつもの反応でいい感じだ。笑顔のお姉さんは、

「ここの人達は気性は荒い者が多いですが、皆基本いい人達なのです。なので、ゆっくりして行って下さい」


 おや‥‥‥お姉さんはミュラーを見つめて言っている。うーーん! ここでもか‥‥‥。

「ミュラー様シルバーのカードにかなりポイントが溜まっていますね、もうすぐゴールドです。頑張って下さい」


 お姉さんは熱い視線を送る。その視線にめげずにミュラーは


「あの、ここは宿も沢山ありそうですね。お勧めの宿屋を幾つか教えて下さい」

 と尋ねる。すると、宿屋のパンフレットみたいな物を渡された。


「それでは行きましょうか」

 エリカとギルドを出る。アリーナ達は外で待っていた。ギルドから出ると、アリーナはミュラーの所に駆け寄る。


「宿は何処がいいかしら? 少し街を見ながら探しましょうか」


 アリーナはスライムさんを抱えてミュラーの隣を歩く。エリカはその少し先を歩いている。僕はエリカの肩に乗る‥‥‥波の音が聞こえている! 船着き場が近いんだ。海の近くまで来た。アリーナが走り出す。沢山の船が並んで停泊している。アリーナの目に映る青い海‥‥‥


「これが海! 初めて見たわ! 広いわねーそれにあれは? 水面が波打っている? それに白く見えるあれは、な~に?」


「それは波だよ。海岸の方に行くともっと良く波が分かる」

 抱えられているスライムさんが言う。アリーナのはしゃぎたくなる気持ち解るよ。そのはしゃいでいる姿にエリカが


「後から海岸に行って海に入ってみる? 浅瀬なら波も穏やかだから、後から街の人に聞きましょう」


「何か、すごーくいい匂いがする。美味しそうな匂いだわ!」

 アリーナが興奮している。初めて来た街だから嬉しいのは解る。でも、本当だ‥‥‥美味しそうな匂いがする!


「何か食べましょうか? 美味しそうな匂いがしているから、お腹が空いて来たわね」


 アリーナが指を指す。

「あそこがいいわ! 海が見えるもの」

 お店から海が見えている。窓が広いからか、そこから沢山の船が行き来しているのがよく見えている。いい眺めだ。その店に入った。うん! 素晴らしい眺めだ!


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