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シルキー

「ミュラー明日ギルドにも行くわよ。実戦も体験しないと強くはなれないから」

 エリカは言う。


 僕は妖精の国に来た。ティターニアは喜んで、僕の頭を撫でる。


「どう? 外の世界で困った事はない? 魔物が最近うろついているから助けが必要なら、いつでも呼んでね。仲間が力を貸してくれる」


 オベロンが僕の匂いを嗅ぐ。


「変わった匂いを付けて来たね。面白い」

 と、首を傾げて言う。


「どんな匂いなの?」


「君が知らないのなら秘密にしておこう、そのうち分かるよ」

? まあいいか、そろそろあの家に戻るかな?


「僕、戻りますね。今度の家にはシルキーが居るってドライアドから聞きました。まだ会っていないから楽しみなんです」


「そう、良かったわね。シルキーもきっと喜んでいるわね」

 ティターニアも嬉しそうだ。

 

 僕は家に帰る。


 家に帰ると、エリカ達も帰って来たみたいだ。


「シルフィー近くの湖まで案内してくれる? 汗を流したいわ」


「分かった。着替えを持って行くといいシルキーが用意してくれている」


「まあ、ほんと!」

 服を抱えて嬉しそうだ。ミュラーはやけにおとなしい


「ミュラーは行かないの?」

 と、僕は聞いてみる。


「えーっ! だって女性と一緒は恥ずかしいじゃないか……」

 と顔を赤らめる、ぷっとエリカが笑う?


「違う場所にすればいいのにそれか、後にする? 何なら今から稽古をつけてあげる」


「本当? やったー!」


 その笑顔は違う表情になる。


 剣を振っているミュラーにエリカは、


「重心が右に傾いている」

と剣の鞘で足払いをされて倒れる。


「わっ!」


「剣に振り回されている。剣を意識し過ぎ! そこ! 手首を使う!」

 

 ぺシぺシ叩かれている。へぇー何かこういうのも面白いなあ、エリカは誰に教えて貰ったんだろう?

ミュラーは汗だくだ。もう、暗くなって来たので僕は、


「エリカ、暗くなって来たから終わりにしない? それにミュラー汗だくだし砂だらけだ。そのまま家に入るとシルキーの機嫌が悪くなる」


「そうね、汗を流しに行きましょう」

 着替えをグリフォンに乗せて湖まで来た。グリフォンも水浴びをしている。エリカはグリフォンの毛並みを整える。ミュラーは湖に浮いていた。僕はミュラーに近寄り


「大丈夫? なかなか厳しいね、エリカは」


「うん、身体のあちこちが痛いや。だから、湖は気持ちいい」

 と首だけ出している。エリカは着替えが終わると


「私は帰るけどもう少しいてもいいのよ、ミュラー」


「僕も帰るよ! ちょっと待って今出るから」

 

 湖から出てミュラーも着替える。風に乗ってミュラーから変わった匂いがする。? 人間とは違う、この匂いって? 僕の知らない匂いだ。考えていると家に着いた。中に入ると、食事が用意されていた。


「わあ! 美味しそう!」

 皆で食べた。シルキーが喜んでいるのが見える。


「シルキーが喜んでいるよ」

 と僕が伝える。


「姿が見えないから残念だけど美味しかったわ。ありがとう。ねえ、シルフィー、シルキーってどんな姿なの?」

 エリカが聞く


「絹のドレスを着ているよ。とっても綺麗なんだ。シルキーが歩くとそのドレスの衣擦れの音が聞こえるって言う人もいるんだよ」


「そう……私にも、聞こえるといいのだけれど……」


「聞こえるかも知れないよ。夜そっと耳を澄ませてみて、シルキーは働き者だから夜も家の中で動き回っているからね」

 

 エリカは嬉しそうに話しを聞いていたが、ミュラーは眠そうにしていた。そうだよね、あれだけ動いたんだ疲れたよね。でもこれから毎日なんだよなあ~頑張れ! 心の中でそっと応援する。



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