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モンスター討伐

 空は鉛色になり、雪雲が覆いかぶさる。冷たい物が頬や額を濡らしていく。雪だ……降り始めた。


 その日は、吹雪く事はなくしんしんと雪が舞い降りて来る。フラウ達が楽しそうに舞い踊る姿はとても可愛い。僕は他の妖精達に声をかけていた。


 ムーリオッシュやヒドンからどうやって人間達を守ったらいいのか皆で考えないと…‥。


 数日後、急に吹雪く事が多くなって来ていた。セルシウス達もやって来る、当然ダイアウルフも一緒に来る。


 吹雪の日、宿に皆は集まっていた。エリカが言う。


「モンスターのヘリオロスが近づいている」

 

「そのモンスターってどんな奴?」

 僕はエリカに聞く


「氷を使ったブレス攻撃や前足には鋭い爪を持っているわ、姿はトカゲを大きくした感じかしら? だから、尻尾での攻撃もして来るし、壁に貼り付く、スピードはダイアウルフの方が素早いわね」


 アリーナは嬉しそうに

「私はどうすればいいの?」

 目を輝かせてエリカを見る。


「貴方がどんな能力を持っているのか解らないから、まず見せて貰いましょうか」


「了解!」

 とアリーナが立ち上がり部屋を出て行こうとする。エリカがそれを止める。


「ちょっと待って、行く前にギルドに依頼を受けると伝えておかないといけないわ、それじゃないとカウントされないから報奨金は貰えない。アリーナは冒険者登録をしていないから本当は一緒に行けないのよ、こっそりここを出て行かないとね貴方はミュラーがティムしたモンスターだもの」


「……? まってミュラーも人間じゃないって言っていたわよね? それでも冒険者になれたのよね」


「‥‥‥そうだけど、僕は人間の姿で戦うし姿もずっと人間のままだからね、アリーナは人間の姿で戦えるの? ドラゴンになった方が強いはずだよねきっと」


「そうね……ドラゴンになった方が強い力が出せるから、ドラゴンになって戦うわね」

 エリカはアリーナに


「貴方の正体はこの街の人に知られてはいけない、ドラゴンの街があるなんて知られたらドラゴンを狩ろうとする冒険者が集まってしまう」


「そんな……皆に迷惑をかけてしまう…‥」


「だからこっそり出るのよ、貴方の力を私達に見せて、ヘリオロスと戦ってみて。攻撃スタイルはさっき話した通りよ」


「任せて! エリカ! 見てて!」

 と俄然やる気満々で言う。


「それじゃあ、私はギルドに行ってくるから待っていて」


 そう言って部屋を出てギルドに向かって行く。


 アリーナが思い出したようにミュラーに聞く

「ミュラーは本当は何者なの?」


 困った顔をするミュラーだが

「僕はね、ペガサスなんだ」


 アリーナの目がハートになっている……


「なんて素敵なんでしょう!」

 ミュラーにググっと近づく


「私が天界の方をご主人に持つ事が出来るなんて!」


 そこで、アリーナが急に表情を変える……。


「ミュラー……いずれ……天界に……帰る……の?」


 これまで誰も話題にして来なかった話を新参者だから問える質問なのだろう、その答えによっては、アリーナ自身の身の振り方を考えないといけないのだから、知りたいだろう。


 ミュラーは

「そうだね……いずれは天界に帰らないといけないのだろう……それまでは皆の仲間として一緒に居させてよ」


 ミュラー‥‥‥。スライムさんも黙ったままだ。僕はミュラーの頬にすり寄る。

「もちろんだよ! 僕はミュラーの成長をずっと見て来たんだ、これからもずっと見つめ続けるよ」


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