もう1人の冒険者
エリカと一緒に依頼を受けたと言うギルドにやって来た。グリフォンから降りて中に入る。
「お疲れ様です。エリカ様。こちらが報酬になります。えーっ! 肩に乗っているのは……」
「シルフィーよ。風の妖精」
「まあ! 初めて見ました! 妖精は姿を人間に見せないって聞きていますのに……なんて可愛いらしいのでしょう」
受付のお姉さんは嬉しそうに僕を見る。
「僕、人間が好きなんだ! それに面白い話しを一杯聞きたいんだ!」
そこで、受付のお姉さんは、そうだ! と言う顔になり、
「所でエリカ様にお客様がお待ちになっていますよ」
受付のお姉さんは凄い笑顔で言う。エリカが振り返る。
「エリカ、久しぶり。‥‥‥来ちゃった」
と背の低い少年が笑顔で立っていた。
「まあ! ミュラー!」
「僕、一応冒険者登録してあるし、そのーー……僕に教えて欲しいんだ! エリカって剣術が凄いって聞いた。あのミノタウロスも1人で倒したし、僕……弱くて……だから鍛えて欲しいんだ!」
エリカは困った顔はしているがでもその顔は笑顔だ。
「もう……私って厄介事が寄ってくる体質じゃないはずなのだけど?」
そのミュラーと言う少年は、必死だ。なんだろう? この少年は人間?
「ねえ、その肩に乗っているのって妖精? だよね」
と、僕をじっと見る。
「そうよ、風の妖精シルフィーよ」
僕はその少年に近づく、何故か近くにいると落ち着くので少年の頭に乗った。
「えっと、えっと、どうしよう」
なんだか焦っている。
「うふっ気に入られたみたいね」
エリカはずっと笑顔だ。
「ミュラー、私は厳しいわよ」
と、少年の顔に近づき言う。
「ありがとう! 頑張るよ!」
受付のお姉さんが
「では、しばらく街に滞在されるのですよね。嬉しいです。最近魔物達の出現が多くて依頼が増えているのです」
「そうね、まずこの近くの森に空き家はないかしら?」
「それでは、詳しい者を紹介させて頂きますのでそちらで聞いてみて下さい」
と紙をもらった。それを持って、紙に書いてある場所に行く。
その場所に行くと。
「これは、エリカ様ですね。噂は聞いておりますよ。剣の達人だとか」
「そんな事はいいから近くの森に空き家はないかしら?」
「おや、これは珍しいシルフィーとはその妖精の為にですかな?」
「そうね、それもあるけど静かな所がいいわ。街の中は騒がしいから」
「わかりました。いい空き家がございますよ。ご案内します」
と、その人物の後を付いて行く。あ~っ森の風を感じる!
「ここです」
その家は大きな木の近くにあって木の木漏れ日が優しく降り注いでいた。僕は嬉しくてその木の所へ飛ぶ、それを見ていた。エリカは。
「ここにするわ、しばらく借りるわね」
「中の『モノ』もお好きにお使い下さい」
その人間は帰って行った。
「僕、この部屋を掃除します!」
とミュラーが張り切って言う。僕は木の精霊ドライアドに挨拶をしてきた後エリカ達の所に来て言う。
「あのね、この家にはシルキーがいるんだよ。だから大丈夫シルキーがやってくれる。ご飯も用意してくれるから任せるといい。きっとシルキーも喜ぶよ」
「まあ、そうなの? あの人は知っていたのかしら?」
「きっと知っているはずだよ。シルキーはその家に居る精霊だからね」
「いい家を借りる事ができて良かったわ」
僕も嬉しい。
「いい森だね。近くに泉も湖もあるってドライアドが言っていたよ」
「そう、シルフィー遊びに行ってくるといいわ」
「うん!」
と、森へ飛んだ。僕は嬉しくてこの森にいる妖精達に会いに行った。そうだ! オベロン達に、王に会いに行こう。扉を探す。
「ミュラーその姿のままで疲れない? 時々は戻ってもいいのよ。シルフィーだって本当は人間位に大きいのよ。今頃きっと仲間達と遊んでいるわ」
「大丈夫だよ。僕は強くなりたいんだ。この姿で人間の姿のミュラーとして」
「わかったわ。それでは貴方の剣を探しに行きましょう。それに食材も買って来ないと」
エリカとミュラーは街に行く。
エリカ達が家に戻ると家の中は綺麗になっていた。
「流石ね‥‥‥食材は買ってきたわ。ここに置いておくから宜しくお願いね、シルキー」
姿は見えないがそう言ってみる。