ミュラーの成長
「もう皆が目を覚ます。またね、ミュラー」
「ありがとう。クリュサオール」
ペガサスは、天界へ帰る。ミュラーはそれを見送る。世界は再び目を覚ます。森に住む夜の生き物、妖精達も。
朝、太陽の光で目を覚ます。あれ? 僕は寝てしまったのか……はっ! ミュラー! 慌てて顔を見る良かった。熱は下がったみたいだ。ミュラーと目が合う、ミュラーはにっこりと笑ってベッドから身体を起こし座り直して言う、
「シルフィー、僕はもう大丈夫だよ」
「良かったー!」
とすり寄る、その僕の声で皆が起きる。ミュラーの元気そうな顔を見て安心する。そこで、エリカが不思議そうにミュラーを見る、
「ミュラー? また背が伸びた?」
「そうみたい」
僕はもう1つ気づいた。声だ!
「ミュラーの声が違う!」
そう言う僕にミュラー本人も気づいていなかったみたいで、
「そう? あ、ああー、ほんとだ! 声が低くなっている」
エリカも驚く、
「えーって、声変わり? ミュラーも一人前に成長しているって事かしら? 何かしら? ちょっと嬉しいわ。男の子って、こうやって大人になって行くのかしら?」
いつになく少し興奮気味なエリカの姿が新鮮に映る……僕も子供達が成長して行く姿は、良く見て来たけど、ミュラーのそれは違う、何だろう? この違和感……
「どうしたの? シルフィー」
少し低くなった声でミュラーが聞いてきた、
「何でも無いよ。そうか、ミュラーも大人になって行くんだね」
スライムさんも何かを感じているようだ。そう言えばスライムさん、ミュラーの本当の姿を知っているのかな? 何となく聞きづらくて聞いてないけど……
エリカはミュラーに
「今日は病み上がりだから、もう少しこのまま寝てる?」
「もう大丈夫だよ……でも、剣の稽古は無理かな…」
と、申し訳なさそうに言う、
「それなら、今日は山でゆっくりしない? 自然の空気の中の方が身体も休まるんじゃないかしら?」
エリカは嬉しそうだ。僕も賛成だ!
「うん、たまにはいいよね。お弁当を持って行こうよ」
僕はエリカに言う、
「そうね。何がいいかしら? ここは沢山食べる物があるから悩むわね。とりあえずミュラーはまだ寝ていて買い出しは私達が行って来るから。行きましょうシルフィー」
「うん!」
とエリカの肩に乗り一緒に出て行く。




