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カブテールのいる街(1)

 僕はお姉さんに聞いた

「ねえ、お姉さん。ドラゴンをティムしたら? ランクって、上がったりするの?」


「実績がないと何とも、一時的にティムしたからと言ってもそれだけでは、無理ですね。簡単には上がりません。依頼をこなして貰わないとって事です」


「そうだよね。うん! わかったよ。ありがとう!」


 ミュラーは貰ったばかりの登録証をずっと見ていた。

「ミュラー、良かったね」

 と声をかける、嬉しそうに頷く。


「ミュラーの服も買わないと、行きましょう」

 エリカも声をかけて、出かける。


 外には沢山お店が並ぶ、賑やかなその中を歩く


「ミュラーも随分背が伸びたものね、服が小さいわ。それに、ついでに冬用の服も買って行きましょう。それと、ダイアウルフ毛を皮加工してコートを加工してコートを作っておきましょう。雪山はとても危険だから、しっかり準備しておかないとね」


 街で服やコートを作ってもらう。ミュラーも服も新しくなった。いつの間にかエリカに届く位の背丈になっていた。うん! いいね、男の子って感じは残っているけど顔付きはしっかりして一人前のいい男だ!


 楽しい時間はあっという間だ、この街に来て季節が変わろうとしていた。


 僕達はこの街を離れ、また、旅立つ。皆に挨拶をして。


 本に載っていた街にやって来た。あの雪山までは遠い、今度はここに泊まろう。いつもの様にギルドホールを探す。この街は至る所に食堂があって美味しそうな匂いが漂う、グーっとお腹を鳴らしたのはミュラーだった。


「あはは、匂いに釣られて……」

 と少し照れる、


「少し早いけど何か食べましょうか?」


 と近くのお店に入る、いい匂いだ、


「いらっしゃい! あら! スライムなんて面白いものを連れているんだね」

 と、最近は皆スライムに驚く。見慣れているモンスターだが連れて歩く人は居ないようだ。


「おや? その肩に乗っているのは?」

 やっと気づいてくれた!


「僕はシルフィー風の妖精だよ」

 と、お店の人間の所まで飛んで行く。


「まあ! 姿を見せてくれるのかい? 嬉しいねえ、この街にも妖精がいてくれているんだ。良く手伝ってくれる、この街は妖精と共にあると言ってもいい位さ」


 お店の人は言う。厨房からこちらを覗く妖精が見えた。その妖精に手を振る。


「そうかい。シルフィーには見えているんだねえ」


「うん! 見えているよ、カブテールだね。この街が妖精に優しいのが分かるよ」


「カブテールがいないと困ってしまうよ。朝にはお店の中は綺麗になっているし、鍋なんかピカピカにしてくれるんだよ。ここは旅人が多く寄って行く場所だからね、食べ物を売っている店は多い。だから、カブテールはこの街の住人といってもいいんじゃないかな? 皆そう思っているよ」


「いつも優しくしてくれてありがとう!」

 僕はキラキラさせて言う


「何を言っているんだね。もう、うちのカブテールは家族だよ」

それを、聞いているカブテールは嬉しそうだ。ピョンピョンと跳ねている。この街も妖精達と上手くやっているんだ。嬉しいよ、キラキラ光る。


「本当に解りやすいやつだな」

 とスライムが喋る、


「えーっ! スライムって喋ったっけ?」

 とお店の人は驚く、


「普通は喋らないよね」

 とミュラーは言う。


【カブテール】才能に恵まれた働き者であり、魔法を使う、夜になると、家を出て農園や人間の家を訪ねる

。とても親切で、貧しい人を助けたり、喉が渇いて苦しむ人をほうっておかないと言われている。ポップの香りをつけるのにカプテール程の腕前を持つ者はいないとさえ言われている。

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