ディコンキ・ムジークの街(6)
その街には麦の収穫が終わるまで居て、畑の手伝いをした。ミュラーはとても楽しそうだ。
「こんな風に、農作業を手伝うのって身体使うし、いい運動になるね」
エリカも額の汗を拭きながら
「そうね。剣の稽古は暫くお休みしているけど、その分、こっちで身体を鍛えているって感じよね」
街の人達は
「剣姫にこんな事をさせて済まないね。もうすぐ収穫祭だから、その祭りが終わるまでゆっくりして行って下さいな」
「はい、そうさせて貰います」
麦は全部刈り取られ、収穫は終わった。
収穫祭は、人々が踊り、歌い、沢山の料理も用意されていた。勿論妖精達の分も取り分けて置いておく。
宿に帰って皆其々に寛いでいた。
僕はドラゴンについて考えていた。妖精の話にも良く出て来るドラゴン、やっぱり山に行かないと会えないよね。山に居る妖精達は教えてくれるだろうか? そう思いながら窓辺でスライムと外を見ていた。
「何だか、シルフィーとスライムが並んでいても、最近は違和感が無いわね」
エリカは言う、
「私はずっと1人で冒険者をやってきた。パーティーなんか組んだ事は無かった……仲間って、こんなに良いものなのね、知らなかった……」
とミュラーを見て、微笑む、そこで、
「そうだ。明日、ギルドへ行ってミュラーのレベルを確認しましょう」
ミュラーも
「うん、わかった。僕も知りたいや」
収穫祭は翌日も続いていた。楽しい音楽が流れる中ギルドへ向かった。ギルドへ入りそのまま受付けのお姉さんの所に行く、
「あら、エリカ様。皆さんもお揃いで、今日はどういったご用でしょうか?」
「このミュラ―のレベルを確認したくて来たの、調べて貰えるかしら」
「はい、では、登録証をお預かりしますね。次はこのボードに手をかざして下さい」
ボードに浮かぶ数字……
「Sランク認定です! 登録証もシルバーになります。新しくお作りしますので、待っていて下さい!」
エリカも嬉しそうだ。僕はエリカに聞く、
「エリカはいいの?」
受付けのお姉さんが慌てる!!
「エリカ様は特級なんですよ! 最上級のランクですから、今更です」
そうかあ、だからカードの色が違うのか。
「エリカはいつ、今のランクになったの?」
「そうね。ヴィヴィアンと別れて初めて言ったギルドに登録した時かしら? 凄く驚かれたわ。これ以上のランクは有りませんって言われて、そこで特級と言うランクを貰ったの」
受付のお姉さんは
「特級を持っているのは冒険者登録している人では,エリカ様以外には後3人いますよ]
わあ! エリカ凄い!
「ねえねえ、どれ位頑張ったらその特級になれるの?」
僕はお姉さんに聞いてみた、
「そうですね、“S”を10個取ればなれるかしら? それでも、無理はありますよ。推薦は必要になります。いくら強くても人格がそれに伴わないとなれません」
ミュラーはずっと黙ったままだ。?
「ミュラー、どうしたの?」
僕はミュラーの顔を覗く、下を向き肩が小さく震えていた。
「僕……Sランクになっていたんだ……カードもシルバーになるんだ…‥嬉しいな」
「はい! 新しい登録証です。シルバーですよ」
と、お姉さんから貰う。良かったね頑張ったもんね。
「だから、私が言っただろう? 君は強いんだ。自信を持て」
スライムに言われる。
「ちなみに、ドラゴンを倒したらカードの色は変わるの?」
と、お姉さんに聞いてみた。
「そうですね。ゴールドになります」
そうかあ。エリカのカードとは違う色だ……エリカのカードはキラキラしている。プラチナゴールドというらしい、お姉さんが教えてくれた。
ミュラーまだまだ、遠いね‥‥‥。
【ドラゴン】ゲームや小説でよく出て来ます。色で属性が違っていたりします、白・緑・茶・黒・赤・青・黄色など、他に金色、銀色なんてあるようです。カッパードラゴン(銅竜)も居たりと、人気です。
 




