ディコンキ・ムジークの街(3)
僕は安心してエリカ達の所に行く。姿を現して、エリカの肩に乗る。
「お帰りシルフィー、妖精達との話は楽しかった?」
「うん。この街は妖精達に優しい。そして、人間達は妖精達と上手く暮らしていけるように努力しているのが解る‥‥‥こんな街もあるんだ。嬉しいよ」
機嫌が直った僕にスライムは、
「本当に隠れるんだな、勝手なやつだ、都合が悪くなると隠れるなんて」
ムッとする僕を見て、
「なんだ、また隠れるのか」
「そこ、喧嘩しない! シルフィーのわがままを、そのままにしていた私達がいけないのかもね。シルフィー隠れる時は理由を言ってね」
エリカに言われて、ちょっとしょげる、
「そうだね、解ったよ。これからは隠れる前にはちゃんと理由を言うよ」
またそこで、スライムから言われる、
「妖精だからって、特別扱いは無しだぞ。私達は仲間なんだ。言っただろう? わかってもらっているだなんて思うなよ! 話さないと解らないんだ」
しょげている僕にミュラーが言う、
「シルフィーが悪いなんて思っていないよ。だから、元気出して! スライムはあんな事言っているけど、多分凄く心配していたんだよ」
と笑顔で言ってくれる。
「何故そんな事を言うんだ。私は心配などしていない」
とそっけなく言うと、ミュラーが、
「だって、ずっと喋らなかったじゃないか。それってシルフィーを心配していたからでしょう?」
そうなんだあ! 嬉しいなあ、と近づこうとする、が、そっかあこれ、嫌がっていたな。とエリカの肩に戻る。それを見たエリカが、
「あら〝我慢〟を覚えたのかしら? いい事ね、シルフィーこの街の人間達と話したいでしょう? 何処かお店を探しましょうか」
なんかこれって褒められているのかな? 不思議な気分だ。
歩いていたらお店を見つけて入る。僕を見て驚く、
「おや? その肩にいるのは妖精かい?」
僕は飛んでその人間の所に行く、
「僕、風の妖精シルフィー宜しくね」
「そうかい、シルフィードかい。この街は妖精達に助けて貰っているからね。妖精にも詳しい者も多いよ。君は人間に姿を見せているが妖精王は知っているのかな?」
「はい! だから僕は人間達とお話できるんだ。沢山の人間達と話がしたいんだ!」
「そんな事ならいつでもこの店に来るといい、皆も喜ぶよ」
そう話していると、人間達が集まってくる。僕は嬉しくなってキラキラと光ながら飛んで言う、
「いつも妖精達に優しくしてくれてありがとう! 皆喜んでいたよ、これからも宜しくね。きっと彼等も力になってくれるから」
その日から、そのお店通いが始まる。沢山の人間から話を聞いて僕は満足していた。
 




