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ディコンキ・ムジークの街(1)

 ミュラーが言う、

「ドラゴンが居そうな洞窟の近くの街へ行って、聞いてみる?」


 それを聞いたスライムが、難しい顔? をして言う、

「ドラゴンがいる場所を知っていますか? って聞くのかよ」

‥‥‥教えて貰えないよね……


「大抵のドラゴンは飛んで行かないと行けない所で暮らしている。むやみに群れから出ない。単体なら飛んでいる所を見られたりするだろうが…‥冒険者が狙う最高ランクの獲物だ。そう簡単には見つけられない」


 スライムさん、ごもっともです……。


「根気よく探していくしかないね。沢山の森、山がある近くで少し粘ってみる?」

 と、僕が言うと、スライムさんは、


「大きな山、渓谷がある所はきっとドラゴンは好むだろう。人間が入って来れ無さそうな場所って事だからね」


 そうだよね! スライムさん凄いやー


「シルフィー眩しいよ、何がそんなに嬉しいだ」

 シルフィーからそろそろと、距離をとるスライム、負けずに傍に寄るシルフィー


「だって、そうだなあって思うもん!」


「全く、そんなに分かりやすくて困った事は無いのか? まあ無いんだろう‥‥‥な」

 ミュラーはそんな会話を聞いて笑っている。


「何かいいコンビだね」

 それに、スライムが反論する、


「おい! コンビにするな」


 エリカはずっと笑いを堪えていたが、耐えきれずに笑う。……楽しい旅だ。



 僕達は次の街を探す。



 グリフォンから下を見下ろすと。そこは、田園が広がり、一面に麦畑が穂を沢山実らせていた。

風に吹かれ揺れるその景色は、まるで波打つ海のようだ。エリカは言う、


「グリフォンも疲れているから、この近くの街で泊まりましょう」


 と麦畑の中に降りる、いい風だ。僕は空を舞う、いつものように沢山のシルフィーに挨拶をする。

その様子をスライムが聞く。


「あれは、何をやっているんだ? ただ空を飛んでいるだけとは違うようだが」


 ミュラーが言う、

「あれはね、ここのシルフィー達に挨拶しているんだよ。楽しそうだろう?」


「そうか、律儀だな。縄張りへ入る許可でも、貰っているのかと思ったよ」


「……まあ、それも間違っちゃいないのかも知れないけど。本人はそう思ってないから」

 ミュラーは困った顔をする。


 僕は風の中、沢山のシルフィーから話を聞く、と言うか聞かれるんだ。何処から来たの? 何処へ行くの? シルフィーは話が好きなんだ。色々教えてくれる。なので、僕もこれまでの旅の話をするんだ。すると喜んでくれる。


 空を飛ぶ僕を見ながら、エリカは言う、

「今日は結構長く話しているのね……でも楽しそうよ」


 そして降りて来て皆に言う、


「あのね。ここには、『ディコンキ・ムジーク』がいるんだって!」

 僕は皆に言う、

「畑を守って人間達を助けてくれる妖精だよ。人間達と仲良く上手くやっているみたいだ。

 彼等もカマを持っていて人間と一緒に収穫をするんだ、小さいけど人間より早いんだよ」


スライムは言う

「本当に何処にでも妖精はいるんだな。普通に旅をしていたら、知らずに通り過ぎている。まあ、殆どがそうなんだろう。私達が変わっているのかも知れない」


 その言葉に僕は嬉しくなった。やっとスライムさんも解って来たって感じかなあ? スライムにすり寄る


「ああ! だから! 寄るなよ」

 スライムは困っている、


 ミュラーが頭にいるスライムを押さえながら、

「落ちるよ。シルフィー! スライムが嫌がっているから離れてあげて」

 つまらない……僕は姿を消す。


【ディコンキ・ムジーク】畑を守り良い収穫を約束してくれる、穏やかな性格だが、人間が彼等の予想を疑ったり文句を言ったりすると、突然雷雨になって刈り取った作物はダメになってしまう。

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