喋るスライムに会う
僕はエリカ達と別れて森へ行く。夜はあの店に行こう久しぶりに話が出来る! どんな話が聞けるかな? 楽しみだ。
夜になりあのお店に入る。と、そこにはスライムが居た僕は
「ああ! 居た!」
嬉しくなってそのスライムに近寄る。スライムは不思議そうに僕をみる。
「なんだ? おまえ」
お店の人が言う
「妖精さ、冒険者と一緒に居るんだ。その冒険者がこの街に来てね、あんたに会いたいって言ってた所だったのさ。良かったねシルフィー会えて」
スライムは僕を見て。
「シルフィー……風の妖精か?」
「そうだよ!」
キラキラさせて近づく、その距離を離れるようにして
「眩しいな、いつもそんなにキラキラしているのか?」
「嬉しいと光るみたい!」
そんな僕を見て、うっとうしそうにスライムは言う。
「あっそう。今、嬉しいんだね……」
暫く見つめ合う、何だろう、この感じ……
「ん?」
と、にらめっこは続く……そこで、スライムは、はっと、何かを思い出した? 僕にぐっと近づき
「もしかして……君は転生者?」
おおー!! 何故分かったのかな? 興味が沸く。それと! 何だか嬉しい!
「分かりやすい奴だな、そんなに嬉しいのか」
僕はそのスライムの周りをキラキラさせて飛び回る。
「私もそうだからね、転生する前の記憶は無いからよく解らないけど、転生したって言う事は分かるんだ」
僕はスライムに言う。
「だから、喋れるんじゃない?」
「そうだとしても、モンスターには変わりはないからね。でも、喋る事が出来る……そうかも知れないなあ、お陰で人間と会話が出来るんだ。良かったよ」
僕はずっと、そのスライムを見ていた。
「なんだ? 相談したい事でもあるのか?」
そこで、他の客から声を掛けられる。
「妖精とモンスターって並んでいる様子は不思議な気分になるなあ。そうだ、スライムに用があったんだ。あのよう、うちのやつが浮気しているだろうってずっと言ってて、していないと言っても信じてくれないんだ。どうしたらいい?」
浮気の相談まで引き受けているのか‥‥‥
「本当にしていないのなら、もっと自信を持てよ。それとも、何かあ? 本当は浮気をしていて、それを隠す為にここに相談しに来た。なんて振りなんかしていないよなあ? アリバイ工作の手伝いなんかしないぞ」
おお! 名探偵みたいだ! 何だか楽しい!
「ありばい? 何だそれ、とにかく、自信を持つ! か、だよな」
納得したようだ、
結構お店が閉まるまで居てしまった。余りにこのスライムの的を得た答えや、相談事が面白かったから……
「もう、私は帰る。夜は寝るんだ。モンスターだけど」
と、台の上から床に降りて、ぴよんぴよんと跳ねて行く。そのスライムに向かって、
「楽しかったよお、明日も来る? 明日は僕と一緒にいる冒険者を連れて来るよ。君に会いたがっていたからね」
「気が向いたら来るかも知れない、約束はしない」
と、森へ帰って行く。僕も家に帰り。今会った事を話した。
「今日あのスライムが居たんだ! あのスライムも転生者みたいなんだ。転生する前の事は覚えていないって、でも楽しかったよ。明日一緒に行こうよ」
ミュラーも、もの凄い笑顔でエリカにアピールしている。
「分かったわ。私もそのスライムに会ってみたいしね」
その返事にミュラーも嬉しそうだ。楽しみだね、本当に楽しかったんだよ。
森に住む妖精は数えきれないほど沢山います。昔人間達は、妖精と共にあったのです。日本でいう八百万の神といった所でしょうか。ピティコ族・ピグミー族・モース族など、ピピンチュは地下に王国を作っているとされています。
 




