オーレ・ルゲイエ
「解ったよ、これからそうさせて貰うよ。あの奥のテーブルは暗いから余りお客は座らないからね。夜、置いておくとしようかね」
その時、僕は小さくなる事を忘れてしまっていた。なので気づくと沢山の人が集まっていた。小さくなると、周りの人間達がため息をつく?
「シルフィーかい‥‥‥天使が降りてきた来たのかと思ったよ」
溜め息をついた1人が言う。
「あれが本来のシルフィードの姿なんだ。天使とは種族が違うし住んでいる所も違う。まず人間界には来ないかな? 神の啓示でもあれば別なんだろうけど」
ミュラーがビクっとする。そっか、ペガサスだからね、神はやっぱり怖いのかな?
部屋に戻ると2人はベッドに座り込む。
「やっぱり、ギルマスは貫禄あるよね。長く生きているだけはある。あんな魔法見れるもんじゃないから何だか得した気分だよ」
ミュラーは満足そうだ。反対にエリカは天井を見ながら言う。
「私達冒険者のトップよ。こんなに何回も会っていいのかしら? 顔さえ知らない人も多いのに……」
「そうだよな、ヤムも見た事ないって言ってたもんなあ」
ミュラーも同意する。
僕は何だかもっとギルマスの事が知りたくなってきた。二千年生きてきて、人間に恋とかしなかったのかな? エルフは美形だからもてるんだよなあ、聞いてみればよかったかな‥‥‥そういえば‥‥‥
エルフの冒険者を妖精の国に連れて行った事を思い出した。オベロンは人間と交わる事を嫌っていた。
そうだ、ハーフはいるのだろうか? 前の世界では良く聞いたけど、この世界では聞いた事はないな‥‥‥居たら何処かで会えるかな? 楽しみがまた増えた! いつかハーフエルフに会ってみたい!
「シルフィー何だか楽しそうだね。さっきまで落ち込んだ顔をしていたのに」
ミュラーに言われる、
「ギルマスも言っていたからね、この世界で好きにいていいんだって。だから、楽しい事を考えた方がいいじゃないかって!」
「そうね、シルフィーの言う通りだわ。楽しまないと! 私達は自由な冒険者なのだから!」
僕達はまだ知らなかった。街では大変な事が起きていた事を。
翌日ミュラーの稽古の後、ギルドに依頼を見に行くと街がざわついていた。僕は外に出て街の人に聞いてみる
「どうしたの?」
「シルフィー……実は……街の子供達が今朝から誰も目を覚まさなくて……身体を調べてもらっても何処も悪くないって言うのだけど……どうしたらいいのか困っているんだよ」
それって……僕はその婦人に言う。
「その家に僕を連れて行って、何か解るかも知れない」
僕はある妖精を思い出していた。でも、目覚めさせないなんて事はしないはずだ。
家の中に入ると子供達はスヤスヤと眠っている。もう、日は高く上がったと言うのに……家に入ってきた僕に気づいた妖精がいた。
「オーレ・ルゲイエ、やっぱり君か‥‥‥どうして子供達は眠ったままなんだい?」
僕は聞く
「ここには良い子が多くてね、良い夢を見せているのだよ。皆、夢から覚めたくないって言っている」
手に持った傘をクルクル回せて言う。
【オーレ・ルゲイエ】
男性の眠りの妖精、良い子には絵の描いた傘で良い夢を見せ、悪い子には無地の傘で夢を見せない。
別名もあります。
 




