ギルマスの魔法
「シルフィー、君にも会いたいとマスターは言っていたようだ」
わあ!嬉しい!
「マスターはいつこちらに?」
アドラーは
「早ければ明日にもこちらに来れるんじゃないかな? あの人のグリフォンは凄く早いんだ」
翌日ギルドへ行く。
マスターは既に到着していると聞かされた。その後受付のお姉さんにマスターの待つ部屋に通された。ドアを開ける。
「久しぶりだね。エリカ、ミュラー、そして、シルフィー」
笑顔で迎えられた。そこで、これまでの話がされる。
「ワームは厄介だが、倒せない事はない。大きい個体となれば毒液を吐くものもいたりするからそこを気を付ければいい、再生能力があるから切っても直ぐ再生する。だから、魔法が有効だ粉々に砕く! これが一番だ」
エリカは困った顔をする
「私は魔法は上手く使えなくて……」
そこで、
「エリカに頼む何て私は言っていないよ。今回は私が出よう」
皆の目が丸くなり唖然とする。その中、背伸びをした後、高めの声で
「うーん! いいねえ、何百年ぶりかな? ワームなんて。あれ、砕けるとね……体液は凄く臭いんだ。だから、女の子には気の毒だから私が行こう……ん? 何で皆そんな顔をするのかな? 私の腕を疑っているのかな?」
「いいえ! そんな事! ギルマスが自らお出になるなんて、と」
受け付けのお姉さんが言う。慌てるお姉さんとは対照的に僕はキラキラさせて言う。
「いいじゃないか。ギルマス! 僕、貴方の魔法見てみたい!」
ギルマスにぐっと近づく
「うん! 素直でよろしい」
って優しく微笑む。
「餌が必要だな、ゲイザーはもう居ないのかな?」
アドラーが
「まだ、何匹かいるようです。ワームに驚いて森の奥に逃げたようです」
「そうか、では、エリカ達には餌の用意をしてもらおう。ゲイザーを狩って来てくれ。それを前に見たという場所に一か所に集めてお誘き寄せよう。後は私に任せてもらおう」
そう指示を出す
「解りました。他の冒険者にもこの事を伝えてアドラー、集めるわよ!」
あっという間にゲイザーの山が出来きた。それを確認して、ギルマスの指示が出る。
「他の者はなるべく遠く離れてくれ!」
柔らかくなっている土が次第に盛り上がり、沢山のワームが現れる。ギルマスは詠唱を始める。そこに巨大なワームが土から顔を出し他のワームを追い払う。その大きなワームはギルマスに毒液を吐く。だが、ギルマスには当たらない。
すると、その大きなワームに向けてギルマスが魔法を放つ!
バーーン! と大きな音と共にその身体は砕け、その欠片がバラバラと周辺に散らばる‥‥‥
それを僕達はグリフォンに乗って見ていた。
スゴイ! あんなに大きかったワームが粉々だあ!
小さなワームは土の中に姿を隠す。
「ねえ! 見た? エリカ! 凄い、凄いよ! 魔法ってあんな事も出来るの?」
興奮しながら聞く
「再生不可能な位に吹っ飛ばすなんて普通の魔法使いには無理よ。まして、あんなに大きなワームを……
うっ! ……」
風に乗って酷い匂いが漂う、くさーい!! その時ギルマスが僕を手招く? 鼻を塞ぎながら近づく
「何ですか……」
ギルマスも渋い顔をしている、
「この匂いを飛ばしてくれないかな?」
「解った!」
と、大きくなり翼を羽ばたかせる。強い風が吹き匂いを飛ばす。
「流石は風の妖精だ」
ギルマスが言う、もうあの強烈な匂いは無くなった。皆もほっとして嬉しそうだ。……良かった。




