喋るスライムの情報
褒められてミュラーは嬉しそうな顔をする。
「貴方こそ大きな袋二つもあるじゃないですか。凄いですよ」
満更でもないと言う顔をすると
「そうか? まだまだやれるかな? 俺も冒険者を……そうだ! 今日はあの店で皆で呑むんだ、女将が用意してくれるらしいぞ。勿論美味い飯もだがな。そこで、アイツを紹介するから楽しみにしていてくれ! また後でな!」
そう言って手を振って行った。僕等も報酬を貰って宿へ向かう。
そこでは、もう宴会は始まっていた。
「おお! シルフィー! 待っていたよ。やっぱり剣姫と一緒か! そこの坊主羨ましいなあ。おっと、剣姫とはやり合わないぞ。全く勝てる気はしないからなあ!」
はっはっはと大きな声で笑う。もう、酔っているなあ、皆機嫌が良いあちこちで笑い合う声が聞こえる。
「さあシルフィー好きな物を持ってお行き」
女将さんが言ってくれる、そこで蜂蜜を見つけた。
「蜂蜜って採るのって大変でしょう? いいの? 僕が貰って……」
女将さんは笑顔で
「何を遠慮しているんだい。この蜂蜜だってあんた達妖精がいないと作れないんだから、感謝しているんだよ」
そう言って小さな器に取り分けてくれた。それを持ってエリカ達の所へ行く。
そこで、あの大柄な男がやって来た。と、もう1人知らない男の人を連れて来ていた。
「よう、シルフィー連れて来てやったぞ」
「わあ! 本当に妖精だあ! 君はシルフィードって聞いたけどそうなの?」
もう一人の男の人が僕をマジマジと見て言う。
「そうだよ。貴方も冒険者?」
と、その人物に聞いてみる
「そう。冒険者のアドラーって言うんだ。宜しくシルフィー」
まだ若いその冒険者は
「君は喋るスライムの事を知りたいんだよね?」
この人が会ったって言ってた人か!
「そう! どんなモンスターだったの?」
「あれはなかなか面白いモンスターだったよ。長く生きているからなのか、街の人達は人生相談なんか良く聞いてもらっていたみたいだね。人間がモンスターに相談って面白いだろう? これがまた変わっていてね、夫婦喧嘩の仲裁なんかもするんだ。その話を聞いていると、成る程なって頷いちゃうんだよ」
わあー! 会ってみたーい! とキラキラさせる。
「それで? そのスライムって何処にいるの?」
「もっと先の北の方だよ。街の名前は忘れてしまって覚えていないんだ。悪いなあ」
北の方か! うーん~!! ワクワクしてきた!
「北の方だね。ありがとう! ねえ! エリカ聞いた? 行ってみたい! 会ってみたいよ!」
と興奮する僕を見てエリカは、
「初めに居た街でシルフィーはそのスライムの話を聞いたって言っていたわよね。ちょっと方向は違うけど行ってみましょうか? 私も会ってみたいわ」
アドラーという男性は
「そうだろう? だから、結構噂が広がっていてね。知っている人も多いんだ聞いてみるといいよ」
「教えてくれてありがとう!」
やったあ! キラキラさせて飛び回る僕を見て、アドラーと言う男は
「へえ! 本当に綺麗だね。このヤムから聞いた時、妖精が姿を見せてくれるなんてあり得ないって思ったけど、世の中には分からないこ事の方が多いのかも知れない」
と、キラキラ光る僕を見て言う。




