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天使と魔族

 両者が睨み合う。物凄い空気の圧を感じる‥‥‥隣のフレアも同じなのだろう。その光景を凝視している。フレアにとってはどちらも初めて見るんだ仕方ないか‥‥‥? そう言えば僕も天使を初めて見た! 大きな翼だ。僕の翼の何倍もある。ミュラーが言ってたなあ『天使の翼はもっと大きい』って。あっとそうだ。この間に皆を柱から解放しないと。それにオジュマネルから貰った薬を渡さなきゃ!


 僕とフレアはこの隙に皆を開放した。空には天使、それと魔族が睨み合っている。そんな所を見たミュラーが、


「あれは‥‥‥ミカエル‥‥‥だ。先頭にいる天使は、大天使ミカエルだ! それにしても、この魔族達は‥‥‥」


 アリーナが、


「あれが天使なの? 初めて見たわ」

 そう言うアリーナに僕も、


「そうだね。僕達も初めてだよ。だって天界から降りて来ない種族だよ。に、しても‥‥‥この数‥‥‥天界の神達が本当に怒っているのが解るよ」


 天界に住まう者であるミュラーでも、この光景に驚きは隠せないようだ。そう言って眉間に皺を寄せる。


 僕はその間に皆に薬を渡し説明をする。


「これを口の中に入れて、大怪我をしたり、命の危険を感じた時に噛んで。これは妖精が作った最高の回復薬だよ。一粒しかないから使い時を間違わないでね」


 睨み合っていた両者が闘いを始めた。光と闇が交差する空、地上にも暗闇と光が渦を巻くような光景は刻一刻と変わっていく。僕等はその様子を見るしかなった。


 そこへ空から天使が降りて来た。その天使はエリカに向かって言う。


「久しぶりだねエリック。あっと悪い、今はエリカだったね。今回も君の加勢が欲しい。この剣を使って魔王と戦って欲しい」


 その手にはあの時と同じ黄金に輝く剣が差し出されていた。エリカは覚悟を決めた。


「解りました。魔族、魔王を討ち滅ぼしましょう」


 天使は剣をエリカに渡すと空へ戻り魔族と戦う。


「さあ。私達も行くわよ。アリーナもう大丈夫? 薬は抜けたかしら?」


「もう大丈夫よ。行ける」


 皆で顔を合わせる。


「いい? 誰も欠けてはいけないわよ。思う存分暴れなさい! フレアは皆の回復に専念して!」


 それから僕達も天使達に味方し魔族達と闘う。僕達が加わった事で魔族が劣勢になったのがわかる。


 魔王はエリカの前に降りて来て言う。


「ここからは私と闘え。エリカ」


 エリカが魔王と闘う! 僕達は他の魔族達と闘いこの勝負に邪魔させない様にしよう! ドラゴンのアリーナはスゴイ! ここぞとばかりに張り切っている。ミュラーも華麗に闘う。少し離れてフレアは皆の体力が落ちないように調整しながら回復魔法を使っている。流石だ、僕は風の力を大いに発揮させている。竜巻は大きな渦となって沢山の魔獣を砕いて行く。

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