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本当はね

 不思議そうに僕を見る2人に、


「僕は転生者だよ。エリカと同じ日本人だったんだ! 死んじゃったけどね」

 エリカは驚くそして、悲しそうに言う。


「まあ……そうだったのシルフィー……」

 僕は、


「そんなに悲しい顔をしないでよ。死んだのは病気だったから仕方ない。だから、丈夫な身体が欲しいって願ったんだ。まさか妖精に転生するなんて思わなかったけどね。今は良かったって思っているよ」

 2人の周りを飛ぶ。


「だからかな? オベロン王は僕が人間に会いたいって言う願いを聞いてくれた。ティターニアも外の世界を見ておいで、行って来なさいって言ってくれたよ……こうして2人に出会えた。まだ冒険は始まったばかりじゃないか! これからの事を考えると、とても楽しみなんだ!」

 ミュラーは下を向いている。


「……僕は!」

「ミュラー!」

 とエリカが止める。ミュラーは真剣な表情になる。


「僕も自分の事を話したいよ……」

 ? なんだろう?


「シルフィー黙っててゴメン! 僕、ペガサスなんだ!」

 成る程。人間とは違う匂いだったから人間じゃないなあ、とは思っていたけどね。


「そうなんだ。人間じゃないとは思っていたけどね、隠すには訳があるんだよね」

 僕はミュラーの肩に座り直してミュラーの言葉を待つ。


「僕は、冒険者になりたいんだ。天界からいつも見ていた‥‥‥凄いなって憧れていたんだ……」

 今にも泣きそうな顔になる。そして。

「僕は人間として、冒険者になりたいんだ」

 

 訳ありか? それだけじゃないよねきっと。天界ってよく分からないからなあ~他にも理由があるんだろう。ミュラーの真剣な顔を見たら理由なんていらないよね。


「いいんじゃない?」

 僕は言う。

「エリカは召喚者、ミュラーは本当はペガサス、僕は転生者の妖精、皆冒険者。それでいいじゃないか!」

 エリカも笑顔だった。


「僕達の冒険は始まったばかりだよ。まだ見ていない景色をこれから見に行くんでしょう? 1人で見るより同じ景色を見る仲間がいるって素敵だと思わない?」

 

 僕は2人の顔を見て言う。2人も頷くその顔は素敵な笑顔だ。


 僕達は次の街へと向かって歩いた。お互いの事を話した後だから、何だかすっきりしていた。


 以前ミュラーが僕を見て天使に似ているって言った事を思い出した。同じ天界にいたのだ天使達を見た事があっても不思議じゃない。天使にもランクがあるんだっけ? 人間達とは違う場所に住んでいるから僕達は会う事はない、時々堕天使に会う位かな?


 さて、次の街はどんな所かな? この世界は知らない事や驚く事が一杯だ。こんなに妖精達がいるなんて嬉しいような不思議な感じだ。前の世界では想像上の存在であって。でも各国で色々な話が伝わっている。前の世界でも妖精は居て気づいてないだけなのかも知れない。

 

 僕は、ドライアドから沢山の話を聞いた。それが、これから役に立つ事が多くなって行くのだろう。エリカと僕の時間は違う、いつか別れは来る。その時まで、同じ景色を見て同じ体験をして楽しい思い出を一緒に……作ろう。


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