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ルシファー

「オベロン。魔王を倒す為に僕は何をすればいいかな? エリカ達の為に少しでもいいから力になりたいんだ。風の力なんてたかが知れている。魔王には敵わないよね。でも、僕にはそれしか‥‥‥ないんだ」


そんな僕にオベロンは言う。


「シルフィー。風は大気、空気そのものだよ。それだからこそ出来る力を、君はもっているじゃないか。風、大気は流れる。それは時には強く。そして、君がよく使う竜巻だってもっと大きなものにする事だって出来るし、結界を張る事も出来る。‥‥‥その意味は解るかい? 風の力はシルフィーが思うほど弱い力ではない。大気は生き物に必要なんだ。きみが作る結界は魔王でも破ることは出来ないくらい強固な物だよ。自信を持っていい」



「そうなんだ! ありがとう! オベロン! 所で‥‥‥魔王は妖精に酷い事はしない?」


「妖精の姿は魔王には見る事は出来ないよ。私たちは清い心を持つ者にしか見えないからね。悪の塊みたいな魔王に我々を認識する事は無理だろう」


「そうなの? じゃあ、僕の姿は見えないって事?」


「シルフィーは人間に姿を見せているじゃないか。だから、人間がシルフィーを認識出来ている時点で魔王にも見えているよ」


「そうなんだー残念! でもオベロン。ありがとう! この後は皆と相談するよ」




 僕は皆の所に帰って来た。ローレンツを無事に送って来た事と。先ほど聞いた重要な話を‥‥‥。そしてオベロンから聞いた事を話す。すると、ミュラーが聞き返す。


「‥‥‥シルフィー、今何て言ったの?」


 その驚きに満ちた表情は隠せない。だが、僕は繰り返す。


「天使ルシファーが堕天して魔王になる。魔王も転生していたんだ。そして彼も過去を思い出したんだよ」


「‥‥‥嫌、あり得ない‥‥‥あのルシファーが‥‥‥天使の中でも上位の存在で神の元に一番近に居て良く尽くしていたのに‥‥‥あのルシファーが‥‥‥? 魔王?」


 ミュラーはその名前に困惑する。


「‥‥‥何故? 堕天する理由があるんだ? あんなに神の寵愛を受けていたのに! その神を裏切るのか‥‥‥ルシファー! 」


 ミュラーにしては珍しい。ここまで食いついて来たことはない。自分でも頭の中が混乱しているのだ。その動揺は僕にも伝わる。ミュラーには信じられないといった様子だ。そこで僕はもう一度言う。


「ルシファーが堕天する。それはもう決まっていて魔人達はそれを待ち望んでいる」



【ルシファー】古典ラテン語読みではルーキフェル、ルキフェル、教会ラテン語読みではルチフェル、日本ではルシフェルなどと呼ばれる。堕天使、魔王サタン堕天前の天使としての呼称です。

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