大陸の不思議あれこれ
エリカ達は何処に行ったのかと探す。あっ居た。エリカは壊れた建物に興味があるようで、
「あら、シルフィーお帰り。早かったわね。見てここ、年代を感じるわよね。ほらこの柱の彫刻なんて素敵よねえ」
ミュラーとスライムさんは壊れた不思議な機械の前で唸っている。
「これはレーダー探知機のようだが‥‥‥」
と、スライムさんが言う。その言葉にミュラーはもっと首を傾げる。
フレアは土を掘っている。楽しそうだ。何だか子供が砂遊びしているみたいでちょっと癒される。
アリーナはその大陸の土の匂いを嗅いでいる。
「不思議な匂いなのよね」
僕はアリーナに聞く
「不思議って?」
「だって土って緑の草、植物の匂いがするのだけど、ここからは他とは違う、嗅いだ事の無い匂いがするの」
スゴイなあ。僕には解らないけど‥‥‥。するとクロック・トムテが叫ぶ!
「これは! 乗り物だ! 空を飛ぶという機械の乗り物だ。わしの知っている乗り物によく似ている」
それって宇宙船って事! おお! 凄い発見だあ! と僕は飛び回って興奮する。
「これ、飛ぶの?」
エリカやアリーナも驚く。クロック・トムテが言う
「わしもこれに似た乗り物で空よりも高く飛んだぞ。そこは“宇宙”と呼ぶ所だよ。この国の人間に乗せて貰ったなあ。思い出したよ」
そこで、ミュラーが
「そんなに凄い技術があるのに、どうしてこの大陸は沈んだの?」
クロック・トムテが
「それはだな、この国の人間の殆どはここから脱出して空遠くに行ってしまったのだよ。残された人間もいたのも事実でな、どういう基準で選ばれていたのか、わしも知らん」
それではあの村人の先祖達はこの地上に残された人達だったのか‥‥‥。森の妖精が見せてくれた映像が浮かぶ。その時の人間達はきっと絶望しただろう。だが残された人間は頑張ってそれを乗り越えたんだよね。それがあの村なんだ。そこで、また疑問が沸く、
「ギルマスもその事は知っているのかな?」
僕の言葉に、クロック・トムテが
「ああ、勿論知っているだろう。彼等とは仲が良かったからなあ」
首飾りが見せてくれた映像を思い出す。ギルマス、楽しそうにしてたっけな。きっと残される人間に対して他の人間に抗議とかしたのだろう。でも、それは叶わなかったって所かな?
「これ何かしら?」
土を掘っていたフレアが何かを見つけた。皆がフレアの元に集まる。そこには、見た事の無い宝石のような丸い球体があった。それ程大きくない、フレアの両手で持てる大きさで水晶に似ているが、ほのかに光を放っている。それを王様と一緒に城に持って帰る事にした。
 




