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クロック・トムテ

 僕はティターニアから話された、自分がこの世界に生まれた過程の秘密に驚きを感じるが。そこでふと考える。父と母と呼べるような存在の魂が今、転生をして生前で敵わなかった恋人同士の甘いやり取りを楽しんでいるといいなあ、と願う。




 僕はオベロン達に、ここに来た理由を話す。


「クロック・トムテなら、そこの時計を直して貰っているわ。あれが無いと時間が解らないから困るのよ」


 そう話すティターニアの目線の先にクロック・トムテがいた。


「クロック・トムテ。忙しい所悪いんだけど、話してもいいかな?」


「ん? シルフィードか。何だ? もうすぐ終わるからいいよ、話を聞こう」


 と言いながら時計を直している。


「モルガンの国の近くに失われた大陸があるんだ。そこには沢山の機械があるけど、古代文明の遺産的な感じでよく解らない物が多いんだよ」


「何だって! あの大陸の場所が解るのか! うーん! あそこには興味を惹かれる物が沢山あるのだよ。その国の人間が使っていた不思議な機械は、この地上には無い物で出来ているのだ!」


 嬉しそうにするクロック・トムテを見て


「僕と一緒に来てくれないかな?」


「もちろん一緒に行こうではないか! わしをそこへ連れて行ってくれ!」


 良かったあー。僕はクロック・トムテの仕事が終わるまで待つ。


「ふー! ティターニア。直りましたぞ」


「ありがとう! では、シルフィーと行って来るといいわ。好きなだけ居ていいのよ、貴方は何処へでも行けるのだから」


 オベロンが僕達に手を振る。僕も手を振って返す。


「また、来ます!」


 そう言ってクロック・トムテを風の力を使って一緒に飛ぶ。モルガンの国へ。


♢♢


 僕達はあの大陸に来た。


「良かった! ここに来れた! 王様。クロック・トムテを連れて来ました。彼もここに来たいと言ってくれたのですよ。ここの機械に興味があるって!」


「おお! これはクロック・トムテ。久しいのお! いつぶりかな」


「モルガン王。お久しぶりです。王様の結婚祝賀パーティー以来ですよ」


 そう言って軍人用の刺繍の入った緑の帽子をとって礼をする。


「よく来てくれた。ここがあの時沈んだ大陸だ。主も知っておろう。あの時の人間達を、そしてここにある機械も。私にはこの首飾りを使う事しか出来ないが。クロック・トムテなら有効に使えるのではないか?」


 クロック・トムテは周りを見渡すと


「これは面白い! 壊れている物もありますが、動かせる物もあるかも知れません」


そう言うクロック・トムテは、とても嬉しそうだ。


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