失われた大陸
僕達はモルガンの国にやって来た。地上と変わらない景色に皆は驚く、エリカとアリーナは
「本当に地上と変わらないのね」
と息ピッタリに言う。二人は顔を合わせて笑う。城に繋がる道を歩く。すれ違う者はいない、身を潜めていると言った感じかな。城の前に立つと、モルガンの門番が僕達を通してくれた。そのまま城に入る。
城の中では、王様と王妃が一段高い場所の椅子に座って僕達を迎えてくれた。
まず挨拶は必要だよね。僕は王様の前まで飛び、
「王様初めまして! 僕は風の妖精シルフィーです」
「私はエリカ、冒険者です」
「私はアリーナ、ドラゴンです」
「僕はミュラー、冒険者です」
「私は喋る事が出来る変わったスライムです」
「私はフレアです」
皆の紹介が終わる。王様はフレアの首飾りを見て、
「それは、チャーリーが持たせた物だね」
「はい! おじ様が持たせてくれました」
笑顔で言うフレアに
「その分だと、それの使い方は聞いていないようだね。意地が悪いな、どれ貸して見なさい」
フレアは首飾りを王様渡す。
首飾りの一部の宝石を指でこする‥‥‥するとホログラムで浮き上がるギルマスの姿!
「ん? もう着いたのか。予想より早かったなあ」
と映像に写るギルマスは言う。皆驚いて声も出ない。
「久しいの、チャーリー。お前も悪いやつだな、ずっと今まで見ておったのだろうて。ここにおるお前の可愛い身内がビックリしておるぞ」
フレアはその映像に歩み寄る。
「‥‥‥おじ様? 本当に?」
その映像に写るギルマスは
「そうだよ。私の可愛いフレア。どうしても私は心配でね、君達をずっと見ていたんだ。すまないね。君達を疑っているのではないんだよ」
ギルマスがここまで過保護だとは思わなかった‥‥‥。
「後は私に任せるがいい。チャーリーまたな」
ギルマスはまだ何か言いたそうだったけど、王様が通信を切った。残念な顔のギルマスが頭に浮かぶ。
王様は僕達に向き直ると
「セイレンから聞いている。お前達はあの失われた大陸に行きたいと言っておったそうだな」
エリカが前に出て言う
「はい! 幻の大陸を見てみたいのです!」
「良い目をしている。お前達の望み、叶えてやろう!」
そう王様が言った瞬間、僕等は海の中にいた! 僕は大丈夫だけど、皆は! 皆も大丈夫みたい。これって王様の魔法かな?
「こっちに来るがいい、ついておいで」
皆で王様の後を追う。海の中は美しい、太陽の光が海にその光を落とす。波に揺られキラキラと反射する光に、皆うっとりする。そんな美しい海の中を深く潜って行くと、突然大きな建物が現れる。よく見るとそこは神殿の跡地だと解る。倒れた何本もある大きな柱を王様はくぐって行く。僕達も同じ様にくぐる。
どうやらこの奥に案内してくれるようだ。これは普通に潜った位じゃ解らないなあ。
トンネルの様な所をくぐったたら、そこには陸があった。皆でその陸に上がる。王様の後に付いて行くと不思議な空間に出た。ここは‼ そこには見た事のない機械や道具が置かれていた。
「この国の住人は違う星から来たと言っていた。この不思議な道具はその者達が使っていた物だ。私には使い方は解らない。これが宝と言える物なのかは不明だがな、どちらにせよ使えなかったらガラクタと一緒だ。他にも変わった宝石のような物もある」
そこで、フレアの首飾りを手にすると、
「これもその時の人間がくれた物でな、チャーリーはよくこれで話しておった。どうやらこの道具を通すと言葉が解るようだ」
ひえ~これって最先端の技術だよなあ。それにあの首飾りには翻訳機能まで付いていたのか。ってそれ携帯じゃん! というかスマホって言った方がいいかも。でもよく風化もせずにここまで保存状態が保たれている。金属が特別なのだろうか? 僕はあちこち見て回った。




