モルガンの国
「モルガン達について少し話しをさせてくれないかな。聞いて欲しいんだ」
「いいわ。家に帰ったら話してくれないかしら。シルキーの入れたお茶を飲みながらゆっくり聞きましょう」
僕達はそのまま家に帰った。
家に帰って来た僕達はテーブルを囲む。
「それで? 私達に伝えたい事は何?」
エリカはシルキーの入れたお茶を美味しそうに飲む。
「モルガンは人間に対して敵意はない。それ所か人間を愛している。伴侶としたいと思う程に、実際モルガンの国の王妃は人間だ。その後、詳しくは知らされていないが、モルガンは突然人間と距離を置きその姿は見る事はなくなった」
スライムさんは
「シルフィーは何か遭ったのではないかと考えているのか?」
僕は頷く。スライムさんも唸る。
「何か遭った‥‥‥それはシルフィーの言う通り、遭ったのだろうと推測ができる。そこまで人間に思い入れがあるのに、突然姿を消すとは。よっぽどの事なのだろう」
僕は皆に言う
「明日セイレンが話してくれる。許しがあればモルガンに会える。だから、この事は言っておきたかったんだ」
「解ったわ。シルフィー、私達はモルガンに失礼のないようにするし、詮索もしない。それでいいかしら?」
「気を使わせるみたいで心苦しいけど、きっと詮索されるのは嫌がると思うから‥‥‥」
エリカはふっと笑って僕の翼を撫でる。
「シルフィーは今までだって妖精達に礼儀を尽くして来たし、人間達にも平等に接してくれた。貴方の優しい気持ちは皆知っているわよ」
そう言ってくれるエリカの頬にすり寄る。
「さあ、今日は少し早いけど寝ましょう。明日は海の中よ! 楽しみだわ」
其々の部屋へ別れて行く。
僕はフレアと一緒に眠る。最近は小さな姿のままでフレアと眠る。
♢♢
翌日セイレンとの約束の場所に行く。グリフォンに乗ってあの大きな岩に着いた。セイレンが海から顔を出す。
「まあ! 以外とメンバーはいるのね」
「セイレン。モルガンには会えるの? 君が来たって事は人間も連れて行っていいんだよね」
僕は飛びながらセイレンに聞く。
「そうね。許可は貰ったわ。チャーリーの名前を出したらすぐ許可を貰えたわよ。それじゃあ、ここからはシルフィーの力が必要ね」
僕は大きなシャボン玉を作る。海藻のぬめりを利用して破れない様にした。そこにエリカ達に入って貰って穴を海藻で塞ぐ。
大きな海藻の下に大きな泡の玉が海藻にくっ付いている感じだ。見た目は悪いがこれで海に入れる。泡の中で不安な顔をしているのはミュラーだけで他の皆は海の中を楽しそうに眺めていた。僕はセイレンと一緒に海へ潜る。ギルマスの名前を出すってビックリだけど、モルガンとギルマスが知り合いって事に驚きだよ。それにギルマスの名前ってチャーリーなんだ‥‥‥。
するとモルガンの国が見えて来た。丸いドーム型の中は地上と変わらない。その中に入った。
「はーあ! ホントだ! 空気がある!」
ミュラーは安心したようだ。他の皆もモルガンの国に入る。セイレンとはここまでだ。
 




