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セイレンとモルガン

 次の日、僕達は岸壁の上に居た。セイレンを探す為に。僕はフレアに聞いた、


「ここからでも、セイレンって見つける事が出来るの?」


 フレアはにっこりと笑顔で僕を見る。

「私の目はとても良いの、遠くまで見えるだけではなく妖精の姿なら何処にいても見つける事が出来る」


 そう言って海の方を見つめる。ここはフレアの力を借りよう。岸壁に打ち上げる波の音だけが聞こえている。そんな中


「見つけた!」

 フレアが言う。その目線を追ってみる。

 遠くで海面を跳ねる何かが見えた。セイレンだ! 僕は直ぐに行こうとした。そこでフレアが僕の翼を引っ張る?


「私も連れて行って、シルフィー」

 その真剣な眼差しに僕は姿を大きく変えてフレアを抱える。そして見つめ合う。エメラルドの瞳が僕を捕らえる。


「皆、ここでちょっと待っていてくれないか? 僕達が先に話を聞いてみるよ」

 

 僕はそう言って空を飛ぶ。


「フレア。スピードを上げるよ、セイレンから離れてしまう」


「私は大丈夫よ。セイレンは泳ぎが早いからシルフィー! 早く追いついて! 行ってしまう」

 僕はスピードを上げて飛ぶ。セイレンに追いつくように。フレアの長い耳が風を切る。


「セイレン!」

 僕は声を掛ける、海を泳ぐ人魚セイレンに。僕の声に気づいてくれた! 海面から頭を出してこちらを見る。


「私を呼んだのは貴方、シルフィード?」


「そうだよ。僕だ」


「シルフィードから声を掛けられるなんて初めてだわ、いつも通り過ぎて行くだけなのに、変わっているのね。それにエルフと一緒だなんて」


「僕達は君に聞きたい事があるんだ。話を聞かせて欲しい」


「いいわよ、何かしら? あそこの岩場で話さない?」


 そう指を指す。‥‥‥結構遠いけど、いいか! セイレンの指定した岩場に着いた。


「それで? 私に聞きたい事って何かしら?」


「まず、マリ・モルガンがいる場所をしているかい?」


「まずって、他にも聞きたい事があるって事ね」


「そうだ。セイレンは海について詳しいからね、知っていると思っている」


「モルガンの事を聞いてどうするの? モルガン達は他の種族と距離を置いている。今は他の妖精達とも会っていないわ」


「‥‥‥そうか」

と溜息を吐く。今度はフレアがセイレンに話しかける。


「セイレンはモルガンに会っているのね?」


「そうね、彼等や彼女達とは長い付き合いになるわ」

そこでフレアが、セイレンに言う


「ねえ、どうして嘘を付くの? 貴方はモルガンと会っていない。他のセイレンが会っているのよね」


 僕もセイレンも驚く、そんな僕達に


「私に嘘は通じないわ。だって私には見えるのだから」

 笑顔のフレア、その瞳は宝石のように輝く、僕達を見つめる。


「‥‥‥はあ、その見透かされるような瞳でみられたら、何も言えなくなるわ。そうよ。他のセイレンがモルガンと会っている、そのセイレンだけがモルガンを知っているわ」


フレアはにっこりと笑う。


「‥‥‥わかったわ。そのセイレンを呼んで来ればいいのよね。ちょっと待っていて」

そう言って海に潜って行く。


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