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謎の大陸

 皆は次の目的が見つかってワクワクしているが、ここに一人不安で一杯の少女がいる。フレアだ。ベッドに座り窓から見える夜空を眺めている。そんな姿を見てしまったら‥‥‥僕は考えてしまう。これで本当に良かったのか? フレア自身が決めた事なのだけど。せめて彼女が後悔しないように僕はフレアの傍に居よう。


「フレア。もう寝ようか? 眠れそう?」


 そう僕が聞くと笑顔で、

「シルフィーと一緒に寝ると気持ちが落ち着くの、不思議だわ」


「僕も同じだよ。フレアと同じ魂を持っているからなのかな?」

 

 フレアは僕を見る。

「同じ魂でも少し違うのよね、それはきっとシルフィーが実体を持っていない事と何か関係があるのかも知れないわね」

 

 そう話す彼女の瞳に吸い込まれそうだ。


「そうかも知れない。実体は持っていないけど、僕は人間とは触れ合えるんだよ」


「その特別って素敵ね、妖精の姿は見る事は出来ても触れる事は出来ないから。人間に恋をして魂を得ないと実体は持てないもの」


「フネットの様にだね。フレア、ありがとう。僕の特別を素敵だって言ってくれて、僕達の存在意味は必ずあるよ。一緒に探そう」


「うん! 一人じゃないから寂しくないわよ。シルフィー心配してくれていたでしょう?」


 僕の顔を覗き込んでにっこりと微笑むフレア。僕は

「そうか。良かった。寂しくなったらいつでも言ってよ。こうやって大きくなって君を包むから」

 

 そう言って小さな身体を抱えるように翼を広げて包む。


「シルフィーと私の出逢いはきっと運命だわ」


 僕の翼の中でフレアは目を閉じてそっと小さく呟く。今はまだ小さいこの子が成長していくのが楽しみだ。


 その日の夜も僕はフレアと一緒に眠った。


♢♢

 

 朝はいつも変わらずやって来る。皆で食事が終わったら昨日話したように分かれて聞き取り調査だ!


 僕はフレアとギルドに向かう。


「おじ様って何でもよく知っているのよ」

 と僕に笑顔で話す。


「長くこの世界にいるからね、色々知っているだろうなあ」


 フレアの肩に乗ってそう話している僕に街の人達が声をかけてくれる。

「今日は妖精同士でお出かけかい?」


 フレアは

「ギルドにいるおじ様に逢いに行ってくるの」

 と答える。


「そうかい。ならこれをギルマスに持って行ってくれないか」

 と焼いたお菓子と花を受け取った。


「これって? ギルマスが頼んだ物?」


「違うよ。お礼だと言えば分かってくれるはずだ」

 そう言って嬉しそうに笑顔だ。まあ次いでだからいいか!



 ギルドに着いて、受付のお姉さんにさっきのお菓子と花を渡す。そして、奥の部屋へギルマスに逢いに行く。お姉さんが一緒に来てくれた。ドアをノックして入る。


「おじ様!」

 とフレアはギルマスの所へ駆け寄る。お姉さんが


「街の方からお礼だと言ってお菓子とお花を頂きました」

 そう言って部屋を出る。僕は


「ねえギルマス。お礼って何?」


「それはね、スライム相談所を作った事でお店まで繁盛してね。その店主からだよ」



 そうなんだ‥‥‥スライムさんの人気って凄いんだ。何処に行っても賑わうんだよなあ。関心していると


「シルフィーとフレアが一緒に私に逢いに来てくれるなんて嬉しいなあ」

 というギルマスの膝の上にはフレアがいつの間にか居た。


「それで? 私に聞きたい事があるのだよね」


 そう言うギルマスの顔を見つめてフレアが聞く、


「おじ様は海に沈んだ不思議な大陸の事は知っているのかしら?」

 僕もギルマスを見る


「それは、海に沈んだ神殿の事かな?」


 やっぱり知っていた! これは聞いておかないと! 後から皆に報告だ!

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