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あるべき場所へ

  結界を再び抜け、エリカ達の所に戻った。


「ギルマスに相談しないと無理だ! 上位精霊が来ている。この地上にいないはずの上位精霊がいる!」

 慌てる僕にミュラーが


「それなら、妖精王に相談した方が良くない?」


 そうだ、オベロンに話した方が何か解決出来るかも知れない。それに王なら知っているかも知れない。誰がそれらを使役しているのか‥‥‥。


「ギルマスには今の事を知らせて来るから、シルフィーは王に会って来て」

 エリカはそう言って走って行った。そして、僕はオベロンに会う。


「シルフィーそんなに慌ててどうしたんだい? ……フェンリルの事かい?」


「……オベロンは知っているんですね」


「そうだねぇーどうも呼んだのは人間みたいだよ。かなり強い魔法を使って呼んでいるようだ。1人じゃないね。だって、フェンリルだよ? あの俺様フェンリルを呼ぶなんて正気じゃないなあ、北欧神話の時代の狼だよ? あのオーディンを食らったって言われている。まあ、今は上位精霊として居てもらっているがね」

 僕の様子を見て、オベロンが言う、


「君は本当に人間が好きなんだね」

 僕はオベロンを見つめる。


「やれやれ、仕方ないなあ。教えよう彼等を帰す方法を……それは……呼んでいる人間を何とかすればいいそうすれば、皆自分のあるべき所に帰るはずだよ。シルフィー」


「ありがとう! オベロン!」

 

 僕は、急いで戻る。

ティターニアもそのシルフィーの後ろ姿を見送る。


「あの子もいつか私達の所から居なくなってしまうのかしら?」


「あの子がそれを望んだら……それまでは私達の愛しい子供だよ」


 僕はそれを知らせる為にエリカ達の所に行く。そこにはギルドマスターが居た。そこでオベロンから聞いた話をする。


「シルフィー、君の協力を感謝しよう。実は、人間の王に不信な動きがあってね、たぶんその王が魔法使いを集めてやらせているのだろう」


 ギルドマスターが僕を見て言う。


「カストルが気に入らない。あそこを落とそう、ってね」

 シャウラの国だ。胸がざわざわする。


「大丈夫。あの城は落とせないよ。風の精霊たちに守られているからね、もしかしたら君かい? シルフィードの力を貸しているのは」

 ギルマスは、僕の顔に近づき言う。


「カストルの国益は、他国より豊かだ。それを面白く思わない他国の人間は多い、シャウラ女王に敵意を抱く者もいて暗殺されそうになった事もあったようだ。だが彼女は強い、それに精霊達に守られている。安心したまえシルフィー、彼女は幸せに暮らしているよ」

 

 その話を聞いてほっとする。僕がほっとしたのを見て、


「だから、後は私に任せてくれ。人間界には詳しいし色々と顔も利く、何とかするよ‥‥‥でも、偉いなあ、君は若いのに色々と良く知っているんだね」


「初めに会ったドライアドが、沢山話してくれたんだ‥‥‥それに仲間達も」


「うん、いい子だ」

 と、頭を撫でられた。


 それから何日か経って、ダイアウルフ達は去って行った。


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