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旅の思い出話

 ギルドを出てフレアも歩く。歩きながら街の様子を楽しそうに見ている。その腕の中にはスライムさんがいる。


「スライムってぷにぷにしていてすべすべで気持ちいいわ」

 と満足そうにしている。スライムさんも満更でもない様子だ。


「もうすぐ私達が今借りている家に着くわ」

 とエリカが言う。


 家の中に入るとフレアはじっと何処かを見つめた後にっこりと微笑むと、


「私もこの家でお世話になります。宜しくお願いします」

 

 そうか、シルキーに挨拶をしているのか。彼女には見えているんだね。ハーフとはいえエルフだからね。


 エリカは驚く。

「見えているのね! 偉いわ。フレア、ちゃんともう挨拶出来るのね」


 テーブルにお茶とクッキーが用意されている。アリーナが

「きゃあー! シルキーのクッキーよ! 嬉しい!」


 そう喜ぶアリーナを不思議そうにみるフレア。エリカは、


「さあ皆でお茶にしましょう。それから自己紹介ね」

 

 其々は椅子に座りお茶を飲む。フレアは遠慮しているようだ。


「フレアの分もシルキーは用意してあるのよ。食べてね」

 

 エリカはそう言ってフレアの前にクッキーを置く。そのクッキーを頬張ると、


「美味しい!」

 

 そう言って笑顔になる。緊張していたのだろう。


「私はエリカよ。冒険者の特級クラスを持っているわ。魔法は苦手で生活魔法位しか使えないの」

 

 僕が言う。


「冒険者の中でエリカは剣姫と呼ばれている位の剣の達人だよ」

 

 ミュラーが


「僕はミュラー、エリカに剣を習っている。テイマーの冒険者だよ」

 

 そこでフレアがミュラーに近づきじっと見つめる。


「貴方は人間ではないのね? どうしてこの()()にいるの?」

 

 フレア‥‥‥君は‥‥‥何処まで見えているんだ。


「そうか、君には僕の本当の姿が見えているんだね」

 ミュラーはにこっと笑うと


「僕はある目的の為にここにいるんだ」


 アリーナは

「私はドラゴンよ。ミュラーにティムされたの」


 スライムさんは

「私の事は知っていると思うが言葉を話す事が出来る変わったモンスターだ。シルフィーの事は紹介するまでもないな、これでざっと紹介は終わった。後は旅をしながらここにいるやつらを知っていけばいい」


「私は‥‥‥」

 

 フレアが何かを言いたそうにしていた。エリカは


「フレア、貴方がハーフエルフだと言う事は知っている。ギルマスの可愛い姪っ子さんである事もね。私は冒険者だけど、ここにいる皆は大切な仲間だと思っているの。だから貴方も私達の仲間よ」


 フレアはその大きな瞳から大きな涙の粒をこぼしながら


「ありがとう‥‥‥ありがとう‥‥‥仲間って言って貰えて嬉しい」

 

 僕は大きくなってフレアを抱きしめる。きっと不安で仕方なかったのだろう。僕の腕の中で声も出さずに肩を震わせながら、


「私、皆の力になれるように頑張るわ」

 

 と涙をぬぐって言う。


「私、おじ様から魔法を教えて貰っていたの。だからきっと役に立てると思うの!」

 

 スライムさんが唸る。


「ムムム、あのギルマスから直接指導を受けたのか、それは期待できるな。この中で魔法を扱える者がいなかったから心強い」


 それから、僕とエリカとの出逢い。その後にミュラーとも出逢って一緒に旅を始めた事、色々な所に行ってスライムさんに逢って仲間になって貰い、次にドラゴンを探す旅でアリーナと出逢った事などを話す。色々な妖精達にも沢山会ってシルフィーから教えて貰ったなどこれまでの話をする。海でのクラ―ケン討伐。勿論アームレスについても話す。アリーナがミュラーにぞっこんになった理由だからね。その日は思い出話で盛り上がり楽しい日になった。


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