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託された思い

 エリカの肩に乗る。

「私はフレアの顔を見てくるから、君達は先にギルドに戻っていてくれ」

 

 そう言って先ほどの木に戻って行く。その後ろ姿を見送りエリカの肩に乗る。


「可愛い子だったわね。ギルマスはあの子に逢う為に、ここに来たのね」

 アリーナは小さく遠のくギルマスの姿を見て言う。


 エリカはさっきの剣の稽古の感触と余韻を楽しんでいるようだ。


「エリカ。良かったね! ギルマスはやっぱり強いよ! 生きる伝説だもんね。まあ二千年以上生きているんだし、伝説っていわれても解る気がするな」


 スライムさんが驚く

「ひぇ~! そんなに長く生きる事が出来るなんて‥‥‥」


「でしょう? ビックリしたよ。その事を知った時は」

 とミュラーもその言葉に同意する。スライムさんは


「そんな事より、そのギルマスに凄い事を頼まれたんだぞ。皆解っているのか? この世にハーフエルフは存在してはいけないんだ。その存在はこの世界を危うくしてしまうと言われているからなあ、私が知っている限りハーフエルフは生まれても育たないと言われている」


「だから、稀な存在って言っていたのか」

 僕は納得する。が、その後スライムさんは言う


「世界を危うくする存在だと解ってしまったら、彼女に対して人間がどういう扱いをするか言わなくても見当はつくだろう?」


 そうだ‥‥‥わかる。人間の恐怖心は彼女にとって凶器になる。それを解ってギルマスは僕等に託したんだ。


「大丈夫よ! このドラゴンの私が守って見せるわ!」

 アリーナが考えている事が頭に浮かぶ、きっと暴れてしまう‥‥‥それでは行けないんだ。今はそっと見守ろう、その日が来るまで。


 ギルドに着いた。受付のお姉さんに奥の部屋で待つように言われて入る。

「お飲み物はハーブティーですがよろしいですか?」


 そこで、お姉さんが言う

「もしかして、エリカ様。ギルマスのお相手をして下さったのですか?」

「どうして解るのですか?」


「あの方は見境なく直ぐ剣を振るうのですよ。強い者には特に、きっとエリカ様とお相手出来て本人は満足でしょうが、その後は殆ど相手をされた方は剣を置いてしまわれるのです、相手の心を折ってしまわれるのですよ。でも、エリカ様は違うのですね」


「剣を置いてしまう気持ちは解かるわ。あんな圧倒的な力の差を見せつけられたら、折れてしまうでしょうね。でも、私は良かったと思っています! あんなに美しい剣は初めて見ました」


 お姉さんはほっとしている。


「良かったら奥にシャワーがございます。お湯も魔道具で出ますので、どうぞお使い下さい」


「ありがとうございます! お言葉に甘えて使わせて貰います」

 そう言ってお姉さんに付いて行く。



「確かエリカの収納魔法の中に着替えはあったわよね?」

 とアリーナがごそごそと探し始める。えっとその中を探せるアリーナって魔力が高いんだね。あっ! ドラゴンだったっけ‥‥‥


「うん! これがいいわ! と揃える。ほほう、やっぱりセンスあるよなあ。それを持ってエリカが向かった方へ行く。


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