森の家
「そうかあ! シルキーがいるんだね! 良かったあ!」
嬉しそうに言うミュラーにアリーナが聞く
「シルキーって妖精?」
「そうなんだ! 家の事は何でもやってくれるんだよ。食事も美味しいんだ」
エリカも
「そうね。ゆっくりできるわ。またシルキーと一緒に過ごせるなんて嬉しいわね。それなら今から買い物に行って食材を用意しないとね。シルフィーは遊びに行ってくるといいわ。森の中にいる妖精達に宜しく」
「うん! 行って来る!」
僕は、部屋を出て他の妖精達の所へ行く。
アリーナがスライムを抱えてミュラーと並んで歩く。その少し前をエリカが歩く、アリーナが
「エリカはどうしていつも先を歩くの?」
不思議そうにミュラーに聞く、
「エリカは先に自分が行って危険はないかを見ているんだ。ずっとそうなんだ、その方が自分が安心するらしい。冒険者を長い事やって来たからその癖? みたいなものかもね」
「そうなんだ」
アリーナは少し考えて、ミュラーの腕を引っ張りエリカの前に出る。
「男性は女性の前を歩かなきゃあ! さあ! エリカは後ろで見ていて、気になったら言ってよね」
エリカは困った顔をするが、アリーナ達の楽しそうな様子を見るのも悪くないとエリカは後ろへ下がる。
沢山の街人が行き交う。店には沢山の商品が置いてある。食堂もいくつか見つけた。
「食堂もいくつかあるんだね。シルフィーが喜びそうだ」
ミュラーも嬉しそうに言う。
沢山の食材を買って帰る。キッチンに置いた後エリカが
「シルキーこれから宜しくね! ここに置いておくわ」
その様子を見たアリーナは
「あれでいいの?」
「そう! 後はお任せで、その方がシルキーも喜ぶみたいなの」
「へえ! そうなんだあ!」
テーブルにお茶が用意されていた。
「まあ! びっくり! 美味しそうなお菓子まであるわよ!」
「では、お茶を頂きましょう」
3人はお茶を飲みながらこれまでの妖精の話などをアリーナに話した。
「ええーーっ! ゴブリンって妖精なの?」
アリーナが驚く。
「そうだよね、僕等もシルフィーから聞くまでモンスターだって思っていたからね」
アリーナの膝の上でスライムも頷く。
「‥‥‥あのね」
とアリーナが突然言う
「時々足音が聞えるの。これって妖精の足音なのかしら?」
それを聞いたミュラーは
「流石はドラゴン! あのね、シルキーは絹のドレスを着ていて歩く時に衣擦れの音が聞こえるらしいよ、シルフィーが教えてくれたんだ」
「ああ! だからサラサラという音が聞こえるのね!」
「それも聞こえるの? アリーナはすごいなあ」
皆が溜息を吐く。アリーナはその事を解っていない、そこは相変わらずだ。
「だって私達は目もいいけど耳も人間より良く聞こえるのよ」
スライムも言う
「ここは、妖精達が安心して過ごせる場所なのだろう。だから、普通の人間にも姿を見せたりするのだろうな、確か番もいると言っていたよな。メリュジーヌの時もそうだが、互いに惹かれるのは男女にとって自然なんだろう」
「それはそうと‥‥‥ギルマスが来るとか言ってなかったか?」
「そうね、言っていたわね。ギルマスのグリフォンは早いから明日にでもここに来るんじゃないかしら」
スライムの言葉に動揺を見せないエリカ。
「おお。エリカ流石と言いたいがその口調からすると何度か会っていたりするのか?」
「2回お会いしてるわ」
「‥‥‥そうか」
ミュラーも
「僕も一緒にいたよ。あの人の強さは規格外だよ」
「ただいまー!」
と機嫌良く僕は部屋に入る。
「どうしたの? 難しい顔をして」
「ほら、ギルマスが来るって言ってただろう? その話を今していたんだ」
ミュラーは嬉しそうに僕に言う。
「そうなんだ。久しぶりだからね! 遊びに行こうと思っていたけど、行けなったからなあ」
スライムは驚く
「おまえ達って‥‥‥」
そんな驚いたスライムさんに
「だってギルマスはエルフだよ。僕の大先輩じゃないか! それに僕の事も気にかけてくれているしね!」
「私のようなスライムでもあの方の事はよく知っているよ。伝説級の存在だからね」




