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ギルドマスター

 翌朝ギルドへ向かう。受付のお姉さんが迎えてくれた。僕を見ると嬉しそうにしている、階段を上がり二階へと案内してくれた。部屋に入るともう、ギルドマスターが来ていた。僕を見ると、


「ほんとにシルフィードだ! 珍しいね。君達は姿は見せないはずのに」


「そう言う貴方もエルフじゃないか。何故人間の冒険者のそれもギルドマスター何かやっているの?」

 と、僕は近くによってみる。


「まあ、そこは話すと長くなるからやめとこう。で、ダイアウルフについてなんだが何処まで知っている? そこのシルフィーから聞いたのだよね」

 

 僕が言う

「仲間達が言うんだ。ダイアウルフがおかしいって。まだ、冬は来ていない。だからどうして来たのか聞こうとしても話しが出来ないって」


 それを聞いてギルマスも

「そうか、まさかとは思うが魔王でも現れたか‥‥‥それに近しい者が後ろにいるのか?」


「ダイアウルフは街には入って来られないよ。僕達の仲間が結界を作っている」


「流石は風の妖精だ。君達の結界は破れないからね」

 それより、とエリカが身を乗り出す。


「マスターこれなのですが」

 と、あの依頼書を見せる。それを見たギルドマスターは


「この依頼はあり得ない。あの森にいるゴブリンは凶悪な者ではない。人間に害するゴブリンはいるがあの森のゴブリンは違う。それにゴブリンも元は妖精の類だよ。ホブゴブリンは家の手伝いをしてくれる人間にも優しいものだったのだが……妖精といっても今では邪悪な、がついてしまっているがね。余りにも人間に害する者が多くなってしまった。実体を持ち魂を持ってしまったがゆえなのか悲しい事だ」


「何故知っているのですか?」


「こう見えて長く生きて来たからね。だから、色々知っているよ」


「貴方は何年生きているの?」

 と僕が聞くとエリカが慌てる、


「シルフィー…」


「君はまだ若い妖精なのだね」


 そう言ってギルマスは僕を見る。そしてそれに僕は答える。

「うん! まだ100年くらい位かな」


「そうか、まだ赤ん坊だな。でもまあ、よくあのオベロンが外の世界に出るのを許したものだ。人間は余り好きではないはずなのに」


「ティターニアが許してくれた。行っておいでって。長い時間の中でそんな事があってもいいって言ってくれた」


「そうか……ティターニアらしいあの方は私達子供に優しい。そして甘い」

 何かはぐらかされた?


「ダイアウルフについてはこちらもまだ調査中なのだよ。シルフィー、君の力も貸してはくれないだろうか?」


「もちろん!」とキラキラ光る。


「ほう、いいね若いって何でも新鮮だ。それに君はなんだね。そんなに姿を現していても力の根源となる元が減らないなんて‥‥‥長く生きてきた私も初めだ。それに君は『魂』を持っている。不思議な存在だね」


「そうなの? オベロンも僕は特別だって言っていたけど……?」


「何にせよ、妖精王の許可はあるんだ君の好きに人間界に居るといい。何か困った事があったら私の所に来てもいいのだよ。先輩として助言はできる」


「ありがとう!」


「この依頼だが……」

 ギルドマスターが言いかけてすぐに、僕は言う。

「あの森にいる盗賊だよ。仲間が言ってたゴブリンの村を襲ったらゴーレムにやられたから、冒険者に頼もうってなったんだって」


「まっそんな事だろう、だから」

 とその依頼書をその場で燃やした。その場に居た者が驚く。


「依頼は沢山来る。そのうちの一枚が無くなった。大した内容じゃないから避けて置いていたら無くなった、でいいよ。これでもうこの話は終わりだ。盗賊はこっちで何とかする」


 僕はずっとギルドマスターはを見ていた。


「なんだね? そんなに私に興味があるのかい?」


「だって二千年は生きてるでしょう? 色々知っているんだろうなあって」

 にっこりとギルドマスターは微笑んで、


「そうだね。知っているよ。君もこれから知って行くといい。人間界も知ると奥が深いし面白いよ」


「うん!」

 僕達の会話に、エリカ達は唖然としていた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 成る程、そんな裏があったんですね。 そりゃシルフィーも怒る訳だ。 しかしこのままでは終わりそうないですね。 なんか盗賊団がいらん事しそう……。
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