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エリカの昇進

 僕はロリアレットが地上に降りたのを確認した後エリカ達に言う。


「この島は僕達で壊すよ。ねえ、ミュラーこの島って壊したら欠片はどうなるの?」


「その大きさによるけど、天界まで戻って行けるものもあるし。地上に落ちていくものもあるだろうね」


「ミュラーはこの島はどの位小さくした方がいいと思う?」


「消滅させていいよ。こんな風に空に残されたままになっていた方が可哀そうだ」


「解った。この海に沈めるよ。粉々にする、その方がいいんだよね? エリカ達は、アラン達の船に戻っていて僕達が帰すから」


 そう言って沢山のシルフィー達はエリカ達を船に降ろす。アランは空を見上げて、


「今から何が起こるんだ?」


「シルフィー達があの島を破壊するんだ。だから、離れて! 海も波が立つかも知れない」


 空からドーーンっという大きな音が聞えた。島が壊れたんだ。その欠片が海に落とされる。大きな波が押し寄せ大きく船は揺れた。アランからしっかり掴まっていろ! と声がかかる! それは直ぐに収まった。 


 空の島は消えた。空に太陽が昇る朝日がキレイだ。僕は考える。


「ミュラー? あの島のような物ってまだあるのかな?」


「そうだね。あるかもね」

 にこっといつものように笑う。


「大変そうだね。天界って‥‥‥」

 そんな僕の心を心配してミュラーは


「普段は穏やかだよ。戦いも神の機嫌次第だから、地上に被害はないから心配しなくてもいいよ」

 

 ミュラーいつかは神を乗せて戦うんだよね。僕が寂しそうにしていたからな? ミュラーが僕を引き寄せる。

「シルフィー、心配しなくてもいいよ。人間達に比べれば戦争は少ない。天界は争いは好まないからね」


 そう言って僕に優しく微笑む。そんなミュラーに


「ペガサスの立場って大変だね」


「その時が来たら先輩ペガサス達が出て行くんだ。僕はまだまだ子供だからね、神は乗せられない。でもエリカみたいに強くならないと神の足をひっぱる事になる。だから僕は強くならないといけないんだ」


 力強く言うミュラーの言葉に不安はあるんだ。双子のペガサスって言っていた。それが何となく心にひっかかるんだ。ミュラー僕は不安だよ‥‥‥


 船員が驚く! 

「見ろよ! 島が、崩れていく‥‥‥」

 大きな塊がサラサラと風に流れていく。僕達シルフィーの力、風化だ。


 アランは元気だ!

「さあ! 帰るか! その前にちょっと漁をしていくか? 一本釣りならいい値段がつくからなあ、やるぞー!」


 と、釣り竿を沢山海に投げ入れる。島が崩れて落ちて来た事で深い海にいる魚が釣れると船乗り達は大喜びだ。その崩れた残骸も魚の住処になっていくのかも知れない。


 エリカは心なしか、すっきりしているようだ。港に戻るとその様子を見ていたのだろう人間達が集まる。アランは魚を売りさばいていた。普段見かけない魚もいるからなかなかの盛況ぶりだった。僕達は船を降りてそのままギルドに寄った。


「エリカ様このたびは大変申し訳ございませんでした」

 受付のお姉さんが深々と頭を下げる。


「そんな事される覚えはないわ。依頼を受けた訳ではなく私個人でやって来た事なのだから」


「ギルドマスターからエリカ様にとお預かりしている物がございます」

 

 受付のテーブルに出された箱を開けるとそれには、特級ランクの上位を示すバッチが入っていた。


 メッセージが流れる‥‥‥「ええーっとこれで合っているかな? (ギルマス! 変な所触らないで下さい! 合ってますよ! そのままでどうぞ)と声が聞える。「エリカ、クラ―ケン討伐ありがとう。君には特級ではもの足りないかも知れないがこれは私からの気持ちだ。それをつけて旅を続けるといい。誰の目にも君だと解るようにね! それからシルフィー! また君に会いたいなあ~今度遊びに来ておくれよ~待っているよお!」プツンとメッセージは終わる。ギルマスの悲しそうな顔が浮かぶ。今度遊びに行くかな!


「エリカ様お付けします」

 そう言って受付のお姉さんが襟に付けてくれた。金のバッチだ。綺麗だ。


「エリカ! 似合うよ!」

 僕は嬉しくてキラキラ光って飛んだ。それをお姉さん達はうっとり見ていた。


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