お祝い
連載を初めて100話になります。あ~書いたなあ…やっとここまできました。
「ミュラーおめでとう! 念願のゴールドだね!」
ミュラーの肩に乗り僕が言う。
「うん! ありがとう!」
エリカも嬉しそうだ。
「これでもう一人前ね。ほんとに、ここまで良く頑張って来たわ。ミュラー今日はお祝いね!」
いつもの食堂に行き、ミュラーのゴールド昇格のお祝いをしたいと話すと港にいる街の人間達が自分達も祝いたいと言ってくれた。まあ‥‥‥それを理由に呑みたいだけなのかも知れないけど。喜んでくれているのは解る。
夜、沢山の料理が用意されテーブルに並ぶ。お酒も用意された。剣の稽古を終わったミュラーが帰って来た。今夜の事は内緒のサプライズだ。帰って来たミュラーに
「ゴールド昇進おめでとう!」
と街の人間達に声をかけられる。エリカから
「街の人達がお祝いしたいって言うの。だから、皆ここに集まってくれたのよ」
「皆ありがとう! 僕嬉しいよ! こんな事初めてだ‥‥‥」
そこにアランがやって来て
「おい! やったな! ギルドの受付の姉ちゃんと同じになったって事だからなあ、スゴイぞ! これからは、報奨金にも上乗せ分が入るからなあ! さあ食ってくれ俺達の気持ちだ。キラーアントに船の積み荷を運んでもらって随分助かっているんだ。これ位じゃあ足りないよ! ミュラーお前は良い奴だよなあ!」
とアランに頭をぐりぐり撫でられて困った顔をする。
「そうよ~ミュラーはカッコイイんだから~」
とアリーナがフラフラとこちらにやって来てミュラーに抱き着く。
「ミュラー大好き! 私のご主人さま~」
「もう! 誰? アリーナにお酒を呑ませたの! 酒癖悪いから飲ませなかったのに‥‥‥」
「だってよお! 私はお酒も強いのよ! って言うから呑ませたんだ。確かにつえーよ! この嬢ちゃん1人で酒樽1~2本は呑んでるよ!」
エリカは頭を抱える。幸せそうにミュラーにしがみ付いているアリーナをミュラーから剥がし肩に担いで部屋に連れて行く。その後はミュラーは楽しく街の人間達と話しをしていた。
僕は海を見ようと港へ行く。そこの波止場でクラブテールに会った。
「やあ! クラブテール! 君も酒盛りかい?」
「そうだよ、魔物のクラ―ケンもこの辺から遠くに行ったから危険はないし、海賊もギルドが何とかしてくれる。これから最高な船旅が出来るよ! シルフィーは酒は呑まないのかい? 妖精の国の蜂蜜酒なら呑むのかな?」
「そうだね。あれは美味しいよね! 人間達には呑ませられないけど‥‥‥」
「そうだ! シルフィー、今度はアランの新しい船に私は乗る事にするよ。そう伝えておくれ」
「解った! きっと喜ぶよ! 君達は船の守り神だからね!」
クラブテールはカブテールと兄弟なのだ。そこで、カブテールの街に行った事などを話す。クラブテールからはこれまでの航海で会った色々な話を聞いて、その後も僕達は楽しく海を眺めながらその夜を過ごした。
【クラブテール】カブテールと兄弟だ、クラブテールは人間の夢を叶えるものには成れなかったが、邪悪なものから人間を守り、嵐や船の難破など不測の出来事から守ってくれる。また活発で逞しく並外れたサーベル使いでもある。
 




