②ファラニスの憂鬱・11
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「……母親に似ているコルシティンに特別な感情があったりするのか……?」
「え?」
ライリーは俺から身体を離すと、対面したまま目を丸くさせた。
「……アベリアを見ると母上を思い出して切なくなることはあるけど、恋愛感情のことを言っているのなら、全くないよ……」
「そうか……じゃぁ、コルシティンとのテレパシーのことだが、神力のこと以外は一切禁止するがいいか?」
ライリーはさらに目を丸くさせた。
「もしかして、アベリアのこと好きなの?」
「は?そんなのどうでもいいだろ。婚約者が他の男と親しくして喜ぶヤツは居ないだろ」
「顔赤いよ」
ライリーはニヤニヤと笑った。
その笑顔に俺は少しホッとしていた。コルシティンのことを何とも思ってないからこそ出来る笑顔に見えたからだ。
ライリーは続けて話した。
「ファウスは他人の心を読む才には長けているのに、自分のことは見えてないところあるよね。僕は長年の付き合いだから言わなくても大体分かるけど、他の人はそうじゃない。特に女の子は、言動に出さないと誤解されて終わっちゃうよ」
多少の苛立ちを覚えながらも、気になるので聞いてみた。
「……俺のどこがダメなんだ?」
「まず、無表情で何考えてるのか分からない。あと、口が悪くてぶっきらぼうに見えるし。それに、僕以外の人には、自分の気持ち、伝えるの下手だよね。言わないと伝わらないことの方が多いんだから、損しちゃうよ?」
陽気に話すライリーの言葉に意外と地味にダメージを受けた。
「お前、今まで俺のことそんな風に思ってたのか。けっこうな悪口だったぞ。だが、教えてくれたことには礼を言う。これからは肝に銘じる」
ライリーは俺の肩をポンッと軽く叩いた。
「アベリアと上手くいくといいね」




