03:冒険者ギルドで素質を見てもらいます
ちょっと寝不足気味で更新遅れてしまいました...
王都バルディアへと入った私たちは、バルドの案内で王都の中央のほうにある大きな建物に行く事になりました。
「ねぇバルド、あの建物は何をするところなの?」
「あそこはね冒険者ギルドって言うんだ、今の君には身分を証明するものがないだろう?だからあそこで身分証を作ってもらうんだ。」
「そんなに簡単に作れるものなの?」
「作るだけなら誰でも作れるよ、犯罪を犯すと取り上げられるから注意しないといけないよ、あと君はこの世界で生きていくにあたって働かないといけない時が来る、それはわかっているよね?」
「もちろん、元の世界でもそのために勉強やらされてたからそこは大丈夫だよ。」
「今から行く冒険者ギルドではね依頼っていう形で仕事の斡旋を行なっているんだ、この世界にいる魔物を倒したりするのが基本的な冒険者なんだけどそれ以外にも雑用なども請け負っているんだ。」
「雑用?」
「本当に色々だよ、ゴミ掃除や薬草の収集、あとは人手の少ないお店の手伝いなんかもあるよ。」
「自分に出来る事から始めればいいって事なんだね。」
「そう、そういう事。」
「ほら、もうすぐ着くよ。」
バルドがそう告げると私の視線の先に剣と杖と盾のマークが入っている看板が見えてきました。
「ここが冒険者ギルドだよ、中へ入ろうか。」
「う、うん。」
私たちは冒険者ギルドの中へと入っていきます。
中へ入ると酒場のような場所とカウンターの二箇所に分かれていました。
「おや、バルド様ではないですか。」
カウンターに座っていた女性がバルドに気付きこちらへと近付いてきました。
「おや、サブマスターの君が自らカウンターに立つなんて珍しいね。」
「今日はたまたま他の子が体調を崩してしまいましてね、仕方なく私が出ることになったんですよ、たまたま私の手が空いていましたので。」
「それで本日のご用件は?」
「今日はね、この娘の身分証が欲しくてね、冒険者登録とこの娘の素質を見させて貰いたいんだ。」
「かしこまりました、でしたらあちらのカウンターまでどうぞ。」
「それじゃユウ、行こうか。」
「う、うん!」
完全に置いてけぼりだったから思わず変な声を出してしまったけどあんまり気にして無かったみたいでよかった。
でもちょっと恥ずかしかった。
カウンターに案内された私たちはギルドのサブマスターのレーナさんに冒険者のルールを教えてもらいました。
簡単に説明すると
基本的に受けた依頼は完遂しなければならない、但し依頼者の依頼内容と実際の内容が明らかに乖離している場合はその限りではない、緊急事態が発生した場合は即座に切り上げギルドへ報告を行うこと。
冒険者のランクは討伐依頼、採取依頼、雑用依頼の3つを全て一定回数行いその結果次第で上昇や下降を決定する。最低ランクはE。
日常生活において著しくギルドの評判を落とす行為を行った者はギルドの所属から抹消し、ギルドカードを剥奪する。
それ以外には特にルールは無いそうです。
冒険者は多くの人の希望にもなる職業なので日常生活から素行の悪い人間は排除していく方針らしいです。
次に私の素質を見るそうです。
「それじゃあこのオーブに触ってもらえるかしら?」
このオーブを触ると魔法に適正がある場合属性に合わせた色に光るそうです。
「はい。」
私はオーブに触れると優しい緑色、新緑と言えばいいのでしょうか、そんな色に光っていました。
「これは珍しいわね、癒しの風の色ね。」
癒しの風の色だそうです。
何が珍しいのか私には分かりませんが、悪いものではなさそうなので一安心でしょうか。
「どういった適性なんですか?」
「それはボクから説明させてもらうよ。」
「バルド様、お願いいたします。」
「癒しの風はね、治療魔法と風魔法の2つの属性を持っている人に現れる色だよ。」
「治療魔法と風魔法?」
「そうだよ、全くいないわけじゃないけど治療魔法は需要も多いから仕事として人の治療をするのもいいかもしれないね。」
「でも私は魔法の使い方なんて分からないですよ?」
「だったら落ち着いたらギルドへ来るといいわ、魔法についての講習も行なっているから貴女にも得るものがあると思うから。」
「ありがとうございます、落ち着いたら伺わせてもらいます。」
私たちがそんな事を話していると突然シロがピッと鳴きながらオーブの上にちょこんと乗っかりました。
「あらあら、可愛い小鳥さんだこと、あなたも同じようにやってみたかったのね?」
とちっちを見ながらシロにそう話しかけます。
すると、オーブの色が突然変化しました。
「「えっ?」」
リーナさんとバルドの2人が驚きのあまり声をあげています。
そのオーブの色は白く染まり、シロブンチョウであるシロと同じような色になっていました。
「せ、聖魔法・・・あの伝説の?」
「さ、流石のボクも初めて見たよ・・・」
どうやら凄いみたいです。
「そんな凄い魔法を使えるなんてよかったね、シロ。」
「ちゅん!」
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