第145話、タケ、理性を失う。
本日一挙五話連投です。
あれ、チョット待てよ。なんかおかしくねぇか?
何度も麗華さんの胸を揉んでるから分かった。胸ってもう少し弾力があるよな。 しかも揉んだ時に、指の跡がしばらく残ってるし。これ、本当に胸なのか。
でもなぁ、せっかく良い所なのに水を差すのも悪い気がする。
うーん。まぁ、楽しければいいか。
そんな感じで、酒池肉林を楽しんでいた訳だが、不意にサラフィナの方を見た時に罪悪感に苛まれた。何だかやり場のないようなそんな面持ちで俯いてる。
サラフィナの方へ行こうと、急に立ち上がった時にそれは起きた。
ある程度、酒が回っていた俺は、立ち上がるのに手すりを要した。で、とっさの勢いで誰かの胸を掴んだ。すると――脂肪の塊であるはずの胸が溶けた。
えっ……。
思わずソレをガン見する。これと同じモノをどこかで見た記憶がある。しかも手にはその物質がべったりとこびり付いている。その正体に気付いた時、俺の意識は正気を取り戻した。そっか。やっぱりエルフはまな板だったんだな。
そう。ここにいる全員の胸は、スライムを何らかの加工を施して作った偽装。
チッ。危うく騙される所だったぜ。
散々、揉みしだき、好き勝手遊んだ後にコレである。
「なぁ、エルフってのはいつもこんな事をしてんのか?」
完全に座った目線で俺は呼びかける。ここにいる三〇人のエルフに。
全員、バレちゃったって顔で苦笑いだ。そこまで悪びれている感じではない。
チョットしたイタズラ程度の感覚なんだろう。良く妖精はイタズラ好きとは聞いてるが、エルフもかよ! 客人を楽しませる目的なのはわかる。でも、これは何か違うだろうよ。
俺の視線がサラフィナに向けられると、サラフィナはばつの悪い面持ちを浮かべた。そうか。そうだったのか。サラフィナも最初から知ってたんだ。
だから、他の女たちが集まってきた時に、故意に席を譲った。なるほどな。
確かに気持ちよかったし、歓待に慣れていない俺はコロッと騙された。
でも、違うだろうよ。スライムまで使ってする事じゃねぇだろ。
昔、キグナスの兄貴が『そんなに迷い人を独占してぇのか』ってサラフィナに問いかけた事があった。今回のはまさにソレだ。
これが宗っちだったら、あっさり転んだろう。だが、俺は違うぜ。
俺には麗華さんがいる。アロマも。ブラッスリーは……うん。一応は嫁さんだけど、今一付き合い方が難しい。今は妹のような扱いだからな。
だから、こんな罠にハマるわけにはいかない。すっかりシラけ切った空気にげんなりして、俺は一人で部屋に戻った。後ろから無言でサラフィナが付いてくる。
俺が部屋に戻ると、部屋に酒が用意されてあった。備え付けのグラスに手酌で注いでそれを一気に煽る。
「ぶはぁぁぁ」
もう一杯。
「ぶはぁぁぁぁ」
チッ。全然酔えねぇ。もう一杯。
「ぶはぁぁ」
何だか視界がぼんやりしてきた。体がふらふら揺れる。
「ダメですよ。タケ様。このお酒は強いんですから。そんな飲み方しちゃ」
「うるへぇ。これが飲まないでいられっか。全く何だって言うんだ」
「ごめんなさい……」
別にサラフィナに謝ってもらう必要はない。これはただの焼け酒だ。
「胸なんて薄くてもいいじゃねぇか。コンプレックスなのは分からんでもないけどさ……ごまかすのはダメだろ」
「……はい」
俺は俯くサラフィナに管を巻く。
「だいたい何でスライムなんだよ。俺はAカップだって嫌いじゃねぇぞ」
「はうっ……」
「全くよぉぉ。希望を持たせるんじゃんじゃねぇよ」
「薄くてもタケ様は良いんですか?」
なぜか頬を染めながらそんな事を言われる。
「はぁ? ブラッスリーを見ろよ。あんなつるペタでも俺の嫁だぜ。不本意な婚儀だったけどさ。今さらだろうよ」
「それじゃ、私でも……」
この時点で俺は考える思考を持ち合わせていなかった。きっと翌日には記憶も消えてるだろう。
「うん、サラフィナは婆に擬態しなければキレイじゃねぇか。サラムンドの街で会った時に、すげー美人だな。婆じゃなければいいな。ってどんだけ思ったか。幼女・・ぐにゃ・・ぐにゃ」
ここで何かが俺を包み込んだ。温かい。麗華さんに抱かれているみたいな。そんな熱を感じる。俺は無意識に空気が吐き出される口元へ吸い付いた。
「あっ……」
ふふっ、アロマに最初にキスした時みたいな反応だな。
キスした状態で、細いくびれを抱き寄せる。俺はそのままベッドへ運んだ。
軽いな。いつから麗華さんはこんなに軽くなったんだか。
夢うつつの世界で、俺は彼女をむさぼった。全身にキスを這わせる。ブラッスリーが来てからはご無沙汰だったからな。もう無茶苦茶やった。艶っぽい声が何度も聞こえる。ふふっ。喜んでもらえて嬉しいぜ。俺のも……。躊躇いがちな行為がまた何ていうか……情欲をかき立てる。
そして合体した。『痛っ』あ゛……ちょっと強引だったか。
「ゴメン。もっと優しく動くから」
俺は酔った思考で行動する。そして、そのまま彼女の中で果てると爆睡した。
翌朝、幾分か酒は残ってるが、宿の女将さんの声で目が覚めた。
「お客様、昨晩はお楽しみでしたね。お風呂は大浴場でなさいますか、それともこちらで入浴されますか?」
眠気眼を擦りながら、大浴場もあるのか。そう思った時に、隣に寝ている裸の美少女に気付いた。
「あ゛っ……」
少女は俺にしがみつくように眠ってた。頬に涙のあとを残して……。
「えっ――――――――マジ」
寝顔だけ見るとめっちゃかわいい。整った顔立ち。細身の体軀。俺は慌てて布団を捲った。するとそこには赤いシミと、それに混ざるように吐き出された俺自身があった。
何があった。思い出せ。昨日、そう昨日だ。昨晩、歓待を受けて、偽の乳だと気付いて……それから。
それからどうしたんだっけ。そうだ、部屋に怒って戻って、酒を飲んだんだ。
そこからの記憶がない。やばい、やばい、でも、俺がエッチしたのは確実。
麗華さんに何て言おう。アロマにも。ブラッスリーは、まぁ何とかなる。で、誰だ。この美少女は……。散々、俺に揉まれ、愛撫されたであろう胸にはキスマークまでくっきり残っている。うん、したのは間違いない。
俺の慌てぶりを無視するように、女将さんはほほ笑む。
「ふふっ。お若いっていいわねッ」
女将さんは、『大浴場は必要なさそうね』そう言い残し去って行った。
まさか、大浴場に何が待ち構えてたというんだ。いや、それよりも、ちげぇぇぇよ。そうじゃねぇ。違うんだ。誰に言うでもなく自問する。
その後、俺は考えるのを止めた。もういい。責任はちゃんと取る。そう決めると、かわいらしい寝息を立てる美少女をしばらく眺めた。
そうしている内に、息子は元気になる。おい、こんな時に、静まれ! 静まれ俺のウインナー。だが、最近ご無沙汰だった甲斐あって、収まる気配はない。
ここで二度目の過ちを犯す。パンツを脱いだままの息子に、美少女の手が触れたのだ。ここで一気に理性は爆発した。一度やったものは二度目も同じ。
美少女の唇に吸い付くと、二ラウンドに突入した。
お読みくださり、ありがとうございます。
何だか信じられないくらいポイントが上がってて嬉しいです。
でも、今日はここまでにしますね。
ちなみにこの回くらいの下ネタは大丈夫でしょうか?18禁にならないか少し不安です。
では、また明日。お楽しみに。




