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WooTober異世界に立つ  作者: 石の森は近所です
異世界激動編
133/208

第127話、タケ、宗っちのスペックに驚愕する。

 俺たちが倒した竜の数を巡って、検証する事になった。なんだかどんどん部屋が狭く感じられるようになったな。学生時代でもこんなに遊びには来なかったぞ。

 俺の部屋には陛下、王子、侯爵、宗っち、なぜか拘束したままのハゲ、麗華さん、サラフィナ、エリフィーナ、の主要なメンバーが集まっていた。

 ちなみにアロマはフリーシア王女の相手でここにはいない。

 魔法の使えない、世情に疎い二人を呼んでも混乱するだけだからな。


「じゃあ、始めようか」


 俺はデジカメからノーパソに移したSDカードの中から、動画のファイルを再生する。樹海の中に作られた舗装の路面とバリケードの壁が映し出された。


「こんなものまで……」


 異世界とは思えない光景に、麗華さんが驚く。


「これだけの物資を転移させるマナ量……恐ろしいですね」


「イシガミ様なら可能かと……」


 ふーん。やっぱり異世界転移に使うマナ量ってのは膨大なのか。サラフィナの強張った表情なんて初めて見たぜ。それにしても、当時の石神を知ってるエリフィーナの評価の高いこと。そんなに勇者が好きなのかよ。


「おぉぉ、これは素晴らしい」


 おっと、そうしてる間に着いたみたいだな。コンクリート製の門にはめ込まれた透明のガラスを見て陛下は感嘆の声をあげる。

 この世界にもガラスはあるにはある。あるが、透明じゃないからな。飴色が混ざり合ったような、不出来なガラスが一般的だ。

 それと比べたらね……透明なガラスを豊富に使用した門は目を見張るだろう。


「さて、ここからだな。奥の方に煙りが立ちのぼってるだろ。あれが竜の暴れてる場所だ。で、ここから見えるのは一、二、三だな。もっと奥に行くと良く分かるんだが……」


 宗っちが果敢にイムニーから飛び降り、魔法の詠唱に入る。重力魔法を使用された竜がこちらに気付いてブレスを放った。


「うっ、………………」「ハッ…………」「す、すごい…………」


 ブレスは一瞬でコンクリートの壁を溶かす。視聴していた者から驚愕の声があがる。これには俺も驚かされたからな。特にイムニーが無事かどうかで。

 このあと、俺がフライで上昇し軍用トラックを拾いまくる。


「僕が押さえてる間にこんな事をしてたのか……」


 なんだよ、まさか本当に宗っちのノーパソだけのために基地へ行ったと思っていたのか。あり得ねぇだろ。収穫が先に決まってるだろうに。だから、その非難するような目は止めろ!


「良いじゃねぇか。そのおかげでハマーだって見つけられたんだからよ」


「まぁ、そうなんだけどね……」


「それで、肝心の竜はどこだ?」


「あぁ、それなら……そろそろかな」


 宗っちが押さえ込んでいる赤竜を、俺の魔法で切り刻んだ場面に入る。


「こ、これは……この魔法はタケがやったのか?」


「そうだけど、それが何か?」


 陛下が真っ二つに切り裂かれた赤竜の姿に戦く。フン、その驚きようだとまだ俺の力を過小評価してるみたいだな。これでもまだ全力じゃないぜ。フフフ……。


 次々と竜を倒していく。


「それで、どこに六体目がいるんだ?」


 視界に入ってる竜は全て倒している。うん、間違いない。俺が宗っちの所に戻ってくる場面まで動画は進んでいた。


「あれ、おかしいな……確かにもう一体……あ、いたっ」


 宗っちに指摘されて画面を良く見る。すると、画面の右側で震えるように丸くなっている赤竜の子供が映ってた。


「………………あっ」


 思わず声をあげてしまう。俺の声に釣られるように、全員の視線が俺に向いた。


「のぉ、タケや」


「はい……。なんでしょう、陛下」


「この小さい竜も倒したのだよな?」


 うわぁぁぁ、完全に目が据わってる。しかも、麗華さんと、エルフの二人以外を覗いた全員の視線が……。


「ゴホン。倒してない。だいたい、こんな尻だけ隠して頭出してる竜なんて倒す価値もないだろ。すっかり怯えきってるじゃねぇか。良く見ろよ」


「うむ、確かに震えているように見えるのぉ。だが、この竜が竜の里へ帰りこの事を報告すればどうなるのか……先ほど話したよな?」


 確かに聞いた。都市が一晩で消滅したんだったな。でもさ、トカゲだぜ。いくら何でも……まぁ、この世界の人族では倒せないかもしれない。だが、俺や宗っち、麗華さん、サラフィナたちがいれば余裕だろ。何を心配する必要が?


「まぁ、しばらく上空監視を続けてなにも起きなければおっけーって事で。最悪、竜が来ても、俺たちで何とかするから大丈夫だって。なぁ、宗っち」


 あぁ、これが脱力するって事か。宗っち、椅子は深く腰掛けるものだぜ。だらしねぇな。うちの嫁さんを見ろよ。麗華さんとかやる気満々じゃねぇか。


「はい! タケさん。私も頑張りますね」


「竜族と敵対したくはありませんが、仕方ないですね」


 サラフィナは人族は嫌いだけど、竜族は違うのか。しかし、あの状況でよくあんな竜を見てたな。ハゲと言い争ってるだけだと思ってたが、あの瞬間に周囲を警戒していたとは……もしかして宗っちは優秀なのか?

 俺との戦いで俺が勝ったのは、詠唱速度の差だからな。実際保有するマナは恐らく互角。これで詠唱短縮を覚えたら、俺の立つ瀬がなさそうだ。


 その後、陛下は全ての教会に対して、上空監視を継続させる通達をだした。


「で、なんで宗っちは家に来てんの?」


「なんでとはご挨拶だな。ネットに接続できないからに決まってるじゃないか」


「ノーパソを渡したんだからもう条件はクリアだろ?」


「なにを言ってるんだい。条件はネットがしたい! だったけど」


 あれ、そうだっけ……百二十一話で確かにそう言ってたな。チッ。


「嫁さんの家からではつながらないのか?」


「うーん、何度も試したんだけどね……ダメだった」


 それで俺の部屋にノーパソを持ち込んで接続できるか試してるって訳か。無駄だろ。目には見えないが、俺のノーパソはLANケーブルで接続している。接続先は実家の光回線だ。それと比べて、宗っちのノーパソはフリーの状態だ。


 とてもこの部屋に持ち込んだだけで、つががるとは思えねぇ。


「うーん、ダメか。ちょっと君のノーパソを借りるよ」


 何やってんだか。無理だって。ケーブルでつながないと……。


「おっ、できた……」


 えっ、今、何したんだ……。魔法を使った様子はねぇ。なのに、宗っちのノーパソがネットに接続できてるぞ。どういう事だ……。


「なぁ、宗っち。今、何やったんだ?」


「えっ、何って……普通に君のノーパソからワイヤレス通信で回線をこちらに飛ばしただけだけど?」


「はぁ? 何それ」


 そんな話は聞いたことがねぇぞ。それが本当だとすると、俺のノーパソが無線ルーターの役目をしてるって事だろ。できるのか……そんなマネが。


「君のノーパソとミラーリングできるように、ソフトは入れさせてもらったよ。よし、これで僕のノーパソでもネットができる。でも、ミラーリングだと問題点が一つあるんだよね」  


 宗っちが一人で解説してるが、俺にはさっぱり分からねぇ。そもそもパソコンにはそこまで詳しくないからな。


「で、問題点ってのは?」


「うん、距離が離れると意味がないって事かな」


「ダメじゃねぇか!」


 全く、いい加減にしてほしいぜ。新婚家庭に入り浸るんじゃねぇ。ほら見ろ、後ろにいる麗華さんも元気がないから。きっと麗華さんも新婚夫婦の営みを期待してる筈だ。宗っちには創造魔法と空間魔法を覚えてもらわねぇとな。


「なぁ、宗っち」


「なんだい?」


「空間魔法と創造魔法くらい覚えようぜ!」


 この部屋はたまり場じゃねぇ。ここはガツンと言ってやる。


「うん? それなら使える筈だよ……君がWooTobeから取得した魔法は全て僕も取得した筈だからね!」


「なんだって……」

お読みくださり、ありがとうございます。

誤字脱字報告もありがとうございます。また、感想もありがとうございます。

ポイントもさっき見たら初の208Pになってるし。うれいし限りです。

このまま続けようか、悩んでしまいます。

ただ続けると、確実にここまでの話の倍はかかる話になります。うーん、一つの作品を大事にするのは勿論ですが。悩みますね。夢は書籍化なので。

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