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異世界で雨男は最強職のようです  作者: ビニール袋
2/2

雨男は職業のようです

魔方陣から出た光のまぶしさに目を閉じていて、再び目を開けるとそこは目の前にある街--おそらく大きさからして都市だろう--を一望できる緑の丘の上にいた。


「えーと、俺は繩井一平、17才、ボッチ、よし覚えてる。んで、早速異世界に飛ばされちゃったわけですが・・」


死ぬ前に持っていたものはなく、あるのは通学服だけだった。


「せめて傘は欲しかったなー、俺雨男だし」


そう呟きながら、一平は飛ばされる直前に話していた神との会話を思い出していた。


「まてよ、これがゲームの世界に似た世界ならステータスとかあるんじゃないか?」


ほかにも確認しなければならないことは沢山あるのだが、趣味がゲームであった一平にはそこがどうしても気になった。


「といってもどう確認すれば・・試しになんかやってみるか、「ステータス」」


・・何も起きなかった。


「むう、流石に無理か、出来たら楽だったんだけどな」


実はアイテムを使わなければ確認することはできないのだが、そうとは知らない一平は一時間ほど試行錯誤を繰り返していた。


「くそー、だめかー。っと、そういえば俺いま何も持ってないんだった。今日のご飯とか寝床とかどうしよ」


そう、現在一平は、完全なる無一文なのである。


「これじゃ街に行っても何もできないしなー。どちらにしよ、ここにいたほうが何もできないんだけど笑」


そういって背伸びをし、この街の門であるであろう場所に向かって歩き始めた。




目的地に着くと、上から見ても大きかった門がより大きく見えた。


「でけー、砦に合わせてこうしたんだろうけどほんっとでかいな」


多分20mくらいあるであろう門を見ながら歩いていると、一人の門番さんに止められた。


「おい、そこの変わった服着てるやつ、ちょっと来い」

「はーい」


そういって俺を呼んだのは、40代後半くらいのマッチョの、予想通りの門番さんだった。


「お前、ここに来るの初めてだろ、ステータスプレートを見せてくれ。」


ステータスプレートだと?なんとなく機能は分かる気がするんだが・・


「え?あ、、あの、、、持ってません」

「なに?じゃあどうやって入ろうと思ったんだ?」

「いやー、まあ、なるようになるかなーって感じで・・」

「なんだそりゃ」

「ははは・・」

「まあいい、持ってないんなら作ってやろう。ほれ、こっち来い」

「はい」


おお!俺のステータスプレートかー。どんななんだろうなー。


「この板に針を使って血を垂らせ。そしたらお前のステータスがブワッと出て来る」

「分かりました」


板はスマホくらいの大きさだった。というかそんなので出るのか。流石異世界ファンタジー。


「なんかでできた」

「お、どれどれー?・・って、ステータス高いな!?勇者か?・・ってなんだこの職業・・?まあいいや、ほらよ」


おっとっと、おじさん俺のプレート投げないでくれよ。

そのプレートにはこう書いてあった。


=====

名前:イッペイ・ナワイ

職業:雨男

レベル:1

体力:100

敏捷:100

筋力:100

魔力:300

物耐:60

魔耐:140

スキル:『雨乞い』『液体操作』『液体生成』『言語理解』『神託』

=====


・・・以上だ。

ちょっとまって、身体能力はまあそのくらいだよねで納得できる。

スキルも百歩譲ってまだOKだよ?。うん。

でもさ、雨男は職業じゃないよね?どう考えても。

一応前例がないか聞いてみると、


「いや、そんな職業は見たことも聞いたこともない」


ですよね~。まあ、どうやら乞えば降る感じなので、出かけるときに毎回雨、ということにはならなそうだ。

そうだ、職業ばっかりに目が行ってたけど‥


「あのー、俺のステータスって高いほうなんですか?」

「あ?・・あ!そうだったそうだった、職業に気を取られて忘れてたよ。うん、お前さんのステータスは十分高いだろうね。なにせ普通の人はレベル一の時は個人差があるが、大体平均30くらいだからな。そのステータスなら冒険者として食っていけると思うぞ」

「おおー!」

「まあ、だからって油断するとすぐポックリだからな。気をつけろよ、命は一つしかないんだから」

「は、はい」


実は僕先ほど一つの命を散らしたばかりなんですよおじさん。


「じゃあ僕無一文なので、街で稼ぐ方法を探そうと思います」

「そうだったのか、ならギルドに行け。お前なら稼げるだろう。そうだ、俺の名前はクロルだ。ギルドで何かあったら名前を使え。多分役に立つと思う」

「分かりました。ありがとうございました!」

「おう、達者でな」

「はい!」


よし、取り敢えずある程度の情報が入ったんで、街とかギルドでもっと情報集めるとするかー!




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