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いつも浮かぶのは君と見た景色  作者: 咲 信司
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メール

夏休みに入り、僕はベッドの上に寝そべって漫画を読んでいた。

特に今日も予定はない。暇をつぶすために宿題をしていたら、夏休み始まって1週間で全てをやり終えてしまった。

映画でも見に行くか、小説でも買ってくるか。

携帯で思いつく単語を打ち込んでは検索で出てきたページを適当に眺めていた。

別にぼーっとすることは嫌いではない。

ただ、最近携帯が気になり始めた。


終業式の後、公園に行くとカオリが待っていた。

二人で何をするでもなく、適当に会話をした。

夏休みの予定の話になった時、カオリはどうせ暇してるだろうと決めつけてきた。

実際は図星で、予定はなかった。

仕方ないと言いながらカオリは僕から携帯を奪い取り、僕の連絡先をカオリの携帯に入れた。


「仕方ないから時々かまってあげる。私が連絡したらすぐに応答しなさいね。」


と完全に上から目線で言われた。

その後1週間が過ぎたがカオリから連絡がない。

連絡先を交換してなければ、僕はこんなに携帯の音に敏感に反応したりはなかったはずだ。

僕から連絡すれば解決することかもしれないが、それでも連絡がこなかった場合の苦しみは体験したくない。

まるで連絡を待ってたというメッセージをカオリに知られるのも恥ずかしい。


一体僕とカオリの関係はどんな関係なのか、わからないでいた。

告白をしてから何も返事と言える言葉は聞いてない。

話をしたり、会ったりするので拒否をされているわけではないだろう。

ただイエスという返事でもなさそうだ。

実は知らない間に付き合っているのか?いや、そんなことは決してない。

そんな考えても意味がないことばかり頭に浮かんでいた。


考えても仕方がないので、何かをして考えることを止めようと思い映画を見に行くことに決めた。

パジャマを脱いで適当な服に着替えた。

そして部屋を出ようとした時に携帯の音が鳴った。

携帯を開くと一言メッセージが書いてあった。


「応答せよ」


カオリからだ。

トランシーバーでも使っているのかのようなメッセージにニヤけてしまった自分が鏡に写っていた。

恥ずかしくなりすぐに鏡から目を離し、携帯の画面を眺めながら、少し待つ。

すぐに返事をしてしまうと待ち遠しかったのがバレてしまう。

3分、5分と時間が経つのがあまりに遅く感じる。

するとまたメールが来た。


「早く応答せよ」


またカオリからだ。

さすがに連絡をしても良いだろうと僕は一言で返す。


「こちらユウ、どうぞ」


僕が送って1分もしない間にメールが返ってきた。


「遅い、ご飯を食べる。付き合え。」


なんでこんなにも命令口調なのかは理解できなかったが返す言葉はすぐに決まった。


「ラジャー。何時にどこに行けばよろしいでしょうか?」


次のメールが返ってきた瞬間、僕は駆け足で家を出る。














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