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寝とられ男の足掻きと挽歌  作者: ピョン太郎
6/24

遭遇

これはさすがに胸にくるものがある

生まれ育った街

俺の人生の全てがここにあった

何故こうなったのか

人ッ子一人いない

丸1日程探し回ったが誰もここにはいないようだ

しかしどうしてしまったのか

廃墟はうらぶれてしまい、あれから何年も経ってしまったかのようだ

他にも妙な点はあった

墓場が掘り返されているのだ

墓場から死人がアンデッドとして甦ったのかとも思ったがアンデッド共が蔓延っているなら障気が漂っているはずである

しかしそんな気配はしない

さっぱりわからない

あれほど賑わっていた街の通りも領主の館もどこにも人の気配が無く瓦礫と街の面影があるだけである

どうすればいいのか

魔王を倒すにしろ何処へゆけばいいのか

ここにいてもどうにもならないと思い、明日の朝一番近くの街まで行く事にする

幸い狩りの経験はあったし、短いながら冒険者としてもやっていた事から自分の分だけの糧を得る事に難は無かった

弓は領主の館にあった物で比較的状態の良い物を拝借した

その他の装備なんかも拝借したが

そして近くの森でラビというウサギとプレーリードックの間のような獣を狩り、食料にしているがただ焼いただけなのでまずい

腹は膨れるが生臭いし、味も肉の味だけで中は生焼けだ

腹下さないか心配だ


次の日の朝、俺は早々に街を出た

魔物が活発に動く夜より見通しも効く昼間の方が安全だからだ

夜は魔物の時間帯であり、魔物は夜目も効く

基本は昼間行動した方が安全だ

俺は近くの街に続く街道を歩いていく

一番近くの街までのあいだに3つ程村がある

順調に行けば今日中に二つ目の村まで行けるだろう

ある程度金目の物も拝借して来たので路銀代わりに使えると思う

そして最初の村にたどり着いた




が、これは街と一緒だ

誰もいない

しかしここは街と違い障気が漂っている

濃い障気のむこうに何かが蠢いているように見える

「アー……ア、アー」

声にならない呻きのようなものが聞こえる

まさか

俺は剣を構える

領主の館にあった一番高そうな剣だ

華美で大仰な装飾が施されたカットラスと言われる剣だ

剣を中段に構え、ジリジリと蠢いている者に近付く

むこうも歩みの早さで近づいてきているようだ

相手の姿が障気越しに徐々にみえてくる

うす緑の肌、垂れ下がった眼球、腐った匂い

ボロボロの服の下からは腐った皮膚が覗いている

アンデッド界のナンバー1メジャーモンスター、ゾンビだ


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