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「…はぁーー…やっぱり、冬休みって良いなー」
…俺はリビングに設置されたコタツに、首まで埋もれながら、まったりと寛いでいた……はーー、やっぱり、冬休み最高ー…
…あの出来事から、1週間が過ぎている…仁と織人に掛けた催眠魔術はしっかりと発動し、織人は渋々とがやっぱり納得していたし、俺が魔術師だと言うこともバレていないようだ……って、アッつ!!コタツの上の所に足近づけ過ぎたー!!
「ふーたー、自分の部屋は片付けた?」
「まーだー」
「今のうち大掃除しとかないと、31日はお雑煮とか年越し蕎麦とかで父さん忙しいんだから」
…んー…今日は28日…大晦日まではまだまだ、だけどなー…仕方ない、…ギリギリでやるよりはいました方が良いかー………魔性のコタツが憎いぜー…
俺は渋々とコタツから出ると、自分の部屋へと行き、窓をあける……うわっ!寒っ!!
「ふーたー、掃除とやら我も手伝うぞ」
「フフルク、晴野の部屋は終わったのかー?」
「後は自分でやるとな、追い出されてしまっての…何か、おなごの写真を見つけてからなのじゃ」
「それはフフルクが悪い」
晴野…見つかったのは仕方がない、…とりあえず、婆ちゃんに見つかる前に安全な所に鍵掛けとけーって言っとくかー
…俺とフフルクは手分けして掃除機や雑巾で綺麗に磨いていく…てか、フフルクの奴、一様魔王なのに掃除なんてしていいのかー?…まー、本人がやる気が有るんだったら別に良いのか…
一時間みっちりと掃除をすると、部屋は見違える程ピカピカと輝いて見える……いや、本当に…ワックスなんて一滴も使ってないのに…
「うむ、掃除も終わった事じゃ!ふーたー、アイスを我は所望する!」
「確か、昨日父さんが買ってきてたぞー、もっちりプヨプヨの餅バニラ」
「了解したーー!!」
フフルクはそう言うと、俺の部屋から出て行く…多分、リビングのコタツで食べるんだろーな……そう、フフルクは現在、…アイスに嵌まっている…いや、アイスに溺愛中だ…
500年前にアイスは無いからなー、コンビニに連れて行った時に買ってやった棒アイスに虜になった…それからは、様々なアイスを買うため、家の手伝いをする…父親は「フフルク様にその様なことは…」と言ってたが…
「働かざる者食うべからずと、この国のことわざにも有るではないか」と言う言葉に父親は負け、ここ数日は毎日アイスを2~3個買ってきている……てか、毎日アイス食ってて太らないって…現代女子が聞いたら、さぞ羨ましがるだろーな…
「…さて、俺は少し宿題でもするかー…」
中学生最後の冬休みも、高校入試の為か様々な課題が出される…3年間の復習問題や入試に必要な応用問題…結構、やることあるなー…とりあえず、復習問題から…俺は早速机に向かって宿題を始めた。
……3時間後、…
「んー…魔術構築としての理論は難しいかー…でも一回、空は飛んでみたいしなー…」
俺は宿題を始めて一時間程した…しかし、宿題や勉強と言うものは、休憩をすると…別の事に走ってしまう…そんな、俺は休みと言う名の魔術構築に…既に2時間使っている事に気づいていない…
…今、俺が行っている魔術構築は"飛行"する新しい魔術だ…この魔術には少し手を焼いている…今までの魔導士達は多くの魔術構築を使い、新しい魔術を完成させたが…"飛行"に関しての魔術構築を誰も目に止めなかったらしい…
…俺は物を浮かべて運ぶ魔術を自分に使って浮かべたが……ただ浮くだけで、自由に空を飛ぶ事は出来なかった…
…まー、一様媒体として、魔術構築しているけどー…ここ数日、中々上手くいかない…あの"融合"って言うのが何だか分かれば話は別なんだけどなー…
「ふーたー、まだ勉強しておるのか…いや、魔術構築しておったのか」
「一様、魔術構築はしたんだ…でも、これじゃあ発動までには、まだまだ遠いんだよなー」
「うむ、魔術構築で生み出した新たな魔術は自分が使えるのとは別に、他の魔術師が使えなければならんからの」
「…確かに、…俺の転移も…ちょっと使いにくくなってるし」
…俺が作り出した転移は、他の魔術師だと…一度行った事がある場所でなければ転移は発動しない…
逆に俺は地図を見て場所を把握すれば、難なく転移が発動した……流石に真冬のアラスカに行ったのは堪えたなー…
「仕方があるまい、魔導士と魔術師では根本的な魔力量は違うしの…それに、我々魔王からの"加護"もある」
「"加護"って…俺初めて聞いたけどー?!」
「当然じゃ、我も言うのを忘れておったからの」
……こいつ、久しぶりの下界にただ忘れてただけなんじゃねーのか?…
「…んで、どんな加護があるんだよー」
「"加護"はそれぞれの魔王によって異なるが、我の加護は"炎に対する全ての攻撃が無効"じゃ」
「は?!つまり、…炎系の魔術が効かなかったり、火事が起きた家に入っても俺は無傷ってことか?」
「うむ、しかも手に触れている物や人までもがそれの対象になるからの。…おそらく、火事が起きた家に入れば瞬く間に炎は消滅するの…あ、でも多少の暑さはあるからの」
それって、俺が居れば火事も起こらない、しかも、俺が火災現場の建物に入れば瞬く間に炎は消滅して鎮火……消防署…いらねーんじゃね?
「…ってか、魔王って何人位居るんだよー?」
「魔王は100人を越えるぞ?」
「…はい、?」
ひゃ、びゃく??…百人?!!
「魔王は色々な世界に行って各自仕事をしておるのじゃ。…まぁ、半分近くは勇者への成長への当てつけなのだがな」
「勇者って…転生とか召喚とか、か?」
「稀にその様な者達も居るが、…その世界で優れた魔力を持った人間が普通なるものじゃ」
「ふーん、…ん?てか、成長への当てつけって…」
「うむ、人が強くなり魔王を倒せば世界はより生存させようと発展するからの。神もそれを望み、我々を派遣しておる」
「うわー、…」
…つまり、今まで色々な世界で行われていた、勇者と魔王の物語って、世界の発展の為って事かよー……何だか、良いんだか…可哀想なのか分からねーな
「それで、加護の話しじゃ…魔王もかなりの数がおるが、我々と契約の印を結べるのは、その魔導士の力にもよるのじゃ」
「ん?つまり、その世代の魔導士…王達の戦闘技術とか、魔術の技量によって違うってかー?」
「いや、簡潔な話し魔力の濃度と量で決まる…先王は確か4人、その前が2人で…その前が…確か4人じゃったかの?」
…俺はその話を聞いて少し安堵のため息をつく……俺はまだまだ、成りたての魔導士であり、…絶対に歴代の魔導士である王達の足元にも及ばないと思っているからだ…
「なるほどなー…ま、俺なんて精々後一人が限度かなー」
俺なんてそんな程度の力しかもってねーよ
「うむ?何を言っておる。ふーたは今までの王の中でも魔力の濃度と量は天才の領域じゃぞ?…これからの修行で、もしかすると…どの王よりも凄くなる可能性が有るのじゃ」
………
「……チート、なのか?」
……俺はフフルクのその言葉に、驚愕の為に出た言葉を乗せながら…自分は本当にあのチートになってしまうのではないかと…頭をフル稼働にして考え始めてしまった…
ーーー…そして、今年最後の日…12月31日、大晦日。…俺は家で相変わらず、宿題…は先ほど殆ど片付き…まだ、あの魔術構築に取り掛かっていた…
「…あーーっ…、出来ないー…」
…そう、俺は完全に手詰まり状態で…ベッドへと横になる……あーー…頭がボンヤリしてきた……ってか、頭が重い…ダルい…痛いなー…風邪でも引いたか……ついてない、冬休み中に風邪なんて…
ピピッ
…あれ、??!
"魔導士:釜崎 冬 脳の稼働低下を観測 これより、魔術への介入〓融合〓を開始します"
この、機会音は…
"〓融合〓を完了 これより、魔術構築を行います"
ピーーーーーーーーーーーーー。
"〓融合〓による 魔術構築を完了 表示"
…そして、再び俺の頭に…転移とは違う魔術構築が浮かび上がる…
" 速度、風力、重力緩和+〓融合 〓mqp@-[Gaia]→???←名を刻め"
…一体、…俺の頭の中で何が起きてるんだよ?!…ってか、融合ってまた出てきたなー……それに、この前は気付かなかったけど…Gaia…って…何かの法則があるのかー?
……分からない…しかし、転移の魔術構築は書けないのに…人に教える時は…何故か説明出来る……いや、それより…今の問題を片付けるのが先決だ。
…しかし、困った名前が…良いのが浮かばない!…適当なのは…なんか、駄目な気がするし………んー名前かー名前、名前名前…そう言えば…うん、この前見たテレビの語学講座で習ったやつを付けようー!……
…俺はそう思うと…とある国の語源で"飛ぶ"と言う意味を成す言葉を放った…発音は適当だが…
「"飛行"」
ーーーー俺の言葉と共に…俺の体は…ベッドから宙を舞う…いや、今度は空中で静止した…
「お、俺…浮いてる?」
…うおー?!…これは!面白ーいー!!…
俺は今すぐにでも、窓から外に出て新しく出来た魔術"飛行"を試したいが…現在は午後6時…既に辺りは暗いが…飛行するには数日後…つまり、正月を過ぎてからにしないと誰かに見られては元もこもない…
「…まー、出来た事には変わりは無いからなー…しかし、融合か…」
…俺はこの謎の記号…〓融合〓に対して考えてみる……そして、何故普段の魔術構築では現れず…あの時現れて、俺の変わりに魔術構築を行ったのか……ってか、あの機会音の正体は一体……俺は、少し…どつぼに嵌まりながら必死に考える……すると、下の階段の下から……
「ふーたー!お餅やけたよー?…あと、ふーたーが好きなテレビが始まるよ!」
父親の言葉に俺は考えていた頭を直ぐに平常モードへと切り替える……そうだ!!俺の大好きなミュージシャンが今年流行ったアニメソングを歌うんだったー!!
俺は先程の事を忘れて…大晦日の夜を…テレビの中継先での除夜の鐘を聞くまで、…全くと言って良いほど動かずに過ごしたのは言うまでもないだろう…。そしてフフルクはアイスを3つもペロリと平らげていた………太らないってやっぱり、反則じゃねーか?
後日、少し文章が変だった為に少しずつ直して行きたいと思います!!!




