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1月7日…今日は始業式だが、俺は学校に居ない…それは、山形にある高校。私立、蘭乃ランノ高校へと面接の為に来ているからだ……


「…はー、足疲れた…」


…俺は現在高校の校舎へと続く山道を歩いている。…実はここも高校の敷地内らしい…しかし、この高校…本当に広いなー…そして、雪が多い…


『主!雪ですよ!』


『我も雪を見たのは久しいの』


「二人ともはしゃぎすぎ…」


俺はネックレスになった二人を連れて来ていた…二人が雪を見たいと駄々をこねたせいだが…



「お、校舎が見えてきたぞー…って…凄いな」


俺の目の前には…木製で出来た古い校舎…どこか大正を思わせる様な造りは…観るものを圧倒させるだろう…


『うむ、古い建物じゃの』


『この建物結構大きいです』


「確かに…大きいなー…でも、あっちの建物はコンクリートで新しいな」


「その通りだ」



…そんな俺の言葉に返してくる人物が現れた…上は紺のブレザー、ズボンは茶色…青色のネクタイを上までピシッと着こなした青年…ここの生徒だろう……まだ、冬休み中なのに学校に居るのかは不思議だけどー…


「あの、誰?」


「僕は生徒会の人間だ、今年で3年で去年は副会長をしていたミヤコだ…一様、理事長から部屋への案内を頼まれている…付いてこい」


都はそう言うと、俺を置いて校舎へと向かうようだ……何か、ちょっと絡みづらいなー…


「あのー…なんで生徒会の人が学校に?」


連れられて入った校舎は…綺麗な修飾や窓ガラス等には古風に色付けがされている…うん、俺古い建物とか好きだなー



「一様、3日後には始業式だからな。生徒会で準備等を行っている…それに、休み明けは生徒会総選挙でな…色々と行事は絶えないんだ」


…なるほどなー…生徒会とは大変なんだなー、俺生徒会とか学級委員とかには縁が無かったし


「…所で、君はあの"独習ドクシュウ"コースを受けるらしいな」


独習ドクシュウ、確か…この高校での魔術師コースは独習コースって…資料に書いてあったなー…


「そうだけど…」


「独習コースは、理事長自ら試験を行う特別なクラスだ…合格枠は12人に対して今年は受験者が300人を超えたんだ」


「3、300人?!」


おいおい、聞いてないんだけど…そんなにこの学科人気なのかよー…でも、魔術師コースだって知らない人間も混じってるし…当然か…


「…そして、今年の1月2日に合格発表で提示された人数は11人…当然、再度入学試験を受けた者は多かったが…今の所誰も受かっていない…そして、君で85人目だ」


…いやいや、知らないって言うレベル超えてるだろう…


「…まー、頑張る、とします」


「そうか…着いたぞ。後は中にいる理事長と面接だ…俺はここで待っている」


「はー…では、」


俺はコンコンっと鳴らすと、部屋の中から「どうぞ」と言う言葉が聞こえ、「失礼します」と部屋の中に入る…そこには、20代前半のスーツ姿の女性が椅子に座っていた…


「…君が釜崎くんね…さて、面接とは言ったけど…ちょっと失礼」


そう女性が言うと…部屋に魔力が漂い…部屋の壁にへばり付く様には形成される…


「これは、…結界ですか…」


「あれ?やっぱり気づいた?私これでも魔力の精密には自信があったのよ…やっぱり、ガイア様の言ってた通り!広人ヒロトくんのお姉さんに紹介して良かったわ!」


「あの、ガイアのことってるの、ですか?」


「あ!敬語は良いわよ!苦手そうだしね!それより、釜崎くん!君、うちの高校に入るよね!ね?!」


…う、うるさい!てか、声でかい!…あー、第一印象は普通の人だったのになー…少し、残念臭が否めない…


「はー…一様、俺修行でこっちに来る予定だから…出来ればこの高校が良いけれど」


「ん?修行?…もしかして!君が魔導士に選ばれた人?!あれ?でも、年齢とかは未発表だったはず」


「俺の親戚や極一部の魔術師一族の長しか知らないんだよ…まだまだ、半人前だからなー」


「あー!なるほどね!…でも、広人くんの家からだと学校まで遠いから通うの大変よ?」


「え?そんなに?」


「だって。広人くんの家、うちの学校の向かい側の山の中よ」


「えー?!遠い!…って事は、広人さんの家から通うのは無理かー…」



…母親の弟、叔父である…広人さんの家は市内の外れだ…しかし、ここに通うのに転移トランステーションを使うのは不味い…学校の人間に見られる可能性だってある……当初考えていた広人さんの家から通うと言う候補が消えた……母さんに頼んでアパートでも借りるしかないか?



「あ!なら、学校の敷地内だけど。ここの別館があるのよ!ここより少し上に在るんだけどね!」


「え?別館?」


「えぇ!私の昔家よ。今は誰も使ってないし、1ヶ月1万円!水道、ガス、電気合わせて3千円!どう?」


…これは、悪くない話だ…安くてもアパートは3万円するし、電気等の光熱費も馬鹿にならない…しかし、これを信用して良いのだろうか?


「…俺に何故そこまで?俺は貴女の家族でも友人でもない…俺に親切にする理由が分からないんだけどー」


「えっ?理由…そうねー…ガイア様が貴方を気に入っているからかな!」


「…やっぱり、ガイアとは…面識があるのか?…てか、…何者なんだ?あんた…」



普通…神であるガイアを知るものは、先王と戦った魔術師、魔王、そして俺達家族位な筈だ…この女性は一体?…俺がそんな事を考えていると…「あ!そっか」っと言って自己紹介をし初める。




「私はリンク=ロール、今は萩原ハギハラ リンと名乗ってるわ!神の言葉を聞く魔術師…"神官シンカン"よ!今年で1254歳になるわ!」


「1、254?!」



可笑しいだろうー!…っと俺が思っていると、…フフルクが俺に話しかける…


『ふーた!我を出すのじゃ!リンクとは知り合いじゃ』


『はー?!じゃあやっぱり?!』


『うむ、リンクが言っている事は本当の事じゃ』


マジかよー…ってか、1254歳って…もう、寿命って概念が無いんじゃ…


「ん?黙ってどうしたの?」




いきなり、黙りこむ俺に話し掛けて来るが…俺は萩原の言葉を無視してフフルクを呼び出す為に言葉を発する…


「"我の配下、フフルク"」


…指輪だったフフルクは炎と共にそこに現れる…すると、フフルクを見た瞬間…萩原凛は顔を真っ赤にして…顔を両手で覆う


「フフ、ルク…」


「久しいの、リンク…500年ぶりかの」


「フフルクこそ…私は…貴女に、詫びなければならない…」


…どう言う事だ?…何か、…萩原さんは…フフルクの顔を見て…まるで、懺悔をするように…フフルクを見ている……俺はその光景を眺め…過去に何か有ったのではないかと…そう、確信した…




「リンク…あれはお主のせいではない…寧ろ、我はあの方法で無ければ…どちらも犠牲になっていたと思っておる…だから、もう悔やむでない。」


「フフルク………先王は…私の為に…死んだも当然なんだよ…私は…貴女に顔向け出来ない…」


…何だって?、先王の死が…萩原さんの為にって…どう言う…


「…先王は自分の命を投げてまで、愛する妻を救ったのじゃから」


「…私は、許して貰えるの?」


「許すも何も無かろう?我等は最初から怒りなどしていないのじゃから」


「魔王の皆には昔から…守られてばかりね」


「それは我等魔王も同じ気持ちじゃよ」



……なんか、二人がいい感じに和解したのだけれど…何だろうなー…凄く、今聞きたい事が山ほど有るんだけれど…



「あのさー…話が一段落したから聞くけど…理事長って、先王の奥さん?、なのか…」


「うむ、リンクは先王の妻…そして、我等魔王やアリリと共に戦った戦友じゃ」


…婆ちゃんや…貴女は、昔どれだけヤンチャだったのですか…


「あ!そっか、広人くんのお母さんはアリリだったか……既に100年は会ってないか…アリリは私の親友でね。…あの事については、アリリも「貴女は強く生きなくてはダメ!」って言われたわ…久しぶりに会いたいな…」



「では、後日会ってみるかの?ふーたは最近魔術構築を行っておっての一瞬で会いに行ける魔術を産み出したからのじゃぞ」



「えっ?!そうなの!それじゃあ!後日、釜崎くん経由で会いに行こうかな!遂に、その魔術も教わりたいし!」


「うむ、ならばそうしよう」


…おい、話を勝手に進めるなー…まー、婆ちゃんの親友ってなると断る訳にもいかないか…


「それにしても、フフルク!貴女は500年たっても変わらないわね!」


「それはこっちの台詞じゃ、…500年前と変わらなさすぎて…最初はリンクの孫かと思ったぞ」


「神官はもう、神であるガイア様の一部みたいなものだから寿命の感覚があまりないの!」



…やっぱり、寿命の感覚が無いのかよ…


「てか、神官って…一体何なんだ?」


「うむ、神官は神の使者として、魔術師や人間に言葉を与え、教え…神官は王の人生の伴侶として考えられておる」


「はー?!じ、人生の伴侶って…」


「まぁ、お嫁さん候補?かな。つまり、釜崎くんの許嫁って事になるわね!」


はー?!つまり、ガイアは俺の親みたいなもんか?!しかも、前時代的な許嫁を差し向けてくる?!…後で、ガイアに聞く…絶対!


「…因みに聞くけど、…神官って結構数は居るのか?」


「神官は神…ガイア様によって決められるから…でも、神官を与えられた魔術師はどんなに歳をとっていても20歳前後に若返るから」


「…つまり、ガイア次第…って事になるのか?」


「うん!全てはガイア様に委ねられてるわね!」


「うむ、そう言えば何故ふーたは神の名前を知っておる?」


…げっ、聞かれると思ってなかったー!


「ガイア様は有名なのよ?神話に登場するくらい、知らないのフフルク!」


「そうなのか?我もまだまだ、勉強不足じゃからの」


……良かったー、どうにか俺が喋る前に勘違いしてくれてー、萩原さんナイス!!


「そー言えば、話は戻すけど…俺、その別館に本当に住んでいいのか?」


「うん!釜崎くんはアリリの孫だし!大丈夫よ!寧ろ、家賃とかも要らないから住んでもらいたいわ!」


「いや、それは流石の婆ちゃんでも断るぞー」


「まぁ!これで釜崎くんの入学試験は終わりよ!…そして、合格おめでとう!」


「よかったの、ふーた」


「…まー、これで高校の心配は無くなったかー」


…色々とめんどくさい理事長が居る高校だけど…



「それじゃあ、後日…メール便で合格通知と迎えの日付指定しとくね!その時に、別館も見てもらいたいから!それじゃあ、これで終わりにするわ!…ようこそ。釜崎くん、蘭乃高校へ」


萩原理事長の最後に変わった口調により、…張られていた結界が弾ける様に解除された…


「では、……都くん。お待たせしてごめんなさい。釜崎くんを校舎の外までお送りして」


俺はフフルクを指輪に戻して、萩原と一緒に部屋の外へと出ると…前副会長である都が廊下で待っていたらしく、萩原に一礼する。


「分かりました、理事長」


「それと、釜崎くんを送ったら校長を呼んでくれるかしら?」


「はい、」


「では、釜崎くん。お婆様によろしく言っといてね」


「はい」


俺はそう言うと、都の後に続いて部屋から後にする…すると、階段の踊り場の所で都が振り返り…


「…どうやら、君が合格者の様だ」


「えっ?でも、結果はまだ」


「分かるさ…理事長はあぁ見えてかなり、気難しい方だ…今までの受験生への態度とはあからさまに違う…僕は君で決定だと自負している」


…都さんって…頭の回転早そうだよなー…


「まー、それは入学式での楽しみって事で」


「…君、変わってる…いや、天の邪鬼か?」




…前言撤回、この人頭は悪くないが無神経だー!!誰が天の邪鬼だー!!!


「…あまり、言われた事はない」



…俺は心の中で叫びながらも、それを言葉に出さずに…とりあえず否定の言葉を出すと、都は「そうか」と言って俺を外まで案内すると…直ぐ様建物の中へ戻っていった…


俺はそれを見届けると、校門を出て山道を下りる途中の林の中で、転移トランステーションを使い自宅の自分の部屋へと飛んだ…

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