表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雨乞い

作者: さきら天悟
掲載日:2016/07/03

「こんな時に車、洗ってるんじゃねッ」

男は痩せた中年男を罵った。


「この水不足にッ」


男は昨日のテレビの情報番組を思い出した。

今、利根川水系のダムの貯水率が半分を切っている。

解説者によると、暖冬で雪解け水が少なかったという。


それにしても、腹が立つ。

テレビの情報番組は節制を呼び掛けていた。

『1分シャワーを止めよう』と言って。

でも・・・

その後のバラエティー番組・・・

タレントの上に巨大水風船を落とす。

落とし穴に落とす。

粉や埃だらけにする。

それが繰り返される。

それを洗い流す大量な水。

視聴者を不快にするのが分からないだろうか。

この水不足の時には、番組を中止すべきだろう・・・

こういうのが不倫と言うべきだ。

犯罪ではないが、倫理がない。



男は天を見つめた。


「こんな時は、コウメイしかない」

最強の雨乞い師。

三国時代の。

お馴染み、諸葛亮孔明、蜀国劉備軍の軍師である。

天才軍事戦略、戦術家で、政治家でもあった。

彼は天候さえも操ったと云われる。

雨を降らしたり、嵐を止めたり・・・



男はもう一度吐き捨てた。

「こんな時に洗車するな。

今日は、風呂はやめて、簡単にシャワーにするか・・・」




次の日、雨が降った。

大雨だった。

男の行いが良かったのか。

いや、そうでもなかった。



「いや~、昨日、怒られなったなあ~

私も、洗いたくなかったけど・・・

私が洗車すると、次の日、絶対に雨だからな・・・」

彼が雨ごい師だった。

彼はテレビを見ていた。


「しょうがない。

今から株を買うか」


次の日、イギリスのEU離脱で連日下がった株が初めて上がった。

彼は最凶の男だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ