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テンプレ3 助けた奴隷は間違いなく美女美少女だ!

 ヤマトはぼんやりしている2人を放っぽって追い剥ぎを始めた。

 商人も盗賊も金になりそうな装備をひん剥いて馬車に詰め込む。

 あとは水の魔法で脱水しカラカラにミイラにし、あまり上手に使えない火魔法で燃やす。もちろん風魔法でこちらに煙を寄せないし、煽るのも忘れない。乾いた死体はよく燃えた。


 ひと通り証拠隠滅を終えると今度は馬車を探る。商人がなにを持っていたのか確認するのと檻の鍵を見つけるためだ。

 ただ、物はそれほど多くなかった。野営に必要なものや商売道具しかない。ケチだったのか貧乏だったのか判断に困る。

 お陰で鍵束はあっさり見つかったが。


「大丈夫か?」


 声をかけて錠を開ける。美女と美少女が並んでいた。


 美女の方はハーフエルフっぽい雰囲気の微乳美人だ。毛艶がなくなってしまっているがクリアゴールドの細い髪を背中に伸ばしているのが印象的だ。美少女をかばうように立っている。


 その美少女の方は茶髪の犬耳と犬しっぽが特徴的だった。今もパタパタと揺れているが雰囲気が狼っぽいのでたぶん警戒されている。


「奴隷で間違いないよな?」


 証明書があったのでただの確認だ。もちろん、あらゆる言語の読み書き会話ができるチートももらっている。今話した言葉はそれに書いてあったものだ。


「ええ、そうよ」


 微乳美女が答える。


「オレはヤマト。成人の儀のために諸国を回っている。故郷じゃ奴隷は廃れた制度でね、ルールが良くわからないんだが」


 言葉を区切って、すっと指差す。


「その首輪は外してしまっていいのかね?」


「これはきちんとした手順を踏まないと外れないの。無理に壊せば死んでしまう」


「それができる奴は?」


「死んだわ」


「他には?」


「街の奴隷商ならできるでしょうけど……」


「ここから一番近い街に奴隷商はあるか?」


「わたしたちはそこから運ばれてきたから」


「じゃあとりあえず向かうか。どうする? そこにいたいならそこでもいいが」


「お断りよ」


 2人は連れ立って檻から降りた。


「街道沿いで問題ないか?」


 チートのお陰で御者もできる。隣に美女と美少女を侍らせてヤマトは馬車を進めた。


「――ありがと」


 不意に美少女が言った。


「どういたしまして」


「わたしからもお礼を言います」


「じゃあ名前を教えてほしいな」


「フラン!!」


 犬耳――いや狼耳の少女が答えた。


「ディード」


 ハーフっぽい美女は名前もそれっぽい。


「2人は知り合いなの?」


「奴隷になってからのね」


「やっぱ人間じゃないから?」


「そう。ひとまとめにされていたの。人間でない奴隷はあまり売れないから」


「差別があんのか?」


「ええ」


 それが世界全体のことなのか一地域のことかはわからないな、とヤマトは考える。チート能力はもらったがチート知識はもらっていない。


「このへんの金を持ってないんだが、キミらを買ったとしていくらかかる?」


「合わせて金貨だと10枚くらいかしら?」


「同じ条件で人間だと?」


「1人100は下らないと思う」


 単純に10分の1以下。これはヒドイ。


 いや、ラッキーかもな。


 なんて考えながらヤマトはのんびり馬車を走らせる。

諸君、わたしはちっぱいが好きだ(ry

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