テンプレ17 ギルドの上の方の人たちは人外。ついでになぜか簡単に本人が対応する。
「よく来たな! ワシが本部長のレインじゃ!!」
あ、ロリババアだ。とヤマトは直感した。フランについで2人目だ。素晴らしい!!
案内されたのは執務室なのか応接室なのかよくわからない贅を凝らした感じのオサレルームである。
「ヤマトです。こちらがディードで、こっちはフラン」
「うむ。パーティーを組んでいるんじゃな」
「将来的には所帯を持つつもりですが」
「結構結構! オーガを単独討伐ともなればそれくらいは許される。……が、相手に人間がおらんのは問題になるかもしれんのう」
「問題になりそうなら適当に国でも作りますよ」
「存外、好戦的なんじゃな。ふむ……」
「他のAランク冒険者がどうなのか知らないですけど、どうせ搦め手で取り込んでるんでしょ? 貴族の仕来りとか知らないのにそれを押し付けるなり、放置するならそれはそれで蔑んだり。で、そのあたりの対応具合を測るために若干権利関係が怪しい依頼を任せて様子を見る、と」
「……まるで見て来たように言うの」
「見ていた……と言ったら脅威度が上がります?」
「下がりはせんじゃろ」
「ですよね~」
「とはいえよく頭も回る。ワシとしてはこのままAに上げても良いが」
「表向きの理由はほしい、と。自分の子飼いだと喧伝するようなものですし?」
「ワシとしてはそれでもよいがの。この国がええ顔はせんじゃろ。おヌシも」
「別にかまわないですよ? やっかみが増えそうだなとは思いますが」
「ではワシの懐刀として働いてもらおうかの」
お、ちょっとテンプレから外れたぞ……。この後の仕事が面倒なのは変わらないだろうけど。
「で、さっそく仕事なんじゃが」
「え、マジで言うてるんですか」
「マジじゃ。とある貴族を護衛してほしい」
「しかもいきなり冒険カンケーないじゃない!!」
「なに、子爵じゃし、身分にはうるさくない相手じゃ。気軽にやってくれい」
まあ、いきなり身分がどうのってやると読者もノれないし、作者もミスりやすい。こういうのは段々そうさせていくというのがテンプレだしセオリーである。
「どうせ王家の血が混じってるとかなんとかでしょ?」
「……本当によう知っとるの」
簡単にバラすなよ。
「表沙汰にはなっとらんが継承争いが起きそうでの。要するにボンクラじゃが血統だけは優秀な王子と賢いが血に難アリの宰相が争っておるんじゃ」
「で、その宰相が祭り上げようとしてるのが子爵家の子」
「さよう。もっとも当人たちにその気はなくての」
「後ろが勝手をしそう、と」
「そういうことじゃ」
「王子派と過激派が主な敵ということでいいです?」
「単純にはそうじゃな」
「貴族ってほんとめんどうくさいね……」
ちょっと早まったかな、とヤマトはうんざりした。
ランキングでログホラの上にいると気分がイイですね(ゲス顔




