表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

キミ達の元気を僕らに分けて!

掲載日:2026/04/03

少年の兄弟である、小さな弟さんは、どうやら教育番組にハマっているらしいです!(≧∇≦)

 弟は最近、テレビをよく見ている。


「にぃに、これね、おもしろい」

僕の方を見てニコニコと笑う弟はとても可愛い。


テレビ画面には、2匹の着ぐるみが映っていた。


「おはよ〜みんな!」

などと、声をかけると弟は一緒に挨拶をして手を挙げる。


絵本ばかり読んでいた弟が夢中になるのは予想外だったけれど、他に夢中になれる物が出来たなら僕は嬉しい。


弟はこの番組の歌が好きらしく、流れてくるとちっちゃな手足をパタパタさせて喜ぶ。


そんな姿を思う存分に堪能した後僕は顔を洗いに洗面所へと向かった。


顔を拭きながら戻ると、リビングに弟の姿がない。

番組はニュースをやっていたので、おそらく弟の好きな番組は終わったのだろう。


(どこに行ったんだろう…?)

探してみると、弟は別室にいた。


ぬいぐるみをブロックの上に置き、落ちたのを拾って、また上に置き…


それを繰り返している。


(バランスとるのが難しいのかな…?)


懸命に遊ぶ弟の邪魔をしないように僕は自分の部屋へ行った。


 次の日の朝、弟はまたテレビを観ていた。

「にぃに!おはよ〜」

満面の笑みで挨拶をする弟は今日も可愛い。


頭を撫でて挨拶を返す。


朝ご飯にパンがあったはずだと僕は台所へ向かった。


テレビから音楽が流れている。


「テレビの前のみんな〜キミたちの元気を僕らに分けて〜!」


着ぐるみが話している声は初めて聞いた。


きっと、弟は今も手を挙げて夢中になっているんだろう。


僕が台所から出てくると、弟はリビングにいなかった。


「またどっかで遊んでいるのか。」


僕は昨日いた部屋に、そっと近づいていった。


カッタンッ…カッタンッ…


部屋の中から音が聞こえる。


部屋を覗いた時、僕は思わず息を飲んだ。


まな板にぬいぐるみを置いて、おもちゃの包丁を使って調理しているような様子だった。


カッタンッ…カッタンッ…


オモチャの包丁とまな板が擦れる音が、静かな部屋の中に淡々と響いている。


弟の持つ包丁の刃が、ギリッ…とぬいぐるみの首に食い込んだ。


「な、何してんの?」

思わず声をかけると、弟はこっちを見てニッコリ笑った。


「あそんでるの!」


いつもの可愛い笑顔が、なぜか 気味悪く見えた。


 その日は丸一日、弟には近づかなかった。

両親から「いつもは弟の世話焼いてばっかりなのに」と言われたが、朝の弟を見てから一緒に遊ぶ気にはなれなかった。


 そして、朝。

いつも通り目覚ましをかけたはずなのに寝坊してしまった。


三連休で良かったと思いながら廊下に出ると、弟が階段にいた。


落ちてしまったら大変だと思ったが、階段の柵の間から腕を入れて何かを持っている。


ぬいぐるみだった。



パッと手を離し、ぬいぐるみは階段を転がり落ちていった。


弟はニコニコ笑いながら、下に落ちたぬいぐるみを拾うと部屋へ入って行った。


何をしているんだろう。


見ないほうがいい気もするが、好奇心に勝てなかった僕は部屋を覗いた。


絨毯の下に、ぬいぐるみを隠しているように見える。


(アレって…まるで、死体を…)

ゾワッとした僕は鳥肌をさすりながらリビングへ向かった。


テレビから、着ぐるみの声がした。


「テレビの前のみんな〜キミたちの元気を僕らに分けて〜!」


あの着ぐるみだ。


弟がおかしな事をしだしたのは、この番組を見始めてからだ。


一体、これは何を…


着ぐるみは嬉しそうに言った。


「さぁ、今日も元気をありがとう!明日はもーっと楽しい事して遊ぼうね!」


着ぐるみの後ろには、赤く染まった包丁が見えたような気がした。


もしかして、この着ぐるみが言っている「元気」は


子供達の純粋な好奇心の事で。


それを使って何を…


そもそも、こんな番組をやっているなら苦情が絶対に来ているはずなんだ。


番組表を見てみる。


今の時間帯はニュースをやっているはずたった。


その時気づく。両親からも、僕と同じように下に兄弟がいる友達からも、この番組の話を聞いたことが無い。


話題に出たことすらないのだ。あまりにも不自然すぎる。


なら、この番組は…?


着ぐるみの顔が歪む。


ザザッザザッと砂嵐が混ざった。


「バレちゃった…」


ブツンッ


テレビ画面が真っ黒になった。


ふと、後ろに気配を感じて振り返る。


目の焦点が合っていない弟が、オモチャの包丁を持って立っていた。

最後まで読んでくださりありがとうございます!

楽しい子供向け番組だからこそ、「怖い」が強く出せる作品になれたかな…と感じております!

是非、他の作品も読んでくださると嬉しいですm(_ _)m


【お知らせ】

活動報告でもお知らせしたのですが、僕の作品「春休みの終わりに」の累計ページビューが…!40を突破しました!

Σ(゜∀゜ノ)ノキャー

何度も読んでくださった方も、面白いな〜と一度目に入れてくださった方も、ありがとうございます!m(_ _)m

感謝と喜びでいっぱいです!

これからも僕の作品を楽しんで読んでいただけると、幸いです!

改めまして、本ッ当にありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
可愛らしい子ども向け番組の雰囲気と、弟の行動が少しずつおかしくなっていく不気味さの対比がとても印象的でした!最初は微笑ましい日常なのに、違和感がじわじわ積み重なっていって最後には一気にぞっとさせられま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ