制服と拷問
「……じゃさ、奏からキスしてよ」
ダメ元。どうせ断られるだろって思ってたのに、
奏の顔が、ほんとに困ったみたいに曇って……
ん?……え?そんな困る?
うわ……なんか、めっちゃ悩んでるっぽい……
……かっっっわいいな、おい。
「えっと……もっと他のでも……」
「だーめ」
秒で却下。即答。絶対譲らん。
本気で嫌なら逃げればいいのに、真面目に悩んでくれてるってだけでもう勝ちでしょ。
すでにオレの勝利。奏、詰んでる。完全に詰んでる。
「あの……せめて、目をつぶって欲しいかも」
「ん」
言われるがまま、目を閉じた。
……ちょっと待って、想像の100倍は恥ずい。
どこにいる?どこ見てる?どの角度で来るつもり?
気配だけでドキドキが加速してんだけど!?
……からの、
そっと頬にふれられ、ふわっと、ほんとにそっと、軽くかすめるキス。
目を開けたら、奏が顔真っ赤。超真っ赤。
やばい。かわいい。いや、かわいいとか通り越して尊い。
「お前さぁ!!」
「わっ!?」
思わず腰に手を回して、ぐいっと引き寄せた。
え、近。てか、近すぎて思考が止まる。
ほっぺじゃないの、ほっぺはもう済んだ。今オレ、胸当たってる。
あ、柔らかい……って、え?あたってる!?
いやでもわかってる!そんなに大きくないって!でもそれがいいって思ってるんだってば!
あ〜〜〜〜もう神様ありがとう!!!
「ははははっ」
「むーっ、頑張ったのに……笑うなんて!」
「わりぃわりぃ……」
そう言いつつ、笑って抱きしめたままキスを重ねる。
髪を撫でて、肌に触れて、奏の声に塞がれて、少しずつ深くなってくその感覚……
奏の肌に触れた指先が、あったかくて柔らかくて、わかってる、ちゃんと。
今、奏がオレのこと“好きでいてくれてる”の。
だからって理性が勝てるわけじゃねぇんだよ!!!
奏の吐息が甘くて、柔らかくて、もうちょっと……って欲が抑えきれない。
「……もうちょっとだけ、頑張ってもらっていい?」
「え……?」
返事を待つ前に、もう手は動いてた。
ボタンを二つ開けて、制服の中を覗く。
ああ〜〜〜〜〜〜〜なんで制服ってこんなに破壊力あるの!?
何回見ても罪悪感と背徳感がごっちゃになって、もう好きが止まらん!
「セナ……君……っ」
うわぁ……なんつー声出すの……
あの……制御できてない声出すの、ほんとずるいと思う。
マジで、理性が消し飛ぶ5秒前。
シャツをまくり、素肌に触れたとたん、ピクッと動いたその反応すら逃したくなくて、自然と腰に回してた手に力が入った。
胸元にキスを落として、背中を撫でながら、肩に回された奏の手の指先がギュッと力入るのがわかる。
ブラのホックを外せば、ふわっと胸元が軽くなるのを感じる。
願うのはただひとつ……「まだ止めないでくれ」
そっと、手を這わせると……
「…… !セナ君!?」
バッと奏の手が服の上からオレの手を押さえる……
やば……調子乗り過ぎたか……
でも……柔らかっ……いやマジで、過去とは段違いすぎて笑う……
っていうか、え?なんでこんな自然なの?どこにも不自然な張りがない……
あ、そりゃそうか。奏だもんな。100%天然だこれ絶対。
「ごめ……あの……手どけてくれないと、オレもどけれないから」
「……あ、そ……そうだよね」
ああああ!もう可愛い!怒ってないの!?セーフなの!?この状況で!!???
ゆっくり手を離す。
名残惜しさが溢れ出す。
その瞬間……
ちょっとだけ……敏感なとこ、触れた……気がする……
「んん……っ」
今までとまったく違う、甘くて震えるような声が奏から漏れる。
奏自身もびっくりしたのか、すぐに口を押えて……
「え……私……の声……?」
「……おまえ……なぁ……」
一度は離した手が、気づけば戻ってしまってた。
気づいたら、太もも撫でてる。やばい。理性、どっか行って帰ってこない。
「……っん……♡」
口を押えて我慢する姿、表情、指先の震え……全部がオレを狂わせる。
もう、なにもかもがオレの理性を崩壊させる。
腰に添えてた手も、いつの間にか奏の太ももをなぞってた。
やばい。マジで理性どっか行った。
膝立ちでいた奏は、いつの間にかオレの足の上に跨るような体勢で、両腕をオレに回して、しがみつくのがやっとって感じ。
声を我慢することももう諦めてて、どこを触れても反応が返ってくるのが……嬉しすぎて……こっちが壊れそう。
キスを繰り返しながら、蕩けるみたいな表情で、奏がぽつりと呟く。
「ん……っ……セナ……君……もう……ダメ」
えっ……限界……?そっか……えっ、いやオレもなんだけど!!??
「……わり……頑張らせすぎたな……」
小さくコクリと頷く姿に、少なくとも嫌われてはいないことに安心する……
てか、誰かオレを褒めてくんない???
この体勢、地味にキツいし、胸元はだけてるし、スカートまくれてるし、全部オレがやったやつだし!!!
「?奏……?」
「……ッスー」
……え?????
おい。寝てる?????
今寝た??この状況で???
おまっ……毎回早くない!?
そのまま、奏を抱いたままソファに倒れ込む。
「マジ拷問」
気をそらそうと、テーブルの引き出しからメガネをかけてTVをつける。
でも、すぐ視線が下に落ちる。
上気した頬、汗ばんだ肌、はだけた服……
こんな状態で安心しきってオレに体預けてくるとか、何?天使??地獄??
……無理。全然収まんねぇ。
それでも奏の体温や重みが心地よくて、幸せで……
時計を見ると、もう0時をまわっていた。
え、オレ2時間も夢中になってた??
奏は何かプレゼント用意してるって言ってたけど、お前とこうしていられることが十分すぎて……
これだけでオレは満たされてしまう。




