7 現状把握とオタクによる考察
お読みくださりありがとうございます!
今回の話には乙女ゲームの登場人物が出てきます、以下第一話に出てきた7人の攻略対象紹介のコピペとなります。
困ったらこちらをご覧ください!
1、アレス=ディーファルニア
学園の生徒会長であり舞台となる国、ディーファルニア王国の王太子。
ストーリー開始時2年。
一応彼と結ばれるのが一番主流なハッピーエンドである。
2、カイザック=レジアン
アレスの護衛騎士。4大公爵騎士の家系レジアン家の3男。
ストーリー開始時2年。
3、ユーラス=ルーブランシェ
悪役令嬢の兄。4大公爵魔法の家系ルーブランシェ家の長男。
ストーリー開始時3年。
4、エルリック=ロンバート
4大公爵政治の家系ロンバート家の次男。
ストーリー開始時1年。
5、コリウス=マーティス
4大公爵裏社会の家系マーティス家の長男。
マーティス家自体存在を隠しており知るものが少ないため唯一学校に生徒として出てこないキャラ。
6、ルーカス=セルディ
伯爵家の長男。
ヒロインのクラスメイト。
ストーリー開始時1年。
7、ライジャ=サルメジオン
サルメジオン帝国の第3王子。
隣国から留学生としてやってくる。
ストーリー2年目にてヒロインのクラスメイトとして登場。
「ふーん、なるほどね」
「納得できちゃうあなたの神経がまことに怖い。」
流石に感覚が狂いすぎた柚子はひとまずあやめを井沢に任せ、あかりと共にカフェにやってきた。正常な感覚を取り戻すことを第1とした友人との会話だったのだがどうやら人選を完璧にミスったようである。
「ってことは私も夏休み明けからアイリス嬢……じゃなくてあやめちゃん会えるってこと?」
「うん。」
「よっし!課題全部終わらそっ!」
「……まだやってないの?あと半分だよ、休み……」
「えっと……うん……まだ課題何あるかすら知らなくて……」
「早くやりなさい」
「私は世間一般的な常識に縛られない女なのだよ!」
さすがは柚子の状況を一瞬で飲み込んだ女。説得力が全然違う。
このカフェのおすすめである紫色のクリームソーダを飲みながら話を進める。バタフライピーか何かが入っているのだろうがなんとなく紫色を見ると謎に魔法陣が連想されるのは異世界ものを好むものなら誰でもそうだと柚子は思っている。
「まぁ……どうにかなるっしょ!それで?アイリス嬢がこっちにきちゃった理由とか原因とか解明できそうなの?」
「それが手がかりが全くないんだよね……」
そう、柚子も柚子なりに色々調べたり話を聞いたりしたのだ。どうやらアイリスがこっちの世界に来てしまったのはゲームが始まってから2年目の春のようだった。サルメジオン帝国からライジャが来ていたとのことなのでそれは間違いない。
ちなみにゲーム内で各自設定できたヒロインの名前であるがあちらの世界では「リジー=コルネット」と呼ばれているらしい。アイリスは彼女のことを「悪くはないけれどもどこか好きになれない少女、やり方が気に食わない」と言っていた。ゲーム内でもアイリスがヒロインに向けて「相性が合わない」と言うシーンなどは見られるため、ヒロインの性格はあまり違わないと見て良さそうだった。
「私ももう一度最初からプレイしてみたけど、別にアイリスがこっちに来たことで変わったこととかはなかったよ。正常にゲームもプレイできるし、例の如くアイリスは途中でいつのまにかゲームの舞台から降りてた。」
「ふーん……まあゲームの中の出来事とはいえよくあるゲーム機から抜け出してきたとかじゃなさそうだね。あくまでゲームの舞台になった世界が存在してるって思った方が良さそう……それで?ヒロインリジーちゃんは誰のルートなの?」
「それがアイリスに聞いたんだけど『コルネット伯爵令嬢?何がしたいのかよくわかりませんでしたわね。私の婚約者に近づいたかと思うと急に転んだり、お兄様に魔法を教えてくださるようせがんだり何かと私周りの殿方と因縁はありそうでしたわ。ただあったとしても一瞬で殿方といつも2人でいるといったことはありませんでしたわよ』だって。」
「あちゃー、その調子だと特定の1人の好感度上げはできてないね。しちけんはハーレムエンドないんだけどな……よくいるよくいる。1人に決められず1年目は悩むやつね。まぁそういうプレイヤーに限って2年目登場のライジャ様や強くなったルーカス、コリウスに惹かれるんだよね……」
そうなのだ。実は1年目はあくまでスターテス上げ、攻略対象決めの猶予がありある程度スチルやボイスを満喫できるようになっている。最近のアプデではガチで乙女ゲーをやりたい人用に2週目以降の1年目スキップ機能が追加された。2年目からは留学生のライジャ、1年目ではヒロインのサポートに徹していたものの2年目では剣技の腕を上げ攻略対象として表立って出てくるルーカス、裏社会で生きていたが潜入調査のため一時的に魔法学の先生助手として姿を現すコリウスなど選択肢が広がり、本格的に攻略に入るのが2年目からでも遅くないように設定されている。
ちなみにあかりの推しはライジャである。
「2年目から本格的になるっていうのはいいんだけどやっぱりアイリス推しの私としては2年目の途中で姿を消さないでほしかったな……最後まで邪魔してほしかった。」
「ま、全員幸せモットーのしちけんじゃしかたないって!アイリスはヒロインのレベル上げのため感はあったしそう考えると1年目本業なのも頷けるよね。」
「はぁー、推しの登場期間が短い……」
「いいじゃん、こっから長い付き合いになるんでしょ?」
「……現実と2次元は違うんだよ、あかり君。全てが現実になればいいってもんじゃない」
「疲労が滲み出てる。心中お察しします。お疲れ様」
どこまでも遠く、明後日の方向どころではなくもう目の前に天使でも降りてるんじゃないかというくらいの目をする親友にあかりは同情した。
クリームソーダの炭酸がいい刺激となり脳内が活性化しそうだ。
「……リジーちゃんって転生者か転移者なのかな……?」
「え?なんで?」
「いや、これ攻略サイトで見たやつだからアレなんだけど確かゲーム内の仕様でアレスとユーラスは同時にイベントおきなかったはず。アレスのイベントが起きた時はカイザックのイベントしか起きなかったはずだよ。同じくユーラスのイベントが起きたらそのあとはエルリックしか無理だったはず。ほら、アレスもユーラスも長髪が似合ってたからどっちか片方だなんて冒涜だって長髪オタク達が騒いでプチ炎上したあれだよ。」
「そういえばそんなこともあったね……?アイリス話だと婚約者とお兄様って言ってたからアレスとユーラスのイベントが起きてるってことになる……」
「うん、世界がゲームの一言一句違わずにシナリオ通りに進んでいるとは限らないからなんともいえないけど、リジーちゃんって子がこっちの世界の人でなんらかの理由であっちの世界にいってしまった可能性もあるとは思う。よくある異世界転生ものだね。その子が長髪オタクで両方のイベントを一気に起こそうと試みたとか?」
「なるほど、確かに……」
「直接アイリス嬢がこっちに来ちゃった理由には繋がらないかもだけどね。ま、私ももう一回最初からゲームやってみるよ」
自分の興味のある分野に関してはとことん強い。やはり持つべきものは専門的知識と想像力が豊かな友人である。
「ありがとう、ごめん何から何まで」
「いいっていいって!私もまたアイリス嬢……じゃない、あやめちゃんに会えるの楽しみにしてる!お世話がんばれ!」
「もう……気が重いよ……っていうかあなたもね。宿題終わらせないと補習なっちゃうよ?」
「あは、あははは……。帰ったら今日はゲームしよう。ほら、宿題は明日からでも全然……。」
「言っとくけど初日から宿題始めた私でもまだ終わってないよ」
「違う意味でおわったかも。」
クリームソーダの氷とガラスがぶつかりカランと爽やかな音を立てた。




