42話 謎の構造物
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バグ、レイネ、ウラスキ一同は、先刻訪れたダンジョンにまた戻って来た。
しかし、その一面の変わりようにバグは、本当にあの場所なのか、と疑問を抱く。
崩落したダンジョンがあった場所には、白い四角形の構造物が乱雑に積み重なっていて、建築学を全く知らないバグでもこれが正常なものではないことは理解できた。
横にも、縦にも伸びる構造物に3人は歩み寄る。
「入って大丈夫かしら」
と、レイネが不安を示しウラスキが「いざという時は私が守りますよ」と宣言する。
「ここから入れるんじゃないか」
バグは前方の扉を指差した。扉というには無骨で、縦に長い石板があるだけだが。
「そうね」
近づくとその大きさがより分かる。
20メートルはあるだろうか。
これほどに大きいとなると、人間ではない、何者かを想定した出入り口の可能性もある。
ウラスキが扉を押してみるが、ビクともしない。
大きさからして質量も相当なものだろうし、正攻法では開かないだろう。
そもそも石板と石板が閉じていて、他の部分と比べて扉に見えるというだけで、これが開くのかもわからない。
スライド式か、開閉式か。
バグは扉の周囲を歩きつつ、何か仕組みがないか探す。
触ってみると、ヒンヤリとしていて、未知の材質が使われているようだ。
すると、他の部分とは材質の違うところがあった。
ガラスだろうか。
「2人とも、これを」
レイネとウラスキを呼ぶ。
「恐らく、これが開けるための仕組みだな」
ウラスキは躊躇なく、ガラスに触れる。
反応はない。
もしかして、特定の人物が触れないと反応しない仕組みになっているのだろうか。
だとすると、この3人で開けるのは難しい。
「こうなったら、上の窓から入るしかないな」
バグが見上げた先、地上からはかなりの高さだが、そこに窓が1つある。
「じゃあ、私とウラスキが飛行魔術を使うからバグもそれで――」
と、レイネが提案するも、ウラスキが遮る。
「いえ、この男は置いていきましょう。先のダンジョン探索でもサトウ・ユウトを攫われた前科があります。着いてきても足手まといになりますよ」
「だったら私も同罪よ。バグ君も同じ過ちは2度も繰り返さないはず。そうでしょう?」
「ああ。ドラゴンランクのメンバーとして、冒険者としてクエストの失敗は許されない。彼は必ず救出します」
バグの言葉にウラスキは「……フンッ」と顔をそらした。
態度は尚もやや敵対的ながら、更なる反論がないことから受け入れてはくれたのだろう。
「レイネ、飛行魔術は良いよ。1人で入れるから」
道中、レイネの飛行魔術に頼りきりだったのだから、中に入るくらいは出来なければ役立たずと言われても仕方がない。
バグはスキルを発動する。
地面や木々から様々な虫がバグを中心として一斉集結し、数の多さから質量のある黒い煙が足に付着しているようだ。
虫の集合体は蠢きながら、体を浮かし、そのまま構造物まで進む。
そして、バグの体は構造物に、まるで釘のように垂直に立つ。
そのまま、上に進む。
虫型の魔物を操作すれば、そもそも飛行魔術の代替になるし、もっと素早く移動できるのだが、2人の前では使えない。
ドラゴンランクに入って早速追放はバグとしても流石に困るし、処刑リスクも当然ある。
だから、出来る範囲で最大限頑張るしかない。
「へえ、やるじゃん、バグ君」
レイネの称賛が地上から聞こえて、「洗練された移動法とは言えませんがね」とのウラスキの苦言も聞こえたが。
バグは【虫操作】によって、レイネとウラスキは飛行魔術で構造物の窓を目指す。
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