数字リテラシー 小泉農相の500%を鵜呑みにする良い大人の人達って〜やっぱり勉強は出来た方が良い
読者の皆様、こんにちは、ふりがなです。
先日、小泉農相が米価高騰の中、米卸業者に対して営業利益を出し過ぎているという、民業圧迫的な発言をしました。
その中でですね、営業利益が昨年比500%の業者もいるんだ、これは異常なんだと、政府を代表して大臣が民間業者を晒し上げました。
まぁ過剰な利益をあげるなという恫喝なんですが、このニュースを見て、何度目の米卸叩きだよと、私ことふりがなはですね、思った訳ですね。
農水省は消えた40万tは米卸のせいにして結局何処にも在庫は無かったし、消えた21万tも米卸のせいにしましたが、どこにも在庫はありませんでした。
因みに謝罪説明はありませんでした。
2024秋の米価高騰からは、農水省は何故か躍起になって米卸業者を冤罪で叩いてまして、大臣は小泉農相に変わりましたが、その経緯もあって、この500%という数字、出た瞬間から大分怪しいなと思った訳です。
絶対値と違い、前年比を%などの割合で示す相対値は簡単に操作しやすいのです。
前年度の数字が低ければ低いほど、簡単に大きな数字が出るので、最も数字の大きくなる時期を切り抜き、国民を煽るなど、常用される詐欺的テクニックに使われるのが、この相対値です。
ですので、政争関係で相対値が出る場合には注意が必要です。
つまり、真面目にやってる小さな企業の方が不利な指標とも言えます。
普段から数式を分解する癖があると、これ相対値だしなぁと思えるようになります。
もしくは、相対値に騙される経験を複数したりとかですね。
何回か騙されると覚えるようになります。
相対値には、何かしらの規模感のわかる絶対値を紐付けないと、いったい何を目的とした数値なのかさえ判別が付きません。
というか、農水省と米卸の関係、割と気になります。
数字リテラシー発動という事で、元の数字を探した所、丁度NHKが小泉農相に協力してました。
業者名と共に、売上高と営業利益を載せた記事がありましたので、これは良いやと絶対値を組み込みました。
そう、売上高営業利益率を組み込んだのです。
まぁ売上高が20億円行ってない所の話なので、規模感的には、どうでも良い結果になりそうだと解っていたのですが。
普段から私たちが見てるのは、五輪や万博などの規模感での数千億円規模での2倍になりました、3倍になりました、という話だからです。
規模感の大きな巨悪なのに、悪そうな数字である5倍はつきませんよね。
これはそもそも規模感が大きいから大きな数字が出ないのです。
物事をまともに見たいなら、数字の特性を知って、まず役に立つ絶対値がどこにあるかを探してみましょう。
売上高営業利益率とは、売上高に対して経費を引いて、どのくらいの利益を得ているのかの利益率です。
で、米卸の利益率は前年度が概ね1.5%くらい。
今年度が5%くらいの利益率となっていました。
利益率がわかったので、そのままGoogle検索で『売上高営業利益率 適正値』と検索。
最近はAIくんが情報をまとめて答えてくれます、便利ですね。
売上高営業利益率は、1から5%くらいが適正ですと、AIくんは答えてくれます。
民業の利益率5%は適正内。
これで小泉農相の言うような、異常なほどの利益率、つまり、異常な利益はそもそも存在しないのだ、という事が解りました。
危ない危ない、農水省に騙されて米卸を叩く所だったぜ。
というか、予想通りに、農水省が米卸のせいにしたいだけだった件。
今回の米価高騰で、農水省は毎回毎回虚偽ばっかりなので割と簡単にわかりました。
いったい何故なんだ農水省。
はーんと、私は思いながら、こんな記事書いちゃったNHKくんは、自分の所の利益率大丈夫かなと、NHK 利益率と検索しました。
NHKくんって、こんな記事書くくらいだから、よっぽど利益率低いんだろなぁ。…きっと。
他社を晒して、これは異常と叩くくらいだから米卸の今年度5%どころか、前年度の1.5%を下回っているに違いない。
>NHKの2022年度中間決算によると、経常事業収入は3,746億円、経常事業収支差金(営業利益)は418億円、中間事業収支差金(純利益)も418億円となっています。
はい。軽く調べて出たNHKくんの利益率は11%でした。
驚異の11%。
驚きの白さ。
これくらい数字が大きければ大きいほど、前年比で大きな数字は出ません。
直感的にも非常にわかりやすい簡単なカラクリです。
NHKが叩いてる米卸の本年度の利益率とはダブルスコアがついてる、というか桁が一つ増えてる。
前年度の米卸との利益率は対比にする事さえ悍ましい。
うーん、この。
で、いざ調べたけれど、コメントに困っちゃった訳ですね。
この記事書いた奴、数字の裏取りもしないような記者なのかよと。
なぁ、NHKくん。
というか、恐らく小泉農相も、相対値には絶対値を組み込む、最低限の数字の裏取りなんてしないから、米卸叩きに参加してるんでしょう。
そもそも、小泉農相って数字の裏取りが出来るのか知らんけど。
それで、案の定、小泉農相は米卸から利益率5%だけどと反論されて、あんたんとこは異常だという虚偽の情報で民業を圧迫して、利益率も考えずに儲けるなと恫喝したくせに、謝罪もせずに逃げちゃってる訳です。
そう、もう彼は何も反論出来ないからね。
加害者のくせに、被害者を決め込んでノーコメントで無責任に逃げるしかない。
これが現代の大臣の在り方です。
悲惨ですね。
虚偽、冤罪恫喝、民業圧迫の要素のある政治家カテゴリになるかなと思ったのですが、どうも小泉農相のイメージは、脳外科医の竹田くんに近しいというのが正しいのかもしれません。
切りたい、ああ切りたい、とにかくたくさん手術したい。
で、ですね。
勉強が何の役に立つのか、勉強は出来た方が良いのかという話になりますが、例えば今叩かれてる米卸にしても、米卸は利益を独占して結託して米価を吊り上げてるんだと妄想でいう人がネットにはいます。
じゃあ、あなたは普通に、米価の推移を調べなさいよと。
そういう陰謀論に走らないで、自身の疑問がわかる勉強をしてきたハズです。
米価の推移を見て見る。
そうしたら米価が高騰どころか低迷していた事がわかります。
仮に米卸が結託して米価を吊り上げられるとするなら、数年前の米価低迷なんて起きているハズがないという事が解るわけです。
一部の業者で吊り上げられる状態なら、米価は低迷などしません。
それは米価が低迷すれば、低迷するほど、取れる利鞘が減るからです。
結託出来るなら、米価は逆に高止まりが続きます。
現実的に言えば、自民党と農水省は票田である零細農家のために、米価を吊り上げたいけれど、米卸は自民党や農水省の言う事を聞かずに真っ当に商売しているだけなので、米価低迷は起きたのです。
米価高騰ではなく、米価低迷となっていた。
イメージと真逆ですよね。
まともに数字を読めると、自分の思っていた真逆のイメージでも、頭の中で正常な認識に覆せるようになります。
私個人としては、米価低迷が起きたからこそ、農水省は、米価低迷の原因というか米価維持に非協力的な米卸に逆恨みをして、ひたすら米卸を標的にしているのだと思います。
しかし考えて見れば、JAのシェアは米における物流の半分に届いてないくらいで、米市場は直接売買が多く、米卸は米価をコントロール出来る状態にはありません。
ですから、米卸は嫌でも真っ当に商売するしかなかったのです。
それは、少しでもJAや米卸がダメだと思ったら、今の時代では農家は商社に米を売ってしまうからです。
米の自由化による競争は市場原理をより強め、弱者は米が買えなくなる。
今回の米の高騰では、米卸は弱者側だったのです。
ですから出口部分の価格として米卸は、弱者として米は買えない、故に、米はより高騰していくといった流れになりました。
競争がより強まれば、全員が米を安く食べられるようになるんだと幻想する人は未だに多いようです。
では、思い出してください。
小さい頃に経験したであろう徒競走では全員が楽に走って一緒にゴールしたのでしょうか?
誰かが最下位になりませんでしたか。
1993年の米不足では購買力の高い日本人、つまり強者によるタイ米の輸入で、弱者であるタイ人の貧困層は餓死しました。
令和のコメ不足では、強者である商社の支える外食産業や輸出産業に対して、弱者である米卸の支える日本の食卓は、1993年の米不足とまったく同じ構図で、弱者の敗北として、米の購買で負けてしまったのです。
弱者は米を食えない。
米が足らなくて食べられない事を価格に転嫁すれば、それは米価高騰になる。
メディアに流されて、自由競争は、自分にだけ有利になるのだと信じている人は居ませんか?
農水省が作付に失敗した等、大元の話は別ですが、自由競争における弱者の敗北こそが、我々の目の前にある今回の米価高騰の正体なのです。
個人的には、勉学が出来れば出来るほど、嘘を鵜呑みにしないリテラシーが育まれると思います。
その勉学を疎かにするから、最低限の数字の裏付けさえ取らず、勘違いで民業圧迫となる、業界を恫喝する大臣なんて化け物が産まれるのです。