第6話
私たちが街につくと、そこには何やら人だかりができていた。
「何ワケの分からん事言ってんだ小僧!?」
「うるさい!お前らなんか敵じゃない!」
見ると複数人の大人と1人の子供がいた。
「何?お前こういうのに遭遇しやすいタイプ?」
ケイがからかったように言う。
「そんなことありませんよ!最近多いですが…。」
「行くのかぁ?」
「と、当然です!」
私はその子供のもとへ向かった。
「ちょっと、何事ですか?子供1人を大勢で囲んで。」
「関係ない奴は引っ込んでろ!」
私は気圧されて目を伏せた。そしてすぐさま子供の方に目を向けた。
「子ども扱いすんな!」
もう踏んだり蹴ったりだ。
「と、とりあえず訳を話してくださいよ!」
「このガキが訳の分からん事言うんだよ!」
最近の私の周りにはなぜかこんな奴が多い…。
「で?なんて言ってるんです?」
「私は魔王幹部の知り合いだ!なめてたら痛い目見るぞ!」
子供は大声で言った。
「はぁ!?」
私は驚いた。イヤそんなわけないだろうと思いつつなぜそんなことを言っているのか疑問だった。
「えぇーと…どうしたのかな?なんでそんなこと…」
「だから子ども扱いすんな!私はもう14だぞ!お前と大して変わらん!」
さらに驚いた。もう少し小さく見えたが…。
「えぇと、とにかくもうこんなことやめた方が…」
「うるさい!もういい!お前を連れて行ってやるよ!あのお方のもとにな!私は嘘はついてない、すべて本当だ!」
「嘘だね。断言しよう。」
ケイが割って入ってきた。
「はぁ!?なんだお前、うだつの上がらない顔して!」
「なんでもいいけどよぉ、お前、騙されてんぜ?しょうもない奴に。ほれ、連れて行ってみろ、付いてってやるよ。」
「わかった。来い。」
「ほれ、行くぞ。」
「え…えぇ…?」
私のことは全く無視して二人は歩き出した。私は仕方なく後を追った。
それにしても何だろう、ケイが珍しくやる気だ。
「どうしたんですか?そんなにやる気になって。」
私は子供に聞こえないようにこそこそとケイに話しかけた。
「あ?まぁな。」
まぁな、って…。何の返答にもなってない…。
そうこう言っている間に、私たちは寂れた一軒の倉庫にたどり着いた。
「ここだ。」
そうして子供は倉庫の扉を開けた。