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第16話

「聖女っつったら聖堂だろぉ~?なんかそこらへんにないのかぁ~?」


「聖堂ねぇ~、確かに目立ちそうですが…。」


「おい、なんか人だかりができてるぞ?あれじゃねぇか?」


エトが人だかりを見つけた。なんかめっちゃいそうなんですけど、聖女。そんな雰囲気がした。


その人だかりは何やらだいぶ盛り上がっている。


「なんだぁ~?人が多くて何やってんのかよく見えねぇなぁ~。」


ケイは背伸びして人だかりの中心を見ようとしていた。


「だめだぁこりゃ。おし、この人だかりがはけてきたらそこを狙って直撃するぞ。」


私たちは人だかりがはけるまで待つことにした。


しばらくして


「お、だいぶはけてきたなぁ~。」


人だかりだったところの中心には1人の女性が立っていた。


「では今日はこの辺で。ごきげんよう、皆さま。」


すごく気品のあふれる女性だった。


「きれいな方ですねぇ、私ちょっと見とれちゃいましたよ。ってあれ?ケイ?」


すでに私の横にケイの姿はなかった。もうその聖女の元へ向かっていた。


「…はやっ!いやぁ~出会った頃はもうちょっとこうじゃなかった気がするんですけどねぇ…。」


「私らが集まってきたことに味を占めたんじゃねぇか?せいぜい。とんだ変態だ。」


「ですねぇ。私たち全っ然ハーレムじゃないんですけどねぇ…。」


「まったくだ。」


本当にやれやれ、といった感じだった。


「おぉ~い聖女さん?何やってんだぁ~?」


「おや、見かけない顔ですね。旅のお方ですか?」


「ま、そうだな。」


「おっと、質問に答えてませんでしたね。私はこの街の方々の活気づけ、とでもいうんですかね。をしております。」


「ほぉ~、活気づけねぇ…。で?どこかの聖堂かなんかに普段はいんのか?」


「いいえ、私はどこにも所属しておりません。無所属です。強いて言うなら私のいるところが聖堂です。」


「へぇ~、ノラの聖女か。」


「ま、そんなところですね。」


「ノラなら話は早ぇ、俺の飼い聖女にならねぇか?」


「…。いいえ、私は無所属です。どこにも所属なんてしませんよ?」


「ずいぶん所属しないことにこだわるねぇ、何故だい?」


「私は自由、自由は私。だからですかね?」


「ほぉ~…そうか。ま、今日のところは引き下がってやるか。また来るわ。」


「お待ちしております。」


ケイが帰ってきた。


「で?どうだったんです?ま、連れてきてないところを見るに失敗だったんでしょうね。」


「なかなか面白い奴だったよ。今回は骨が折れるかもなぁ。」


ケイが引き下がるのは珍しいと思いつつ、そう何度もうまくいくか、と思う私なのだった。

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